令和4年度補正「需要家主導型太陽光発電導入促進事業」とは?
企業の脱炭素化とエネルギーコスト削減の切り札として注目される、経済産業省の「需要家主導型太陽光発電導入促進事業」。本記事では、特に令和4年度第2次補正予算で実施された事業内容について、その目的、対象要件、補助率などを網羅的に解説します。今後の同様の補助金申請に向けた重要な情報となりますので、ぜひご一読ください。
この記事でわかること
- 補助金の全体像と目的
- 補助対象となる事業者・設備の詳細な要件
- 補助率や対象経費、補助額について
- 申請における重要なポイントと注意点
補助金概要(早見表)
まずは、令和4年度第2次補正予算事業の概要を一覧表で確認しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
事業名 | 令和4年度第2次補正予算 需要家主導型太陽光発電導入促進事業 |
実施省庁 | 経済産業省 |
補助対象者 | 特定の需要家に電気を供給するために新たに太陽光発電設備を設置・所有する民間事業者、自治体など |
補助率 | 民間事業者: 1/2 自治体連携型: 2/3 |
対象設備 | 非FIT/非FIPの新規太陽光発電設備(合計2MW以上)、併設する蓄電池 |
公募状況 | 公募終了(二次公募締切:2023年5月26日) |
【重要】補助対象となるための主要要件
本補助金は大規模な設備導入を支援するため、申請には複数の要件を満たす必要があります。主要なポイントを3つのカテゴリに分けて解説します。
1. 設備の要件
- 非FIT/非FIP制度の活用:国の固定価格買取制度(FIT)やFIP制度を利用しない事業が対象です。
- 合計2MW以上の新設設備:複数地点の設備を合算して2MW以上でも申請可能です。ただし、1地点あたり30kW以上(ACベース)などの細則があります。
- 単価要件:太陽光発電設備は23.6万円/kW(ACベース)未満、併設する蓄電池は19万円/kWh以下といった価格要件があります。
- 系統連系:申請時に原則として系統連系に係る接続検討の回答を得ている必要があります。
2. 契約の要件
- 8年以上の長期契約:発電事業者、小売電気事業者、需要家の間で8年以上にわたる電気の利用契約等を締結することが求められます。
- 発電量の7割以上を利用:導入する太陽光発電設備の発電量のうち、7割以上を契約した需要家が利用する必要があります。
- 自己託送は対象外:需要家が自社の発電設備から送電網を介して自社の他拠点へ送電する「自己託送」モデルは補助対象外です。
3. その他の要件
- リース・レンタルは対象外:設備は自社で所有する必要があり、リースやレンタルによる導入は補助対象となりません。
- 運転開始期限:定められた期限内(例:令和6年2月29日)に運転を開始する必要があります。
- ガイドライン遵守:再エネ特措法に基づく事業計画策定ガイドラインを遵守し、地域住民への配慮などが求められます。
⚠️ 注意点
上記は主要な要件の抜粋です。申請にあたっては、必ず公式ウェブサイトで最新の公募要領を精読し、詳細な条件を確認してください。他の国庫補助金との併用はできません。
気になる補助額は?対象経費と補助率
補助対象経費
補助の対象となる経費は以下の通りです。事業計画に不可欠な幅広い費用がカバーされます。
- 設計費
- 設備導入費(太陽電池モジュール、パワーコンディショナ、架台、受変電設備など)
- 土地造成費
- 工事費
- 接続費
補助率
補助率は事業形態によって異なり、最大で費用の3分の2が補助されます。
- ▶︎ 自治体連携型:2/3
- ▶︎ 自治体連携型以外(民間事業者):1/2
また、太陽光発電設備に併設する蓄電池も補助対象となる場合があります。これにより、再生可能エネルギーをより効率的に活用するモデルが支援されます。
申請から交付までの流れ
申請は専用の電子申請システムを通じて行われます。一般的な手続きの流れは以下の通りです。
- 公募要領の確認:公式サイトで公開される公募要領、交付規程などを熟読します。
- 申請書類の準備:事業計画書や各種様式をダウンロードし、作成します。
- 電子申請:指定された期間内に、申請システムから必要書類を提出します。
- 審査・採択:事務局による審査が行われ、採択事業者が決定・公表されます。
- 交付申請・事業開始:採択後、正式な交付申請手続きを行い、交付決定後に事業を開始します。
- 実績報告と補助金受領:事業完了後、実績報告書を提出し、検査を経て補助金額が確定・支払われます。
公募情報について
本記事で解説した令和4年度第2次補正予算の公募は既に終了しています。しかし、同様の事業は令和5年度、令和6年度予算でも継続的に実施されています。今後、新たな公募が開始される可能性があるため、公式サイトを定期的に確認することをお勧めします。
まとめ
「需要家主導型太陽光発電導入促進事業」は、大規模な太陽光発電設備の導入を目指す事業者にとって非常に魅力的な補助金です。要件は複雑ですが、最大2/3という高い補助率は、初期投資を大幅に軽減し、企業のカーボンニュートラル達成を強力に後押しします。過去の公募情報を参考に、今後の事業計画にぜひお役立てください。
お問い合わせ・公式サイト
本事業に関するお問い合わせは、以下の執行団体窓口までご連絡ください。また、最新情報や公募要領などの詳細は公式サイトをご確認ください。