この補助金は、ラジオ放送が聞き取りにくい「難聴地域」の解消を目指す民放ラジオ放送事業者や地方公共団体を支援する制度です。中継局の新設や更新にかかる設備投資費用の一部を国が補助し、災害時の情報伝達網の強化や地域住民への安定した情報提供を実現します。
民放ラジオ難聴解消支援事業とは?
総務省が実施する「民放ラジオ難聴解消支援事業」は、地理的な要因や都市部のビル影、外国からの電波混信などによってラジオ放送が明瞭に受信できない地域の問題を解決するための補助金です。中継局の整備を支援することで、放送ネットワークを強靭化し、国民生活に不可欠な情報インフラを確保することを目的としています。
補助金の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
実施機関 | 総務省 |
対象者 | 特定地上基幹放送事業者(民放ラジオ局)、都道府県、市町村、一般社団法人等 |
補助率 | 事業内容により1/2または2/3 |
補助額 | 交付下限額:100万円(上限なし) |
公募期間(目安) | 例年、複数回の締切が設定されます(詳細は公式サイトで要確認) |
3つの支援対象事業と補助率
本事業は、難聴の原因に応じて3つの事業区分に分かれており、それぞれ補助率が異なります。
1. 都市型難聴対策事業
高層ビルなどの建築物によって電波が遮蔽されることで発生する都市部特有の難聴を解消するための事業です。
- 補助率: 1/2
2. 外国波混信対策事業
夜間などに外国の強力なラジオ電波が混信し、国内の放送が聞き取りにくくなる問題を解消するための事業です。
- 補助率: 2/3
3. 地理的・地形的難聴対策事業
山間部や離島など、地形的な要因で電波が届きにくい地域の難聴を解消するための事業です。
- 補助率: 2/3
補助対象となる経費
補助の対象となるのは、ラジオ難聴解消のための中継局整備に直接必要な経費です。具体的には以下のようなものが含まれます。
- 設備費: 送信機、アンテナ、電源設備などの購入費用
- 工事費: 設備の設置、据付、配線などにかかる工事費用
- その他: 事業の実施に不可欠と認められる経費(設計費、調査費など)
注意点
交付下限額が100万円のため、補助率1/2の場合は事業費200万円以上、補助率2/3の場合は事業費150万円以上の事業が対象となります。
申請手続きの流れとスケジュール
申請から補助金交付までの大まかな流れは以下の通りです。公募は複数回に分けて行われることが通例です。
- 1公募開始・申請書類の提出
- 2外部有識者による審査・評価
- 3事業採択の内示
- 4交付申請(本申請)と交付決定
- 5補助事業の実施
- 6事業完了後の実績報告
- 7補助金額の確定・支払い(精算払い)
令和6年度の公募スケジュール(参考)
令和7年度の参考に、過去のスケジュールを掲載します。
- 第一次締切: 3月中旬
- 第二次締切: 5月中旬
- 第三次締切: 7月中旬
令和7年度事業は、予算成立前に公募が開始される予定です。早めの準備を心がけましょう。
まとめ
「民放ラジオ難聴解消支援事業」は、地域住民にクリアな音声を届けるための重要なインフラ整備を後押しする制度です。災害時の情報伝達手段としてもラジオの役割は非常に大きく、本事業の活用は社会貢献にも繋がります。申請には詳細な事業計画や見積もりが必要となるため、公募要領を熟読し、管轄の総合通信局と連携しながら準備を進めることが採択への鍵となります。
お問い合わせは、事業を実施する地域を管轄する総合通信局等へご連絡ください。