令和5年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業とは?
「令和5年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」は、経済産業省資源エネルギー庁が推進する、建築物におけるエネルギー消費の大幅な削減を目指すための補助金制度です。特に、設計ノウハウが確立されていない大規模建築物を対象に、先進技術の導入を支援し、脱炭素社会の実現に貢献することを目的としています。
事業の目的と背景
政府は「2030年度以降に新築される建築物についてZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」という目標を掲げています。本事業では、特にZEB化の難易度が高いとされる大規模建築物(新築10,000㎡以上、既存2,000㎡以上)に焦点を当て、先進的な省エネ技術の導入を支援。これにより得られた設計ノウハウや運用実績を広く公開し、ZEBの全国的な普及を加速させることを目指しています。
補助金の概要
項目 | 内容 |
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事業名 | 令和5年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業 |
実施団体 | 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII) |
対象となる建築物 | 民間の大規模建築物 ・新築:延べ面積10,000㎡以上 ・既存:延べ面積2,000㎡以上 |
目的 | 先進技術の導入によるZEB化を通じて、設計ノウハウや運用実績を蓄積・公開し、ZEBの普及を促進する。 |
申請期間(令和5年度) | ※受付は終了しました。 ・一次公募:2023年5月8日~6月5日 ・二次公募:2023年7月31日~8月28日 |
【重要】補助対象外となる建築物
本事業は環境省が実施する「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」との連携事業です。そのため、地方公共団体の建築物や、延べ面積2,000㎡未満の業務用建築物など、環境省事業の対象となる建築物は本事業には申請できません。申請を検討する際は、必ず対象要件を確認してください。
令和5年度の採択結果まとめ
令和5年度は一次・二次の公募が行われ、厳正な審査の結果、合計10件の事業が交付決定されました。全体の採択率は約83%と高い水準でした。
一次公募 採択結果
申請件数 | 交付決定件数 | 採択率 | 想定省エネ効果 |
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10件 | 8件 | 80.0% | 約1,821KL/年 (原油換算) |
二次公募 採択結果
申請件数 | 交付決定件数 | 採択率 | 想定省エネ効果 |
---|---|---|---|
2件 | 2件 | 100% | 約380KL/年 (原油換算) |
ZEBの実現に向けた関連制度
ZEBの普及を促進するため、本事業と連携して「ZEBプランナー」や「ZEBリーディング・オーナー」といった制度が設けられています。これらの制度を活用することで、専門的な知見を得たり、企業の環境先進性をアピールしたりすることが可能です。
- ZEBプランナー:ZEBの設計やコンサルティングに関する専門知識を持つ事業者を登録・公表する制度。
- ZEBリーディング・オーナー:自社のZEB普及目標や導入実績を公表する先導的な建築物オーナーを登録・公表する制度。
お問い合わせ先
一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII) ZEB事務局
電話番号: 03-5565-4063
受付時間: 平日 10:00~12:00、13:00~17:00
まとめ
令和5年度のZEB実証事業は、大規模建築物の脱炭素化を後押しする重要な役割を果たしました。採択率は高く、省エネへの貢献意欲が高い事業者が選ばれています。令和5年度の公募は終了しましたが、今後も同様の事業が継続される可能性が高いため、大規模建築物の新築や改修を計画している事業者は、最新情報を常にチェックしておくことをお勧めします。