高度無線環境整備推進事業の概要
高度無線環境整備推進事業は、5GやIoTといった高速・大容量無線通信の基盤となる光ファイバの整備を支援する総務省の補助金です。特に、地理的に条件が不利な地域(過疎地、離島、山間部など)において、地方公共団体や電気通信事業者が通信インフラを整備する際の事業費の一部を補助します。これにより、都市部との情報格差を是正し、全国どこでも高速通信を利用できる環境を目指します。
この補助金のポイント
- 条件不利地域の通信インフラ整備を強力にサポート
- 地方公共団体向けの「直接補助事業」と電気通信事業者向けの「間接補助事業」の2本立て
- 光ファイバの新規整備だけでなく、離島地域の維持管理費も一部補助対象
- デジタル田園都市国家構想の実現に貢献する重要な事業
補助金の基本情報
補助金名 | 無線システム普及支援事業費等補助金(高度無線環境整備推進事業) |
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実施組織 | 総務省 |
対象者 | 都道府県、市町村、第三セクター法人、電気通信事業者など |
補助率 | 補助対象経費の5分の4、3分の2、2分の1、3分の1(地域や実施主体により変動) |
公募期間(令和7年度) | 第一次締切: 2025年5月23日(金) 12:00 第二次締切: 2025年6月20日(金) 12:00 第三次締切: 2025年7月18日(金) 12:00 |
公式サイト | 総務省 公式サイト |
事業の詳細と対象者
本事業は、補助の対象となる実施主体によって「直接補助事業」と「間接補助事業」の2種類に分かれています。
1. 直接補助事業
総務省が地方公共団体などに対して直接補助を行う事業です。
- 実施主体: 都道府県、市町村、第三セクター法人
- 対象事業: 条件不利地域における光ファイバの整備事業
2. 間接補助事業
総務省が採択した執行団体(一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ))を通じて、電気通信事業者に対して間接的に補助を行う事業です。
- 実施主体: 電気通信事業者(都道府県、市町村、第三セクター法人を除く)
- 対象事業: 条件不利地域における光ファイバの整備事業
補助対象経費
主に以下の経費が補助対象となります。
- 伝送路設備(光ファイバケーブル、クロージャ等)
- 局舎(局舎内設備を含む)
- 離島地域における光ファイバ等の維持管理に要する経費(収支赤字の1/2)
申請スケジュールと方法
令和7年度 公募期間
直接補助事業・間接補助事業ともに、以下のスケジュールで公募が行われます。
締切 | 申請期間 | 採択内示(予定) |
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第一次締切 | 2025年4月18日(金) ~ 5月23日(金) 12:00必着 | 2025年6月以降随時 |
第二次締切 | ~ 2025年6月20日(金) 12:00必着 | |
第三次締切 | ~ 2025年7月18日(金) 12:00必着 |
⚠️ 申請の注意点
第一次締切の案件から順次交付決定が行われます。応募多数の場合、予算額に達した時点で以降の受付を終了することがあるため、早めの申請が推奨されます。申請を希望する場合は、事前に総務省(各総合通信局等)へ相談することが勧められています。
申請方法
申請方法は事業によって異なります。
- 直接補助事業:
- Jグランツ(補助金電子申請システム)による電子申請
- 管轄の総合通信局または沖縄総合通信事務所へのEメール等による電子データ提出
- 間接補助事業:
執行団体である一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)のウェブサイトをご確認ください。
申請から採択までの流れ
- Step 1: 相談と要件確認
まずは管轄の総合通信局等に事業計画について相談します。その上で、公式サイトから交付要綱や実施マニュアルを入手し、補助対象者の要件を満たしているかを確認します。 - Step 2: 申請書類の準備
公募要領に基づき、事業計画書や経費内訳書など、必要な書類を準備します。事業の目的や効果を明確に示すことが重要です。 - Step 3: 申請手続き
指定された方法(Jグランツまたはメール等)で、期限内に申請書類を提出します。提出期限は厳守です。 - Step 4: 審査・採択
提出された書類に基づき審査が行われます。審査を通過すると採択内示があり、その後、交付決定通知を受け取ります。 - Step 5: 事業開始・報告
交付決定後、事業を開始します。事業完了後は、実績報告書を提出し、検査を経て補助金額が確定・交付されます。
まとめ
高度無線環境整備推進事業は、デジタル化が進む現代社会において、地域の活性化と情報格差の是正に不可欠な通信インフラの整備を後押しする重要な補助金です。申請には複数の締切が設けられており、早期の相談と準備が採択への鍵となります。対象となる地方公共団体や通信事業者の皆様は、この機会をぜひご活用ください。