北海道でグローバル展開を目指す中小企業の皆様へ朗報です。海外での特許や商標の出願には高額な費用がかかりますが、その負担を大幅に軽減できる補助金があります。それが「中小企業等外国出願支援事業」です。この記事では、専門家が本補助金の概要から申請のポイントまで、分かりやすく徹底解説します。
中小企業等外国出願支援事業とは?
本事業は、北海道内の中小企業が自社の優れた技術やブランドを海外で保護し、戦略的な事業展開を行うことを支援するために、外国への特許・実用新案・意匠・商標の出願にかかる経費の一部を補助するものです。海外市場への挑戦を強力に後押しする、非常に価値の高い制度です。
補助金のポイント
- 高額補助: 1企業あたり最大300万円の補助!
- 幅広い対象経費: 出願手数料だけでなく、代理人費用や翻訳費用もカバー!
- 多様な出願に対応: 特許、実用新案、意匠、商標の4つの権利が対象!
- 賃上げ加点: 従業員の賃上げを行う企業は審査で有利に!
補助内容の詳細
具体的な補助額や補助率、対象となる経費について詳しく見ていきましょう。
補助上限額と補助率
補助率 | 補助対象経費の 1/2以内 |
1企業あたりの年間上限額 | 300万円 |
1出願あたりの上限額 | 特許出願: 150万円 |
実用新案・意匠・商標登録出願: 60万円 | |
冒認対策商標: 30万円 |
補助対象経費
以下の経費が補助の対象となります。交付決定日から事業完了期限までに支払われたものが対象です。
- 外国特許庁への出願手数料
- 現地代理人費用
- 国内代理人費用
- 翻訳費用
- その他、公証人証明申請費用など特に必要と認められる経費
※注意: 日本国内の消費税、出願後の補正費用、日本国特許庁へのPCT出願費用などは対象外です。
申請できるのは誰? (補助対象者)
本補助金の対象となるのは、北海道内に事業所を有する中小企業者等です。具体的な定義は以下の通りです。
中小企業者の定義 (資本金または従業員数のいずれかを満たすこと)
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
⚠️ 申請の主な要件
- 外国で権利が成立した場合、その権利を活用した事業展開を計画していること。
- 先行技術調査の結果、外国での権利取得の可能性が否定されないこと。
- 事業を営んでいない個人や、いわゆる「みなし大企業」は対象外です。
申請手続きとスケジュール
申請から補助金受領までの大まかな流れを把握しておきましょう。(※下記は令和4年度の例です。最新のスケジュールは必ず公式サイトでご確認ください。)
- Step 1: 申請書類の準備・提出
公募要領を確認し、申請書や事業計画書、見積書など必要な書類を揃えて期間内に提出します。 - Step 2: 審査・採択決定
審査委員会による審査が行われ、採択・不採択が決定し通知されます。 - Step 3: 交付決定・事業開始
交付決定後、外国出願の手続きを開始します。交付決定日より前に発生した経費は対象外なので注意が必要です。 - Step 4: 事業完了・実績報告
期限までに出願手続きを完了させ、かかった経費の証拠書類を添えて実績報告書を提出します。 - Step 5: 補助金額の確定・支払い
実績報告書の内容が検査され、補助金額が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
【参考】令和4年度スケジュール
- 募集期間: 令和4年10月12日~11月2日
- 採択・交付決定: 令和4年12月上旬
- 事業完了期限: 令和5年3月10日
- 実績報告書提出期限: 令和5年3月15日
まとめ:海外展開の第一歩に活用しよう!
「中小企業等外国出願支援事業」は、資金的な制約から海外での知財保護をためらっていた企業にとって、まさに絶好の機会です。自社の技術やブランドを守り、グローバル市場で成功を収めるために、この制度を最大限に活用しましょう。
募集期間は限られていますので、早めの情報収集と準備が成功のカギとなります。詳細は必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。