東京都は、サステナブルファイナンスを促進するため、SDGs債(グリーン、ブルー、トランジション、ソーシャル)の発行や関連融資にかかる費用を補助する「令和7年度SDGsファイナンス促進支援事業補助金」の募集を開始します。今年度から新たに融資(ローン)も対象となり、国の補助金と組み合わせることで自己負担がゼロになるケースもあります。企業の社会的課題への取組みを資金面から強力に後押しする本制度をぜひご活用ください。
補助金の概要
項目 | 内容 |
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補助金名 | 令和7年度SDGsファイナンス促進支援事業補助金 |
実施機関 | 東京都 |
目的 | 気候変動やエネルギー危機などの社会的課題に取り組む事業者が、必要な資金を円滑に調達できる環境を整備するため、SDGs債の発行や関連融資にかかる経費の一部を補助する。 |
募集期間 | 令和7年7月11日(金)~ 令和8年3月20日(金) |
補助対象経費 | SDGs債の発行や関連融資の組成に際して必要となる外部レビューの付与に係る経費(セカンドオピニオン、格付、コンサルティング費用など) |
【令和7年度の重要ポイント】融資(ローン)も対象に!
これまで支援対象は社債(ボンド)の発行に限られていましたが、サステナブルファイナンスを一層促進する観点から、今年度より各ファイナンスメニューにおける融資(ローン)も補助対象に追加されました。これにより、より多くの事業者が本制度を活用しやすくなりました。
4つのファイナンスメニューと補助内容
本補助金では、以下の4つのファイナンスメニューが対象となります。それぞれ補助対象者や補助率が異なりますので、ご注意ください。
1. グリーンボンド/ローン
補助対象者
環境省の補助金(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金又は地域環境保全対策費補助金)の交付決定を受けた、グリーンボンド等の発行・組成を支援する者。
補助率・上限額
- 補助率: 10分の2
- 上限額: 200万円
- 個人投資家向け特例: 上限500万円(国補助金と合わせ自己負担なし)
2. ブルーボンド/ローン
補助対象者
環境省の補助金(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金又は地域環境保全対策費補助金)の交付決定を受けた、ブルーボンドの発行・組成を支援する者。
補助率・上限額
- 補助率: 10分の7
- 上限額: 500万円
- 国補助金と合わせることで自己負担なし!
3. トランジションボンド/ローン
補助対象者
経済産業省の補助金(温暖化対策促進事業費補助金)の交付決定を受けた、トランジションボンド等の発行・組成を支援する者。
補助率・上限額
- 補助率: 10分の1
- 上限額: 100万円
- 個人投資家向け特例: 上限600万円(国補助金と合わせ自己負担なし)
4. ソーシャルボンド/ローン
補助対象者
ソーシャルボンドの発行・組成を支援する者のうち、金融庁公表の「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」への受け入れを表明しており、かつソーシャルボンドについての外部レビューの付与の実績がある者。
補助率・上限額
- 補助率: 10分の6
- 上限額: 300万円
- 個人投資家向け特例: 上限400万円(自己負担なし)
申請手続きについて
申請方法
申請は、国の補助金電子申請システム「Jグランツ」または郵送にて受け付けます。
- 電子申請: Jグランツを利用。事前に「gBizIDプライム」アカウントの取得が必要です。
- 郵送申請: 以下の宛先に必要書類を郵送してください。
〒163-8001
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都庁第一本庁舎20階中央
東京都産業労働局総務部国際金融都市推進課国際金融都市推進担当
詳細・申請書類
申請に必要な書類や補助対象経費の条件など、事業の詳細については、必ず公式の交付要綱をご確認ください。交付要綱や申請様式は、東京都の公式ウェブサイトからダウンロードできます。
まとめ
「令和7年度SDGsファイナンス促進支援事業補助金」は、企業のサステナビリティへの取り組みを資金調達の面から支援する強力な制度です。特に以下のメリットがあります。
- 社債(ボンド)だけでなく融資(ローン)も対象となり、活用の幅が拡大。
- 国の補助金と組み合わせることで、自己負担なしで外部レビューを受けられる可能性がある。
- 個人投資家向けの債券を発行する場合、補助が手厚くなる特例がある。
SDGsやESG経営を推進し、新たな資金調達を検討している事業者の皆様は、ぜひ本補助金の活用をご検討ください。募集期間には限りがありますので、お早めの準備をおすすめします。