再生可能エネルギーの導入拡大が求められる中、有望な国産エネルギーである水力発電に注目が集まっています。しかし、事業化の初期段階には多額の調査・設計コストがかかるのが課題です。今回は、その初期コストを大幅に軽減する「水力発電導入加速化事業費（事業性評価事業）」について、対象者や補助額、申請スケジュールなどを分かりやすく解説します。

補助金の概要

本事業は、新エネルギー財団（NEF）が実施するもので、水力発電所の新設やリプレイスを検討している事業者の事業初期段階における事業性評価（FS：フィージビリティスタディ）に必要な調査や設計等の費用を補助するものです。これにより、開発リスクを低減し、水力発電の導入を加速させることを目的としています。

2つの事業スキームと補助内容

本補助金には、申請者の状況に応じて2つの事業スキームが用意されています。

(1) 水力発電事業性評価事業

自ら水力発電事業を行う事業者が対象のスキームです。

• 対象者: 自ら中小水力発電を実施予定の民間事業者（法人・青色申告個人事業者）、地方公共団体
• 補助率: １／２以内
• 補助上限額:
  • 基本設計を含む場合: 2,000万円/年
  • 基本設計を含まない場合: 1,000万円/年
  • 作業道整備費: 別途、最大1,000万円

(2) 地方公共団体が行う水力発電事業性評価・公募事業

地方公共団体が地域の有望地点を調査し、開発を行う事業者を公募する場合のスキームです。

• 対象者: 地域における中小水力発電の有望地点を調査し、発電を行う者を公募する地方公共団体
• 補助率: 定額（１０／１０）
• 補助上限額:
  • 調査費（公募用資料作成費含む）: 2,000万円/年
  • 作業道整備費: 別途、最大2,000万円（2ヵ年）

公募期間と審査スケジュール

申請は随時受け付けられますが、締切が複数回設定されています。予算には限りがあるため、早めの申請が推奨されます。

申請の流れ

1. 情報収集と準備: 公式サイトから公募要領や申請様式をダウンロードし、内容を熟読します。必要に応じて公募説明会に参加します。
2. 申請書類の作成: 補助金交付申請書と必要な添付資料を作成します。事業計画の具体性が審査のポイントとなります。
3. 電子申請: 原則として、経済産業省の補助金申請システム「Jグランツ」を利用して電子申請を行います。
4. 審査: 新エネルギー財団による審査が行われます。申請内容に不備がないか、事前に十分確認しましょう。
5. 交付決定: 審査を通過すると交付決定通知が届き、事業を開始できます。

公募説明会（オンライン開催）

事業内容や申請方法に関するオンライン説明会が開催されます。参加は任意ですが、制度への理解を深める絶好の機会です。参加には事前申し込みが必要です。

説明会への申込・詳細はこちら

公式情報・お問い合わせ先

申請にあたっては、必ず公式サイトの公募要領をご確認ください。質問は指定のフォーマットを利用し、電子メールで行う必要があります。

公式サイトで公募要領を確認する