無人自動運転等のCASE対応実証・支援事業とは?
「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」は、経済産業省が主導する国家プロジェクトの一環です。電動化を含む「CASE」技術の社会実装を推進し、特に蓄電池のライフサイクル全体における環境課題や資源課題の解決を目指すものです。NTTデータやゼロボードといった大手企業も採択されており、注目度の高い事業となっています。
この事業の重要ポイント
- 国際競争力の強化:欧州電池規則など、世界的な環境規制に対応できるサプライチェーンの構築を支援します。
- 大型の資金支援:事業内容によっては最大11億円/年度という大規模な補助が受けられます。
- 未来の産業基盤構築:日本のデータ連携基盤「ウラノス・エコシステム」のユースケースとして、未来の産業インフラ構築に貢献します。
補助金の概要
補助金名 |
令和5年度 無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(健全な製品エコシステム構築・ルール形成促進事業) |
実施機関 |
経済産業省(事務局:一般社団法人 低炭素投資促進機構) |
目的 |
蓄電池のエコシステム(CFP、デュー・ディリジェンス、リユース・リサイクル、データ連携)に関する取組を支援し、電動車等の普及及びCO2排出量削減を促進する。 |
公募期間 |
令和5年度の公募は全て終了しました。 |
補助対象事業と補助額・補助率
補助対象事業
本事業は、大きく分けて以下の4つのテーマで公募が行われました。
- ① データ流通:蓄電池のトレーサビリティ管理システムや、CFP値集計等を行うアプリケーションの開発・実証。
- ② 蓄電池のリユース・リサイクル:使用済み電池の回収・有効活用、中古市場の創出、安全性確保、リサイクル材料の市場創出に資する取組。
- ③ カーボンフットプリント(CFP):蓄電池のライフサイクルでのCO2排出量の見える化に関する取組。
- ④ デュー・ディリジェンス(DD):材料の倫理的調達(人権・環境への配慮)に関する取組。
補助額上限と補助率
補助率は全事業共通で補助対象経費の2/3以内です。補助金の上限額は事業ごとに異なります。
事業内容 |
補助金上限額(/年度) |
①(ア) データ流通(トレーサビリティ管理システム) |
11億円 |
①(イ) データ流通(アプリケーション) |
7,500万円 |
③ カーボンフットプリント(CFP) |
8,000万円 |
② 蓄電池のリユース・リサイクル |
4,000万円 |
④ デュー・ディリジェンス(DD) |
2,000万円 |
補助対象経費
主に以下の経費が対象となります。
- 人件費
- 諸経費(旅費・交通費等)
- その他、事業の実施に直接必要と認められる経費
詳細は公募要領をご確認ください。
申請プロセスと注意点
申請の基本的な流れ
- GビズIDプライムアカウントの取得
電子申請システム「jGrants」の利用に必須です。取得には2〜3週間かかる場合があるため、早めに準備しましょう。
- 公募要領・関連資料の確認
公式サイトから最新の公募要領をダウンロードし、事業内容や要件を詳細に確認します。
- 申請書類の作成
事業計画書や経費明細書など、指定された様式に従って申請書類を作成します。
- jGrantsによる電子申請
全ての書類を準備し、公募期間内にjGrantsから申請を完了させます。
申請時の重要ポイント
- 本事業の申請はjGrantsによる電子申請が必須です。郵送や持参は受け付けられません。
- 公募期間が2週間程度と非常に短い場合があるため、常に最新情報をチェックし、迅速に対応できる体制を整えておくことが採択の鍵となります。
- 事業の目的や国の政策(グリーン成長戦略など)との整合性を、事業計画書で明確に示すことが重要です。
まとめ
「無人自動運転等のCASE対応実証・支援事業」は、単なる資金援助に留まらず、日本の自動車・蓄電池産業がグローバルな環境規制や市場の変化に対応し、持続的に成長するための基盤を構築する重要な補助金です。特に、サプライチェーン全体のDXやGXを目指す企業にとって、非常に価値のある支援と言えるでしょう。
令和5年度の公募は終了しましたが、本事業の重要性から次年度以降も同様の公募が期待されます。関連事業者の皆様は、公式サイトを定期的に確認し、来たる公募に備えることをお勧めします。