海外での模倣品や海賊版による被害にお悩みの事業者様へ。日本貿易振興機構(ジェトロ)が、海外での知的財産権侵害に対する調査や権利行使にかかる費用を最大400万円、2/3を補助する強力な支援事業を実施しています。本記事では、この「中小企業等海外侵害対策支援事業」の概要から申請要件、手続きまでをプロが徹底解説します。
事業概要:JETRO模倣品対策支援事業とは?
本事業は、海外で特許権、商標権などの産業財産権を侵害されている中小企業を対象に、模倣品の製造元特定調査や行政摘発、ウェブサイト削除申請などの対策費用を補助するものです。企業の状況に合わせて選べる2つの支援方式が用意されています。
選べる2つの支援方式
- ✔ サポート型:ジェトロが調査機関の選定から契約、進捗管理までを全面的にサポートする方式。海外での手続きに不安がある企業におすすめです。
- ✔ セルフ型:事業者が自ら選定した調査機関と契約し、主体的に対策を進める方式。費用は間接補助金として交付されます。
補助金の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
補助率 | 対象経費の2/3以内 |
補助上限額 | 400万円 |
対象経費 | 模倣品の侵害調査、警告文作成、行政摘発、税関登録、ウェブサイト削除申請等にかかる現地代理人費用など |
申請受付期限 | 2025年10月31日(金)17時00分厳守 ※予算がなくなり次第、募集を終了します。 |
実施機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) |
申請対象となる方の主な要件
本事業に申請するには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 中小企業支援法に定める中小企業者であること。(みなし大企業は対象外)
- 地域団体商標の場合は、商工会議所、NPO法人等も対象となります。
- 対策を行う国・地域で、対象製品に関する特許権、実用新案権、意匠権、商標権を保持していること。
- 対象国における権利侵害の可能性を示す証拠(製品サンプル、写真、ウェブ画面コピー等)があること。
- ジェトロ以外の機関から同様の助成を受けていないこと。
- 申請前に、必ずジェトロと面談等の機会を設けられること。
【重要】賃上げ実施企業への加点措置
本補助金では、従業員の給与総額または一人あたり平均受給額を1.5%以上増加させる計画を策定・表明した企業に対し、審査上の加点措置が講じられます。賃上げを計画している企業は、申請時に「賃金引上げ計画の誓約書」等を提出することで、採択の可能性を高めることができます。
申請から支援までの流れ
申請プロセスは以下のステップで進みます。まずはジェトロへの事前相談から始めましょう。
- Step 1: ジェトロへ事前相談1
まずは最寄りのジェトロ窓口または知的財産課へ連絡し、事業内容について相談します。 - Step 2: 申請書類の準備・提出2
公式サイトから申請書をダウンロードし、必要書類を添付してジェトロ知的財産課へEメールで提出します。 - Step 3: 審査・選定3
ジェトロ及び特許庁にて支援の妥当性などが審査され、支援対象企業が決定されます。 - Step 4: 支援開始4
決定通知後、選択した方式(サポート型/セルフ型)に沿って、具体的な調査や権利行使が開始されます。 - Step 5: 実績報告・精算5
事業完了後、実績報告書を提出し、費用の精算が行われます。
申請方法・お問い合わせ
申請は、公式サイトから様式をダウンロードし、必要事項を記入の上、添付書類とともにEメールで提出します。JGrantsでの電子申請も可能ですので、詳細は面談時にご確認ください。
ご質問・お問い合わせ先
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)知的財産課
担当:田中、山内、八木
電話: 03-3582-5198
E-mail: SHINGAI@jetro.go.jp