事業概要:CASE時代の新たなエコシステム構築へ
本事業「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」は、経済産業省が主導し、電動化を含むCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)技術の社会実装を推進するものです。特に、需要が急増する蓄電池のライフサイクル全体における課題解決を目指します。
この事業の目的
世界的なカーボンニュートラルへの潮流と環境規制の強化を踏まえ、蓄電池の①カーボンフットプリント(CFP)の把握、②リユース・リサイクルの促進、③サプライチェーン全体のデータ連携の仕組みを構築することで、日本の自動車・蓄電池産業の国際競争力を強化し、CO2排出量削減を促進することを目的としています。
補助金の詳細(参考:令和4年度公募)
本事業は既に公募を終了していますが、今後の類似事業の参考として、令和4年度の公募内容を以下にまとめます。
項目 | 内容 |
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補助率 | 2/3以内 |
補助金上限額 |
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事業期間 | 令和4年度単年度 |
公募期間(参考) | 令和4年8月〜10月頃(事業により異なる) ※全公募終了済み |
採択事例:NTTデータ「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」
本補助金を活用した代表的な成果として、株式会社NTTデータが開発した「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」があります。これは、経済産業省が提唱する官民連携イニシアティブ「ウラノス・エコシステム」のファーストユースケースとして注目されています。
プラットフォームの概要
このプラットフォームは、バッテリーのライフサイクル(原材料調達〜製造〜リユース・リサイクル)に関わる企業間で、カーボンフットプリント情報などを安全かつ正確に連携させることを可能にします。特に、2023年8月に施行された欧州電池規則への対応を強力に支援します。
主な特徴
- データ主権の確保: ブロックチェーン技術を活用し、データ所有者が情報の保管場所や開示範囲を完全にコントロールできます。
- 高いセキュリティ: データは暗号化され、改ざん検知機能によりデータの真贋性を担保します。
- 業界横断での連携: 異なるシステム間での接続性を確保し、自動車業界だけでなく、様々な産業への展開が可能です。
このように、本補助金は単なる資金支援に留まらず、日本の産業が直面する国際的なルール形成やデータ戦略において、具体的なソリューションを生み出す起爆剤となっています。
申請プロセスの流れ(参考)
令和4年度の公募は終了していますが、一般的な申請プロセスは以下の通りです。
- 公募要領の確認: 公式サイトから公募要領や関連資料をダウンロードし、事業内容、要件を詳細に確認します。
- 申請書類の作成: 交付申請書、実施計画書、事業概要書など、指定された様式に従って書類を作成します。
- 申請: 指定された方法(郵送・電子申請など)で、期限内に申請書類を提出します。
- 審査・採択: 事務局による審査が行われ、採択事業者が決定・公表されます。
まとめ
「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、日本の基幹産業である自動車産業の変革を後押しする重要な取り組みでした。公募は終了しましたが、本事業から生まれたNTTデータの事例のように、サプライチェーン全体でのデータ連携や環境対応は、今後ますます重要性を増すテーマです。
今後も経済産業省や関連機関から同様の趣旨を持つ補助金・助成金が公募される可能性があります。公式サイトを定期的にチェックし、最新情報を逃さないようにしましょう。