大規模な自然災害時でも、住民へ確実に情報を届けるために。総務省は、放送局の停電対策や予備設備の整備を支援する「地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業」を実施しています。この補助金は、災害時の情報伝達という重要なライフラインを守るための設備投資を後押しするものです。
補助金の概要
本事業は、大規模な自然災害が発生した際に放送が中断する事態を回避し、被災情報や避難情報といった重要な情報を安定的に提供できる体制を構築することを目的としています。放送設備の強靭化を目指す事業者にとって、非常に価値のある制度です。
項目 | 内容 |
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補助金名 | 無線システム普及支援事業費等補助金(地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業) |
実施機関 | 総務省 |
対象者 | 地方公共団体、民間テレビ・ラジオ放送事業者、一般社団法人等 |
補助率 | 補助対象経費の1/3〜2/3(対象者・条件により変動) |
公募期間(令和6年度参考) | 第三次締切:2024年7月19日(金) ※締切後も随時受付の可能性あり |
対象となる事業者と事業内容
対象事業者
- 都道府県、市町村(複数の自治体による連携主体を含む)
- 地上基幹放送事業者、移動受信用地上基幹放送事業者、基幹放送局提供事業者(これらの連携主体を含む)
- 一般社団法人、一般財団法人
対象となる事業
災害時における放送継続を目的とした、以下の施設・設備の整備が対象となります。
- 予備送信設備の整備: 代替送信機や代替空中線など、既存送信所の機能を代替する予備設備の整備。
- 予備電源設備の整備: 自家用発電機、燃料タンク、蓄電池など、停電時に放送を継続するための予備電源の新規整備や増設・取替え。
- 予備中継回線設備の整備: 演奏所から送信所への伝送路を二重化するための予備機器の整備。
- 予備番組送出設備の整備: 番組送出機能を代替できる予備機器の整備。
💡 ポイント
既に二重化されている設備の「三重化」以上も対象となります。また、可搬型の設備や、省電力型の送信機への取替え(一定の条件を満たす場合)も補助対象となる点が特徴です。
補助対象経費と補助率
主な補助対象経費
- 施設・設備費: 上記対象事業に必要な機器の購入費、設置工事費、局舎・鉄塔の改修費、附帯工事費など。
- 企画・開発費: ソフトウェア購入費(ライセンス費含む)など。
※消費税、ランニングコスト(保守費、燃料費等)、事務費などは対象外です。
補助率
事業者区分 | 補助率 |
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都道府県、市町村、連携主体 | 1/2 |
上記のうち、財政力指数0.5以下の市町村が条件不利地域で実施する場合 | 2/3 |
一般社団法人等、認定基幹放送事業者、特定地上基幹放送事業者等 | 1/3 |
申請手続きとスケジュール
申請プロセス
- 1管轄の総合通信局等へ事前相談
- 2公募期間内に申請書類を提出
- 3審査・採択内示
- 4交付申請・交付決定
- 5補助事業の実施(契約・工事等)
- 6事業完了後、実績報告書を提出
- 7額の確定・補助金の交付
⚠️ 注意事項
公募は通常、年度ごとに複数回(第一次~第三次など)行われます。令和6年度の公募は終了していますが、予算の状況によっては随時受付を行う場合があるため、申請を検討している事業者は管轄の総合通信局へ早めに相談することをお勧めします。令和7年度の公募情報も公式サイトでご確認ください。
まとめと問い合わせ先
「地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業」は、災害に強い放送ネットワークを構築するための重要な支援策です。計画的な設備投資により、万一の事態でも地域住民の安全・安心を守る情報提供が可能になります。申請には詳細な計画書や見積書が必要となるため、早めの準備が成功の鍵となります。
【お問い合わせ先】
総務省 情報流通行政局 地上放送課
電話: 03-5253-5949
※申請に関する具体的な相談は、事業所の所在地を管轄する各地方の総合通信局等へお問い合わせください。