やまぐち産業イノベーション促進補助金とは?
やまぐち産業イノベーション促進補助金は、山口県が今後の成長が期待される環境・エネルギー、医療、バイオ関連分野などにおいて、県内企業が行う先進的な研究開発や事業化を支援する制度です。産学公金の連携を促進し、関連産業の育成と集積を図ることを目的としています。
この補助金の最大の特徴は、研究開発のフェーズに応じて「チャレンジ」「ネクスト」「イノベーション」の3段階の支援メニューが用意されており、事業の成長に合わせた継続的なサポートが受けられる点です。
この補助金の重要ポイント
- 段階的な支援: 研究開発の初期段階から事業化まで、3つの枠で切れ目なくサポート。
- 高額な補助上限: 事業化を目指す「イノベーション」枠では最大1,500万円の補助。
- 産学公連携の推進: 県内中小企業と大学・公設試等との共同研究開発が対象。
- 成長分野に特化: 環境、医療、バイオなど、山口県の未来を担う産業創出を後押し。
補助金の概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象者 | 県内に事業所を有する中小企業を含む2者以上で構成される研究開発グループ |
補助率 | 補助対象経費の2/3以内 |
補助期間 | 原則1年間(最長3年間まで延長の可能性あり) |
公募期間 | 例年4月~5月頃(※年度により異なります。必ず公式サイトをご確認ください) |
実施機関 | 山口県 産業労働部 イノベーション推進課 |
3つの支援枠と補助上限額
本補助金は、事業の進捗状況に合わせて3つの枠が設定されています。
支援枠 | 目的・フェーズ | 補助上限額 |
---|---|---|
チャレンジ枠 | 事業化に向けた構想・アイデアの具体化、FS(実現可能性調査) | 100万円 |
ネクスト枠 | 実用化・事業化に向けた応用研究、試作品開発 | 500万円 |
イノベーション枠 | 事業化を目的とした製品開発、実証研究 | 1,500万円 |
申請から採択までの流れ
- STEP 1: 公募情報の確認
山口県の公式サイトで最新の公募要領、申請様式を確認します。 - STEP 2: 共同研究グループの組成
大学や公設試験研究機関など、連携先となるパートナーと研究開発グループを組成します。 - STEP 3: 事業計画書の作成
研究開発の目的、内容、事業化の見通しなどを具体的に記載した事業計画書を作成します。 - STEP 4: 申請
公募期間内に、必要な書類を揃えて提出します。 - STEP 5: 審査
専門家で構成される審査委員会による書面審査及びヒアリング審査が行われます。 - STEP 6: 採択・交付決定
審査を経て採択事業が決定され、交付申請手続き後に事業開始となります。
過去の採択事例
遠隔医療提供プラットフォームの開発(医療分野)
株式会社クオリアシステムズと山口大学大学院医学系研究科が連携し、医療過疎地の高齢患者でも簡単に専門医の診察を受けられる遠隔通信システムを開発。ボタン一つで利用できる「ゼロタッチタブレット」を活用し、患者や家族の負担を軽減する実証試験が行われました。
県内産オリジナル乳酸菌を用いた機能性乳製品の開発(バイオ分野)
やまぐち県酪乳業株式会社、山口県酪農農業協同組合、山口大学が連携し、県独自の乳酸菌を活用した新たな機能性乳製品の開発と生産体制の確立を目指すプロジェクトが採択されました。
申請に向けた準備のポイント
この補助金は、技術的な新規性や優位性に加え、事業化への具体的な道筋や市場性が厳しく審査されます。公募開始前から連携先との協議を進め、事業計画を十分に練り上げることが採択への鍵となります。
まとめ
「やまぐち産業イノベーション促進補助金」は、山口県の成長分野で新たな挑戦を目指す企業にとって非常に強力な支援制度です。研究開発の段階に応じた手厚いサポートを活用し、革新的な技術や製品の事業化を目指してみてはいかがでしょうか。
公募は例年春頃に開始されます。次回の公募に向けて、今から情報収集と準備を始めましょう。