はじめに:復興支援NPOが活用できる政府の財政支援とは?
東日本大震災からの復興は、今なお多くの課題を抱えています。特に、被災者の心のケアやコミュニティの再構築、産業の再生など、きめ細やかな支援が求められる分野では、NPOや地域団体の役割がますます重要になっています。この記事では、復興庁が公開した「令和7年度概算要求」に基づき、復興支援活動を行うNPO等が活用できる政府の財政支援(補助金・助成金)を分野別に分かりやすく解説します。
【重要】本記事の注意点
本記事で紹介する情報は、令和7年度の概算要求に基づいています。今後の国会での審議を経て、内容が変更される可能性があります。申請を検討される際は、必ず各府省庁が発表する最新の公募要領をご確認ください。
【生活支援】孤立防止やコミュニティ形成を支える補助金
被災者の孤立防止、住宅・生活再建、コミュニティ形成など、日々の暮らしに寄り添う活動を支援する制度です。
被災者支援総合事業(被災者支援総合交付金)
復興の進展に伴い多様化する被災者支援の課題に対応するための包括的な交付金です。NPO等も自治体を通じて事業に参加できる可能性があります。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 復興庁 |
対象地域・対象者 | 県、市町村、NPO等 |
支援内容 | 住宅・生活再建支援、コミュニティ形成支援、「心の復興」、被災者生活支援、県外避難者相談支援など |
被災者見守り・相談支援事業
相談員による見守りや電話相談など、被災者の日常的な相談活動を支援します。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 厚生労働省(復興庁一括計上) |
対象地域 | 岩手県、宮城県、福島県 |
NPO等の申請先 | 県又は市町村 |
【まちづくり】復興計画や環境整備を支援する補助金
復興計画の策定や提言、脱炭素化など、未来に向けた持続可能なまちづくり活動を後押しします。
「脱炭素×復興まちづくり」推進事業
福島県内での自立・分散型エネルギーシステムの導入などを重点的に支援し、脱炭素社会の実現と復興まちづくりの両立を目指す取組を支援します。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 環境省 |
対象者 | 自治体、企業、NGO、NPO等 |
【雇用支援・産業支援】なりわい再建と新たな雇用創出
被災事業者の自立支援や被災求職者の就業支援、地域の魅力を発信する事業など、産業復興と雇用創出に関する支援策です。
原子力災害対応雇用支援事業
民間企業・NPO等への委託により、福島県の被災求職者に対して一時的な雇用・就業機会を提供し、生活の安定を図ります。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 厚生労働省(復興庁一括計上) |
実施地域 | 原子力災害被災12市町村及びその出張所等所在自治体 |
対象者 | 福島県被災求職者 |
地域経済政策推進事業費補助金(地域の伝統・魅力等発信支援事業)
福島県(特に被災12市町村)の伝統・魅力等の発信により、風評被害の払拭や交流人口増加に繋がる取組を補助します。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 経済産業省(復興庁一括計上) |
対象者 | 民間団体等 |
NPO等の申請先 | 執行団体 |
【分野横断】NPOの「絆力」を活かす支援事業
特定の分野に限定されず、NPOならではのネットワークや企画力を活かした多角的な復興支援活動を後押しする事業です。
NPO等の「絆力(きずなりょく)」を活かした復興・被災者支援事業
NPO等が被災者と支援者などを結びつける「絆力」を活かして行う、心のケア、コミュニティ形成、原子力災害からの復興に向けた取組などを支援します。
項目 | 内容 |
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担当府省 | 内閣府(復興庁一括計上) |
対象者 | 被災地等において復興・被災者支援に取り組むNPO等 |
NPO等の申請先 | 岩手県、宮城県、福島県のNPO担当部局 |
その他の支援事業
この記事で紹介した以外にも、「医療・健康相談」「教育・子育て」「環境・山村・漁村等保全」など、多岐にわたる支援事業が計画されています。詳しくは、復興庁の公式サイトに掲載されている資料をご確認ください。
まとめ:自団体の活動に合う支援を見つけよう
令和7年度も、復興支援活動を後押しする多様な財政支援が予定されています。各事業にはそれぞれ目的や対象者が定められていますので、自団体の活動内容や目指す方向性と照らし合わせ、最適な支援策を見つけることが重要です。公募が開始された際には、詳細な要件を確認し、積極的に活用を検討しましょう。
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