この記事のポイント
- 最大2,500万円の補助で、地域の脱炭素化計画を強力に支援!
- 地方公共団体だけでなく、民間事業者も対象となる事業メニューあり。
- 再エネ導入計画策定からゾーニング、事業体制構築まで5つの事業で幅広くカバー。
- 2050年カーボンニュートラル実現に向けた、国の重要施策の一つ。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、地域主導の脱炭素化が急務となっています。しかし、「何から手をつければ良いかわからない」「計画策定のノウハウや資金がない」といった課題を抱える地方公共団体や事業者様も多いのではないでしょうか。
そんな課題を解決するのが、環境省の「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業」です。本記事では、この強力な支援事業の概要から具体的な支援内容、申請方法までをプロの視点で分かりやすく解説します。
事業の目的と全体像
本事業は、「地球温暖化対策推進法」などに基づき、2030年度の温室効果ガス46%削減目標と2050年脱炭素社会の実現を目指すものです。単なる再エネ導入だけでなく、地域課題の解決や地方創生に貢献する取組を支援することを大きな目的としています。
地方公共団体が中心となり、地域の関係者と連携しながら、計画策定、導入調査、事業運営体制の構築といった多様な課題解決を全国的・集中的に支援します。
5つの具体的な支援事業メニュー
この補助金は、地域のニーズに合わせて活用できるよう、大きく分けて5つの事業メニューが用意されています。それぞれの概要、補助率、上限額を以下の表にまとめました。
事業名(通称) | 補助率 | 補助上限額 | 主な対象者 |
---|---|---|---|
第1号事業 地域の再エネ目標と意欲的な脱炭素の取組の検討による計画策定支援 |
2/3 または 3/4 | 800万円 | 地方公共団体 |
第2号事業 公共施設等への太陽光発電設備等の導入調査支援 |
3/4 | 800万円 | 地方公共団体 |
第3号事業 官民連携で行う地域再エネ事業の実施・運営体制構築及び事業の多角化支援 |
1/3, 1/2, 2/3 | 2,000万円 | 地方公共団体、民間事業者等 |
第4号事業 再エネ促進区域の設定等に向けたゾーニング支援 |
3/4 | 2,500万円 | 地方公共団体 |
第5号事業 再エネ促進区域等における地域共生型再エネ設備導入調査支援 |
1/2 | 800万円 | 民間事業者等 |
注意点
補助率は地方公共団体の財政力指数や、民間事業者の出資比率などによって変動します。申請を検討される際は、必ず最新の公募要領で詳細な要件をご確認ください。
申請スケジュールとプロセス
本事業は、毎年度公募が行われています。令和6年度の公募は令和6年5月31日をもって終了しましたが、例年の傾向から来年度以降も公募が期待されます。最新情報を逃さないよう、公式サイトを定期的にチェックしましょう。
申請の基本的な流れ
- 公募情報の確認: 執行団体である「一般社団法人地域循環共生社会連携協会」のウェブサイトで最新の公募要領、交付規程、Q&A集などを確認します。
- 申請書類の作成: 公式サイトから指定の応募申請様式をダウンロードし、事業計画や予算書などを作成します。
- 申請: 指定されたメールアドレス宛に、期限内に申請書類を電子データで提出します。(持参は不可)
- 審査・採択: 提出された書類に基づき審査が行われ、採択結果が公表されます。
活用事例:鎌倉市のケース
実際にこの補助金を活用した例として、神奈川県鎌倉市の取り組みが参考になります。鎌倉市では、本事業を活用して「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援業務委託」を実施しました。
公募型プロポーザル方式で専門知識を持つ事業者を選定し、市の再生可能エネルギーポテンシャル調査や導入目標設定などを進めています。このように、自治体が専門家の力を借りて、実効性の高い計画を策定するために本事業は非常に有効です。
まとめと次のステップ
「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業」は、地域の脱炭素化を初期段階から力強く後押しする、非常に価値の高い補助金です。計画策定から事業化まで、幅広いフェーズで活用できるため、多くの自治体・事業者にとって大きなチャンスとなります。
次回の公募に向けて、今から情報収集と準備を始めることをお勧めします。まずは公式サイトで過去の公募情報や採択事例を確認し、自組織の取り組みにどう活かせるか検討してみてはいかがでしょうか。
※令和6年度公募は終了しています。最新情報をご確認ください。