「条件不利地域で高速インターネット環境を整備したい」とお考えの地方公共団体や電気通信事業者の皆様へ朗報です。総務省は、令和7年度「高度無線環境整備推進事業」の公募を開始しました。この事業は、5Gなどの高速・大容量無線通信の基盤となる光ファイバの整備費用を補助するものです。この記事では、制度の概要から対象者、申請方法まで、専門家が分かりやすく解説します。
事業概要が一目でわかる!基本情報テーブル
補助金名 |
令和7年度 高度無線環境整備推進事業 |
実施機関 |
総務省、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ) |
対象事業 |
条件不利地域における光ファイバ網の整備 |
対象者 |
都道府県、市町村、第三セクター法人、電気通信事業者 |
補助率 |
国庫補助率 1/3 〜 2/3(地域・実施主体により変動) |
公募期間 |
令和7年4月18日(金) 〜 7月18日(金) 12:00 ※複数締切あり |
高度無線環境整備推進事業とは?
本事業は、地理的な条件などから情報通信環境の整備が遅れがちな「条件不利地域」において、デジタルデバイド(情報格差)を解消することを目的としています。5GやIoTといった次世代の通信サービスを全国どこでも利用可能にするため、その大動脈となる光ファイバ網の整備を国が支援する重要な取り組みです。
ポイント:この事業は、申請する組織の種類によって「直接補助事業」と「間接補助事業」の2つのスキームに分かれています。ご自身の組織がどちらに該当するかを確認することが最初のステップです。
2つの申請タイプ:対象者と補助内容
1. 直接補助事業(地方公共団体・第三セクター向け)
- 対象者:都道府県、市町村、第三セクター法人
- 概要:総務省が対象団体に直接補助金を交付します。
- 補助率:
- 離島地域:2/3
- その他の条件不利地域:1/2(※財政力指数0.5以上の自治体は1/3)
2. 間接補助事業(電気通信事業者向け)
- 対象者:電気通信事業者(都道府県、市町村、第三セクター法人を除く)
- 概要:執行団体である「一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)」を通じて間接的に補助金が交付されます。
- 補助率:
公募期間と申請スケジュール
本事業の公募期間には3回の締切が設けられています。採択は第一次締切の案件から順次行われるため、早期の申請が有利です。
締切 |
日時 |
第一次締切 |
令和7年5月23日(金)12:00(必着) |
第二次締切 |
令和7年6月20日(金)12:00(必着) |
第三次締切 |
令和7年7月18日(金)12:00(必着) |
⚠️ 申請に関する重要事項
- 交付決定は第一次締切の申請案件から行われます。
- 応募多数の場合、予算の範囲内で補助金額が調整される可能性があります。
- 予算額に達した場合、締切日より前に公募が終了することがあります。
- 申請を希望する場合は、必ず事前に総務省(各総合通信局等)へ相談してください。
申請方法と手続きの流れ
申請は、事業タイプによって窓口が異なります。以下の手順を参考に、準備を進めてください。
- Step 1: 事前相談
まずは管轄の総合通信局等に事業計画について早めに相談します。
- Step 2: 書類準備
公式サイトから交付要綱や実施マニュアルを入手し、申請書類を作成します。
- Step 3: 申請
指定された方法で、期限内に申請書類を提出します。
- Step 4: 採択・交付決定
審査後、採択内示が行われます(令和7年6月以降随時)。
申請窓口
- 直接補助事業:Jグランツ(電子申請システム)または、管轄の総合通信局・沖縄総合通信事務所へ電子データを提出。
- 間接補助事業:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)のウェブサイトから申請。
まとめ
「高度無線環境整備推進事業」は、日本のデジタル化を地域から支えるための重要な補助金です。公募はすでに始まっており、予算には限りがあります。対象となる地方公共団体や事業者の皆様は、この機会を逃さず、ぜひ積極的な活用をご検討ください。
- 条件不利地域の光ファイバ整備が対象。
- 自治体向けの「直接補助」と事業者向けの「間接補助」の2種類。
- 申請締切は3回あるが、早期申請が絶対的に有利。
- まずは管轄の総合通信局への事前相談から始めましょう。