この記事のポイント
- 経済産業省が実施する、ヘルスケア産業の海外展開を支援する補助金の概要を解説。
- 令和6年度の公募は5月23日に終了し、10件の事業が採択されました。
- 採択事例として、株式会社デジリハのインドでのリハビリDX事業を紹介。
- 来年度以降の公募に向けた準備の参考にしてください。
経済産業省が主導する「令和6年度ヘルスケア産業国際展開推進事業」は、日本の優れたヘルスケア製品・サービスの海外展開を後押しする重要な補助金です。2024年度の公募は既に終了し、7月30日に採択結果が公表されました。
本記事では、この補助金の概要を振り返るとともに、どのような事業が採択されたのか、具体的な事例を交えて詳しく解説します。来年度以降の申請を検討している事業者様は、ぜひ参考にしてください。
令和6年度ヘルスケア産業国際展開推進事業とは?
本事業は、日本の医療や介護等のヘルスケア分野が持つ高い技術力やサービスを活かし、戦略的に海外展開を目指す事業者を支援することを目的としています。具体的には、海外での事業展開に不可欠な「基礎調査」や「実証調査」にかかる費用の一部が補助されます。
事業の目的
日本のヘルスケア製品・サービスの国際競争力を高め、海外市場への進出を促進することで、国内産業の活性化と世界の健康課題解決に貢献する。
補助金の概要(令和6年度実績)
令和6年度の公募内容に基づき、補助金の基本情報を表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
公募期間 | 令和6年4月26日(金)~ 令和6年5月23日(木)12時 ※受付終了 |
実施機関 | 経済産業省(管理団体:一般社団法人 Medical Excellence JAPAN) |
対象事業者 | 日本のヘルスケア関連の技術・サービス・製品の海外展開を計画・実施する医療機関、企業等 |
補助対象経費 | 海外展開のための基礎調査および実証調査にかかる費用 |
補助額・補助率 | 公募要領にて規定(詳細は公式サイトをご確認ください) |
申請方法 | 原則として、補助金申請システム「Jグランツ」による電子申請 |
申請のポイントと注意点
⚠️ 申請時の重要注意事項
- 期限厳守: 公募締切日時を過ぎた申請は、いかなる理由があっても無効となります。
- Jグランツ利用: 原則Jグランツでの申請となり、利用には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。取得には時間がかかるため、早めの準備が不可欠です。
- 書類の不備: 提出書類に不備があると審査対象外となる可能性があります。公募要領を熟読し、様式通りに作成することが求められます。
- 提出後の変更不可: 応募後の書類差し替えや変更は認められません。
令和6年度の採択結果と注目事例
令和6年度は、厳正な審査の結果、10件の事業が採択候補として選定されました。ここでは、特に注目される採択事例として、株式会社デジリハのプロジェクトをご紹介します。
【採択事例】株式会社デジリハのインド展開プロジェクト
株式会社デジリハは、「リハビリを、アソビに」をビジョンに掲げ、リハビリDXツール「デジリハ」を開発・提供する企業です。
今回の採択事業では、障害有病率が著しく上昇しているインド市場をターゲットに、「デジリハ」を活用して年少の障害児者への適切なリハビリケアを提供する取り組みを行います。
インドでは、地理的・経済的格差からリハビリのニーズを満たすことが困難という課題があります。「デジリハ」は高価な機材を必要とせず、PCと小型センサーで実施できるため、現地の課題解決に大きく貢献することが期待されています。
この事例から学べる採択のポイント
- 明確な社会課題の解決: 展開先の国(インド)が抱える具体的な課題(リハビリ格差)を明確に捉えている。
- 自社技術の優位性: 課題解決に貢献できる自社製品・サービス(デジリハ)の強みや独自性が明確である。
- 事業の実現可能性: 高価な機材を不要とするなど、現地での導入ハードルが低く、持続可能な事業モデルを提示している。
まとめ:次年度の公募に向けて
「ヘルスケア産業国際展開推進事業」は、海外展開を目指す事業者にとって非常に魅力的な補助金です。令和6年度の公募は終了しましたが、採択事例を分析することで、どのような事業計画が評価されるのかが見えてきます。
次年度以降の公募に挑戦を検討している方は、以下の準備を進めておくことをお勧めします。
- 1展開先の市場調査と課題分析
進出を目指す国の市場ニーズや社会課題を徹底的にリサーチし、自社の技術やサービスがどのように貢献できるかを明確にする。 - 2具体的な事業計画の策定
調査・実証の具体的な手法、スケジュール、予算計画などを詳細に練り上げる。 - 3GビズIDの事前取得
Jグランツでの申請に備え、GビズIDプライムアカウントを早めに取得しておく。
最新情報は公式サイトで随時公開されます。定期的にチェックし、チャンスを逃さないようにしましょう。