※令和6年度の公募は2024年5月10日をもって終了しました。
本記事は来年度以降の申請に向けた参考情報としてご活用ください。
令和6年度 地域課題解決のためのスマートシティ推進事業とは?
本事業は、総務省が主導するもので、地域が抱える防災、ヘルスケア、子育て、観光といった多様な課題をデジタル技術で解決することを目指す取り組みです。具体的には、スマートシティの中核となる「都市OS」や、それに接続するサービスの整備・改良費用の一部を補助し、持続可能な地域社会の実現を後押しします。
この補助金のポイント
- 目的:都市OS等の整備を通じて、地域課題の解決と地方創生を実現する。
- 補助率:事業費総額の最大1/2を補助。
- 対象者:地方公共団体、および自治体と連携する民間事業者等。
- 特徴:データ連携を促進し、分野や地域を越えた新しい価値創出を目指す。
補助金の概要
補助金名 | 令和6年度 地域課題解決のためのスマートシティ推進事業(情報通信技術利活用事業費補助金) |
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実施機関 | 総務省 |
補助率 | 事業費総額の1/2以内 |
事業費下限額 | 300万円 |
公募期間 | 令和6年4月5日(金)~令和6年5月10日(金)正午必着 |
公式サイト | 総務省 報道資料 |
補助対象となる事業者
本事業の対象となるのは、以下のいずれかに該当する団体です。
- 都道府県
- 市区町村(一部事務組合又は広域連合を含む)
- 法人格を有する組織(民間事業者等)
※民間事業者の場合:事業に関連する都道府県又は市区町村との間で、出資、包括連携協定、コンソーシアム組成等によりガバナンスが確立されていることが必須条件です。
補助対象となる経費
補助対象となる経費は、事業の目的に直接必要な「直接経費」と、事業運営に必要な「一般管理費」に大別されます。
大分類 | 中分類 | 具体例 |
---|---|---|
直接経費 | 物品費 | 設備備品費、消耗品費 |
人件費・謝金 | 事業担当者の人件費、専門家への謝金 | |
旅費 | 調査や会議参加のための交通費、宿泊費 | |
その他 | システム構築の外注費、印刷製本費、会議費、通信運搬費など | |
一般管理費 | 直接経費の合計額の10%を上限として計上可能 |
対象外となる経費の例
以下の経費は原則として補助対象外となるため、注意が必要です。
- 建物の建設や不動産取得に関する経費
- 既存システムの純粋な維持費用(ランニングコスト)
- 借入金の支払利息や遅延損害金
- 公的な資金の使途として社会通念上、不適切と認められる経費(接待費等)
- 交付決定日より前に発注・契約した経費
採択に向けた重要ポイントと審査基準
本事業の令和6年度採択率は80%(10件中8件採択)と高い水準ですが、質の高い事業計画が求められます。審査では以下の点が総合的に評価されます。
採択の鍵は「住民ニーズ」と「データ連携」
過去の事業評価では、「住民の利用が進まない」「データ連携が不十分」といった課題が指摘されています。採択されるためには、システム導入ありきではなく、住民が本当に必要とするサービスを設計し、どのようにデータを連携させて新たな価値を生み出すかを具体的に示すことが極めて重要です。
主な審査項目
- 適合性:事業目的やスマートシティの基本理念(市民中心、課題解決中心)に合致しているか。
- 具体性・実行性:実施体制やスケジュールが明確で、実現可能性が高いか。首長のリーダーシップや官民連携体制が確立されているか。
- 継続性:事業が単発で終わらず、5年以上の継続的な運用が見込めるか。財源確保の計画は十分か。
- 汎用性・発展性:他地域でも展開可能なモデルか。データ連携の相互運用性や拡張性が確保されているか。
- 有効性・効率性:都市OSを効果的に活用し、分野間・都市間連携によって新たな価値を生み出す取り組みか。
- その他:セキュリティ対策やプライバシー保護への配慮が十分か。
申請手続きとスケジュール
申請は、必要書類を準備し、指定された方法で期限内に提出する必要があります。
- 必要書類の準備:応募様式やチェックシートなど、指定された書類を作成します。
- 申請方法の選択:管轄の総合通信局へのメール提出、または「Jグランツ」を利用した電子申請が可能です。
- 期限内提出:公募期間内に必着で提出します。提出後は電話での一報が必要です。
必要書類一覧
- 令和6年度スマートシティ関連事業応募様式
- スマートシティセキュリティガイドライン導入チェックシート
- ガバナンス確立を証明する資料(民間事業者等のみ)
- その他補足資料(任意)
令和6年度の実施スケジュール
公募期間 | 令和6年4月5日~5月10日 |
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審査・選定 | 令和6年6月中 |
交付決定 | 令和6年7月以降 |
令和6年度の採択事例紹介
令和6年度は全国から8件の事業が選定されました。多様な地域課題解決の取り組みが採択されています。
実施地域 | 代表提案団体 | 事業名 |
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仙台市 | 仙台市 | SENDAIポータル拡張事業 |
茅野市 | 茅野市 | 都市OSを基盤とした電子母子手帳データとオンライン医療相談サービスとの連携による子育て支援体制の強化事業 |
津山市 | 津山市 | データドリブンで創る健康と幸福のスマートシティ推進事業 |
福岡県 | 福岡県 | 福岡県官民データ連携基盤構築事業 |
まとめ
「地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」は、デジタル技術を活用して地域の未来を創造するための強力な支援策です。補助率が高く、多くの団体にとって魅力的な制度ですが、成功のためには技術導入だけでなく、地域住民のニーズを的確に捉え、持続可能な官民連携体制を構築することが不可欠です。来年度の公募に向けて、今から情報収集と計画策定を進めてみてはいかがでしょうか。
公式情報・お問い合わせ先
総務省 情報流通行政局 地域通信振興課
- 電話: 03-5253-5756
- E-mail: ict-town_atmark_ml.soumu.go.jp (「_atmark_」を「@」に変更してください)