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【成果報告】令和5年度再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業とは?目的・採択事業者・今後の展望を解説

最大助成額
実証事業のため、補助額はコンソーシアムが提案する実証内容・規模による
申請締切
2023年12月22日 (募集終了)
採択率
30.0%
実施機関
経済産業省(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII))

詳細情報

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大は急務です。しかし、天候に左右される再エネの不安定さをどう克服するかが大きな課題となっています。その解決策の鍵を握るのが「再生可能エネルギーアグリゲーション」技術です。この記事では、経済産業省が主導する「令和5年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」の概要から、東芝やエナリスといった採択事業者が達成した具体的な成果、そして今後のビジネス展望までを専門家が分かりやすく解説します。

令和5年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業とは?

本事業は、正式名称を「令和5年度 蓄電池等分散型エネルギーリソース次世代技術構築実証事業費補助金(再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業)」とし、経済産業省資源エネルギー庁が主導する国家的なプロジェクトです。執行団体は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が務めています。

事業の目的と背景

この事業の最大の目的は、点在する太陽光・風力発電などの再エネ電源と、蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DER)を束ねて(アグリゲーション)、あたかも一つの大きな発電所のように制御する技術を実証することです。これにより、以下の課題解決を目指します。

  • インバランスの低減: 発電量の「計画」と「実績」のズレ(インバランス)を減らし、ペナルティ料金の発生を抑制します。
  • 収益性の向上: 電力市場の価格を予測し、最適なタイミングで売電したり、蓄電池を活用したりすることで収益を最大化します。
  • 再エネの有効活用: 電力需要が少ない時間帯に発生する「出力制御」を回避し、発電した電気を無駄なく活用します。

事業概要まとめ

項目 内容
事業名 令和5年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業
所管 経済産業省 資源エネルギー庁
執行団体 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)
公募期間 公募終了(再エネ等導入事業は令和5年12月22日に終了)
対象者 再エネアグリゲーターとしてコンソーシアムを組成する事業者等
公式サイト SII 公式サイト

注目すべき成果と採択事業者

本事業では、複数のコンソーシアムが採択され、それぞれが独自の技術を用いて実証を行いました。ここでは代表的な2社の成果を紹介します。

東芝エネルギーシステムズ株式会社の取り組み

東芝ESSをコンソーシアムリーダーとし、再エネアグリゲーター8社、実証協力者5社という大規模な体制で実証を実施。全国約100のエネルギーリソース(太陽光、風力、水力、蓄電池、EV等)を活用し、以下の技術高度化を検証しました。

  • 風力発電の予測精度向上: 深層学習を用いた局所的な風速予測を取り入れ、課題であった風力発電の予測誤差を改善。
  • 市場取引戦略の高度化: 従来の電力卸売市場に加え、新たに需給調整市場(三次調整力②)も想定し、より高値で取引する戦略を導入して収益性向上を検証。
  • 出力制御リスク対策: 出力制御で余った電力を蓄電池に充電し、適切なタイミングで放電する新たな蓄電池制御技術を評価。

株式会社エナリスの取り組み

エナリスは、再エネアグリゲーションとDERアグリゲーションの両方でコンソーシアムを組成した唯一の事業者として、需給一体の最適化を目指しました。主な成果は以下の通りです。

  • 市場取引による大幅な収益改善: 時間前市場取引を活用することで、年間約6,400万円の収益改善効果(225MW規模のBGの場合)が得られることを示唆。
  • 積雪を考慮した予測技術: 太陽光発電の予測精度を落とす要因であった積雪の影響を考慮した予測モデルを開発し、冬季のインバランス量を約6.7%削減。
  • 洋上風力のポテンシャル確認: データが希少な洋上風力発電について、予測精度・ならし効果の両面でインバランスを抑制しやすく、収益性が高い電源であることを確認。

成果報告からわかること

これらの成果は、再エネアグリゲーション技術が単なるインバランス対策に留まらず、積極的に収益を生み出すビジネスとして成立しうることを示しています。特に、複数の電力市場を組み合わせた取引戦略や、気象条件(積雪等)まで考慮した高度な予測技術は、今後のアグリゲーションビジネスの標準となる可能性があります。

実証事業から見る今後の展望と申請プロセス

今回の実証事業は既に公募を終了していますが、その成果は今後のエネルギー政策や新たな補助金・助成金事業に繋がっていきます。同様の事業へ将来的に申請を検討する事業者は、以下の流れを理解しておくことが重要です。

一般的な申請・実証のステップ

  1. Step 1: 公募情報の確認とコンソーシアム組成
    SIIなどの執行団体のウェブサイトで公募要領を熟読し、事業目的を理解します。本事業のように、複数の事業者(アグリゲーター、発電事業者、技術協力者等)で連携する「コンソーシアム」の組成が求められる場合が多く、早期のパートナー探しが鍵となります。
  2. Step 2: 事業計画書の作成・申請
    実証する技術の新規性や優位性、事業の目標(KPI)、費用対効果、事業終了後のビジネス展開などを具体的に記述した事業計画書を作成し、電子申請システム等を通じて提出します。
  3. Step 3: 採択・交付決定と実証開始
    審査を経て採択されると、交付決定通知を受け、実証事業を開始します。実証期間中は、計画に基づいた技術検証やデータ収集を行います。
  4. Step 4: 成果報告
    事業期間終了後、実証で得られた成果や知見、今後の課題などをまとめた成果報告書を提出します。本記事で紹介した内容は、この成果報告に基づいています。

まとめ

「令和5年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」は、再エネの主力電源化に向けた技術的課題を克服し、新たなビジネスモデルを創出するための重要なステップとなりました。本事業で得られた知見は、FIP制度下の売電支援サービスやオフサイトPPA、VPP(仮想発電所)の構築など、具体的なサービスとして社会に実装されていくことが期待されます。

今後も、令和3年度、4年度の事業成果も踏まえつつ、後継となる実証事業や関連する補助金が公募される可能性が高いです。エネルギー関連事業者の皆様は、公式サイトで最新情報を常にチェックし、次なるチャンスに備えることをお勧めします。

助成金詳細情報

実施機関 経済産業省(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII))
国(省庁)
最大助成額 実証事業のため、補助額はコンソーシアムが提案する実証内容・規模による
申請締切 2023年12月22日 (募集終了)
申請方法 オンライン申請
地域制限 nationwide
採択率 30.0%
申請難易度
普通
ステータス 募集終了
最終更新日 2025-10-08 09:59:07
閲覧数 1 回

対象者・対象事業

再生可能エネルギーアグリゲーションビジネスの実施を検討している事業者。コンソーシアムリーダーとして、再エネアグリゲーターや実証協力者(発電事業者、需要家、メーカー等)を束ねて応募することが求められる。

地域制限

nationwide

お問い合わせ先

der01_info@sii.or.jp(件名に【質問】と記載)
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