【重要なお知らせ】
この記事は過去の公募情報(平成29年度)を基に作成しています。助成金の名称、内容、申請要件等は変更されている可能性があります。最新の情報は必ず公益財団法人東京都中小企業振興公社の公式サイトでご確認ください。
TOKYOイチオシ応援事業とは?
「TOKYOイチオシ応援事業」は、東京都内の中小企業者が、東京ならではの魅力的な「地域資源」を活用して行う新製品・新サービスの開発や改良を支援する助成金制度です。この事業は、経費の一部を助成するだけでなく、専門家によるハンズオン支援も提供し、事業の成功を強力に後押しします。地域の魅力を高め、経済の活性化を図ることを目的としています。
制度の概要
本事業の大きな特徴は、資金的な支援と専門家による伴走支援がセットになっている点です。具体的な内容を見ていきましょう。
| 項目 | 内容 |
| 助成限度額 | 最大1,500万円(下限額200万円) |
| 助成率 | 助成対象経費の2分の1以内 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最長2年間(※過去の事例) |
| 支援内容 | 1. 経費助成:新製品・新サービスの開発・改良に必要な経費の一部を助成 2. ハンズオン支援:専門家が開発の進捗管理から販路開拓まで伴走型で支援 |
助成対象の要件
この助成金を申請するためには、「事業者」「事業内容」の両方で定められた要件を満たす必要があります。
対象となる事業者
以下のいずれかに該当し、都内に主たる事業所を1年以上有する事業者が対象です。
- 中小企業者(会社および個人事業者)
- 組合等(事業協同組合など)
- 一般財団法人、一般社団法人、特定非営利活動法人
※大企業が実質的に経営に関与していないこと、都税を滞納していないことなどの詳細な要件があります。
対象となる事業
以下の3つの要件をすべて満たす事業が対象となります。
- 東京の地域資源を不可欠な要素として活用する取組みであること
「地域資源」とは、農林水産物(例:江戸東京野菜)、鉱工業品・生産技術(例:江戸切子)、観光資源(例:高尾山)などを指します。 - 新たな発想や仕組みにより、付加価値を高めて差別化を図るものであること
単なるデザイン変更や既存製品の模倣は対象外です。 - 開発の主要部分(構想、企画、仕様策定)を自社で行うこと
開発の大部分を外注する事業は対象となりません。
助成対象となる経費
助成対象となる経費は、事業の遂行に必要不可欠なものに限られます。大きく「開発費」と「販路開拓費」に分かれています。
主な対象経費の例
| 経費区分 | 内容例 |
|---|---|
| 原材料・副資材費 | 試作品開発に使用する材料、部品、化学薬品など |
| 機械装置・工具器具費 | 開発に必要な製造機器、検査機器、ソフトウェア、金型などの購入・リース費用 |
| 委託・外注費 | 自社で実施できない設計、加工、デザイン、市場調査などを外部に依頼する費用 |
| 専門家指導費 | 技術指導やマーケティング指導など、外部専門家から助言を受ける際の謝金 |
| 直接人件費 | 開発に直接従事した役員・正社員の人件費(上限あり) |
| 広告費 | 開発した製品・サービスの広報を目的としたパンフレット作成、Web広告掲載費用 |
| 展示会等参加費 | 国内外の展示会への出展小間料、設営費、運送費など |
対象外となる経費の例
- 通常の生産活動や営業活動とみなされる経費
- 販売を目的とした製品の材料費
- 消費税、振込手数料、通信費などの間接経費
- 不動産の購入費や事務所の家賃(※新規賃借の場合は一部対象の可能性あり)
- 公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
申請から交付までの流れ
申請プロセスは複数のステップに分かれており、書類審査と面接審査が行われます。周到な準備が必要です。
- 申請書類の提出申込(事前予約制)
- 申請書類の提出(持参)
- 一次審査(書類審査)
- 二次審査(面接審査)
- 総合審査会
- 助成対象者の決定・通知
- 事務手続き説明会
- 助成事業の実施
- 実績報告書の提出
- 完了検査
- 助成金額の確定・交付
審査では、事業の適格性(地域資源の活用)、新規性・優秀性、実現可能性、市場性、地域への波及効果などが総合的に評価されます。
まとめ
「TOKYOイチオシ応援事業」は、東京の地域資源というユニークな切り口で、中小企業の新ビジネス創出を資金面と実務面の両方から支援する、非常に魅力的な助成金です。助成額が大きい分、事業計画の具体性や新規性が厳しく問われますが、採択されれば事業を大きく飛躍させるチャンスとなります。
自社の技術やアイデアと、東京に眠る地域資源を組み合わせることで、新たな価値を創造したいとお考えの事業者様は、ぜひ本事業の活用を検討してみてはいかがでしょうか。まずは公益財団法人東京都中小企業振興公社の公式サイトで最新の公募情報を確認することから始めましょう。
