【重要なお知らせ】
本記事で解説する「GXサプライチェーン構築支援事業」の第一回・第二回公募は、既に受付を終了しています。
この記事は、今後の公募に備えるための参考情報として、事業の概要や要件を詳しく解説するものです。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。
GXサプライチェーン構築支援事業とは?
GXサプライチェーン構築支援事業は、2050年のカーボンニュートラル実現と日本の国際競争力強化を目指す、経済産業省の大規模な設備投資支援策です。GX(グリーントランスフォーメーション)に不可欠な特定分野の国内製造基盤を強化するため、巨額の予算が投じられています。
この補助金の3つのポイント
- 圧倒的な予算規模:総額4,212億円(令和10年度まで)という国家レベルのプロジェクト。
- 補助上限額なし:企業の野心的な大規模投資を後押しするため、補助額に上限が設定されていません。
- 高い補助率:中小企業は最大2/3、大企業でも最大1/2という手厚い支援が受けられます。
補助金の概要
本事業の基本情報を表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
事業目的 | GX分野(水電解装置、洋上風力、ペロブスカイト太陽電池、燃料電池等)の国内製造サプライチェーンを世界に先駆けて構築する。 |
予算額 | 4,212億円(令和10年度までの国庫債務負担含む) |
補助上限額 | なし |
補助率 | 【原則】大企業: 1/3以内、中小企業等: 1/2以内 【野心的な取組の場合】大企業: 1/2以内、中小企業等: 2/3以内 |
対象事業者 | 対象製品の生産に係る設備投資を行う大企業、中小企業等 |
実施期間 | 最長で令和11年3月31日まで |
申請方法 | 電子申請システム「jGrants」 |
過去の公募情報(受付終了)
これまでに2回の公募が実施されました。対象製品が異なるため、今後の参考としてご確認ください。
第一回公募(受付終了)
- 公募期間: 令和6年6月28日(金) ~ 8月30日(金) 正午
- 対象製品:
- 水電解装置(完成品、膜、電極、触媒など)
- 燃料電池(完成品、膜、触媒、ガス拡散層など)
第二回公募(受付終了)
- 公募期間: 令和6年9月17日(火) ~ 10月31日(木) 正午
- 対象製品:
- ペロブスカイト太陽電池(完成品、レーザー加工装置)
- 浮体式等洋上風力発電設備(ブレード、タワー、ナセル、浮体基礎など)
補助対象となるもの
補助対象経費
補助の対象となるのは、対象製品を製造する工場で使用する設備投資に関連する費用です。
- 設備機械装置費(購入、改造など)※必須要件
- 建物等取得費(新設、立て替え、リフォーム)
- システム購入費
※設備機械装置の購入を伴わない事業は対象外となります。
補助対象施設
事業が行われる施設は、日本標準産業分類における「製造業」の用に供される工場である必要があります。
申請のポイントと注意点
申請から事業開始までの流れ
基本的な申請プロセスは以下の通りです。今後の公募でも同様の流れが予想されます。
- gBizIDプライムの取得
jGrantsの利用に必須のアカウントです。取得に2〜3週間かかるため、早めに準備しましょう。 - 公募要領・申請様式の確認
公式サイトから最新の資料をダウンロードし、要件や必要書類を熟読します。 - 申請書類の作成
事業計画書や経費明細など、膨大な書類作成が必要です。専門家の支援も視野に入れましょう。 - jGrantsでの電子申請
公募期間内に、すべての必要書類をjGrantsから提出します。 - 審査・採択
書面審査と面接審査が行われ、採択者が決定・公表されます。 - 交付決定・事業開始
採択後、交付申請手続きを経て交付決定通知を受け、事業を開始します。
⚠️ 注意:事前着手制度について
原則として、補助対象経費は「交付決定通知」後に発注・契約したものでなければなりません。しかし、本事業では緊急性を鑑み、事前に「事前着手届出」を提出し受理されれば、公募開始日以降に発生した経費も対象となる場合があります。ただし、事前着手が採択を約束するものではないため、リスクを理解した上での活用が必要です。
今後の動向とまとめ
「GXサプライチェーン構築支援事業」は、日本のGXを加速させるための非常に重要な補助金です。第一回・第二回公募は終了しましたが、今後も第三回以降の公募が実施される可能性があります。
この大規模補助金を活用するには、GX分野の技術動向を把握し、質の高い事業計画を練り上げることが不可欠です。次回の公募に備え、今から情報収集と準備を進めておくことを強くお勧めします。
お問い合わせ先
GXサプライチェーン構築支援事業 事務局コールセンター
TEL: 03-6734-7766
受付時間: 平日9時~17時(土日祝、年末年始を除く)