「大企業の安定した環境で働きながら、新しい事業で挑戦したい」「スタートアップを立ち上げたいが、リスクが怖い」そんな想いを抱える方に朗報です。経済産業省が推進する「出向起業補助金」は、所属企業に在籍したまま起業する「出向起業」を強力にバックアップする制度です。本記事では、この魅力的な補助金の概要から申請のポイントまで、専門家が分かりやすく解説します。
出向起業補助金とは?
出向起業補助金(正式名称:令和5年度 出向起業等による人材移動支援事業費補助金)は、大企業等に所属する人材が、自社の籍を維持したまま外部でスタートアップを創出したり、既存のスタートアップ経営に参画したりする「出向起業」を支援する制度です。これにより、人材の流動性を高め、オープンイノベーションを促進することを目的としています。
この制度の3つの大きなメリット
- リスクを抑えた挑戦: 出向元企業に籍を置いたまま起業できるため、失敗のリスクを大幅に軽減できます。
- 手厚い資金支援: 出向元企業への人件費補助(最大500万円)と、設立したスタートアップへの事業費補助(最大2,000万円)が受けられます。
- 事業シナジーの創出: 出向元企業の経営資源(技術、販路など)を活用しやすく、スピーディーな事業成長が期待できます。
補助金の詳細情報
制度の基本情報を以下の表にまとめました。申請を検討する際の参考にしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象者 | 出向起業者、出向元企業、出向起業法人 |
補助額 | ・出向元企業へ:上限500万円/人・年 ・出向起業法人へ:上限1,000万円(MBO型は上限2,000万円) |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
対象経費 | 人件費、事業費(旅費、機械装置費、外注費、委託費、マーケティング費など) |
公募期間(令和5年度) | 令和5年4月28日~令和6年1月31日(※公募は終了しました) |
実施団体 | 一般社団法人 社会実装推進センター(JISSUI) |
申請から採択までの5ステップ
一般的な申請プロセスは以下の通りです。次年度以降の公募に備え、流れを把握しておきましょう。
- 公募要領の確認と準備:公式サイトで最新の公募要領を熟読し、事業計画書や必要書類の準備を開始します。
- Jグランツでの電子申請:申請は原則として電子申請システム「Jグランツ」で行います。GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。
- 審査:事務局による書面審査と、必要に応じてヒアリング(面接)審査が行われます。事業の新規性や成長性、出向元企業との連携計画などが評価されます。
- 採択・交付決定:審査を通過すると採択が決定し、交付決定通知が届きます。
- 事業開始と実績報告:交付決定後、計画に沿って事業を開始します。事業期間終了後には、実績報告書の提出が必要です。
⚠️ 注意点
令和5年度の公募はすでに終了しています。本記事は過去の情報を基に作成しています。次年度以降の公募については、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
まとめ:次なる挑戦への準備を
出向起業補助金は、個人のキャリアと企業の成長、双方に大きな可能性をもたらす画期的な制度です。公募は終了しましたが、この制度の存在を知り、次なるチャンスに向けて事業計画を練っておくことは非常に重要です。イノベーションの担い手として、新たな一歩を踏み出す準備を始めましょう。
問い合わせ先
一般社団法人 社会実装推進センター(JISSUI)
出向起業補助金事務局
E-mail: shukko-kigyo@jissui.or.jp