【公募終了】三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金の概要
本記事で解説する「三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金」は、令和4年度に実施された制度であり、現在は公募を終了しています。しかし、今後の同様の支援策に備えるため、過去の制度内容を詳しくご紹介します。コロナ禍などで顕在化したサプライチェーンの脆弱性に対応し、県内製造業の競争力強化を目的とした重要な補助金でした。
この補助金のポイント
- 目的: 県内企業のサプライチェーン転換・強靱化を促進し、競争力強化を図る。
- 対象: 三重県内の製造業事業者(一部地域では地域資源活用型産業も対象)。
- 補助額: 一般枠で最大3,000万円、F/S(実行可能性調査)特化枠で最大100万円。
- 特徴: 海外・県外からの生産移管(国内回帰)、内製化、研究開発、生産能力増強など幅広い取り組みを支援。
補助金の詳細(令和4年度実績)
以下に、令和4年度公募時の具体的な内容をまとめました。今後の事業計画の参考としてご活用ください。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金 |
実施機関 | 三重県 雇用経済部 企業誘致推進課 |
対象者 | 三重県内においてサプライチェーンの強靱化に取り組む製造事業者 ※県南部地域では、特定の地域資源活用型産業も対象 |
補助上限額 | 【一般枠】3,000万円 【F/S特化枠】100万円 ※常用雇用者増加により上乗せあり |
補助率 | 1/4 ~ 1/2(事業内容・企業規模による) |
公募期間(参考) | 【1次】令和4年4月1日~4月28日 【2次】令和4年6月1日~6月30日 ※公募は終了しています |
補助対象事業の2つの枠
この補助金は、事業フェーズに応じて2つの枠が設けられていました。
1. 一般枠
具体的な設備投資を伴う事業が対象です。以下の3つの類型がありました。
- a. 転換型: 海外・県外生産から県内生産への転換や、外注品の内製化など。
- b. 研究開発強化型: 研究開発機能の県内への新設・増設。
- c. 増強・脱炭素型: 生産能力の増強や、取引先の要請に応えるための脱炭素化投資。
2. F/S(実行可能性調査)特化枠
一般枠で計画している事業の実行可能性を調査するための費用(マーケティング調査委託費など)を支援する枠です。本格的な投資の前に、リスクを低減するための調査が可能でした。
補助対象経費
主に以下の経費が補助対象とされていました。
- 機械装置、工具・器具の購入・製作費
- 専用ソフトウェア、情報システムの購入・構築費
- 建物附属設備、建物改修費
- 海外からの設備設置移転費(運搬費、設置工事費など)
- F/S調査委託費
- 新規常用雇用者増加分(上乗せ補助)
注意点:投資要件
一般枠の申請には、補助対象経費の合計額が一定以上であるという投資要件がありました。
・中小企業者:2,000万円以上
・その他(大企業など):3,000万円以上
申請プロセス(参考)
当時の申請は以下の流れで進められました。事前相談が必須とされていた点が特徴です。
- 事前相談: 申請前に必ず県の担当課へ相談。
- 申請書類の準備・提出: 交付申請書、事業計画書、決算書などを準備し、郵送、持参、またはJグランツで提出。
- 審査: 審査会にて事業の実現可能性、競争力、継続性などを審査。
- 採択・交付決定: 審査結果が通知され、採択されると交付決定。
- 事業実施: 補助事業計画に沿って設備投資などを実施。
- 実績報告と補助金交付: 事業完了後、実績報告書を提出。検査を経て補助金額が確定し、支払われる。
まとめ:今後の動向に注目
「三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金」は、県内製造業が直面する課題に対応するための強力な支援策でした。現在は公募終了していますが、経済安全保障や国内生産基盤の強化は引き続き重要な政策課題です。今後、同様の趣旨を持つ後継制度や新たな補助金が創設される可能性は十分に考えられます。
三重県内で大規模な設備投資や事業転換を検討されている事業者の皆様は、県の公式発表を定期的にチェックし、情報収集を怠らないようにしましょう。