グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金のご案内
グローバルサウス諸国との経済連携を強化し、海外展開を目指す日本企業を強力に支援する「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」が注目されています。本補助金は、現地の社会課題解決に貢献するインフラ関連の海外展開を対象とし、FS(実現可能性調査)事業で最大1億円、小規模実証事業では最大5億円という大型の支援が受けられるのが大きな魅力です。この記事では、本補助金の概要から申請のポイント、過去の採択事例までを徹底解説します。
【最新情報】2025年5月12日より、令和6年度補正予算における「小規模実証・FS事業」の一次公募が開始されました。海外展開をご検討中の事業者様は、この機会をぜひご活用ください。
補助金の概要
本事業は、グローバルサウス諸国が抱える課題解決を通じて、日本のイノベーション創出や産業活性化、経済連携強化を目指すものです。日本企業が行うインフラ等の海外展開に向けたFS事業および小規模実証事業の経費の一部を補助します。
項目 | 内容 |
---|---|
事業名 | 令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金 |
実施機関 | 経済産業省(事務局:TOPPAN株式会社) |
目的 | グローバルサウス諸国の課題解決を通じた日本国内の産業活性化と経済連携強化 |
補助上限額 | 【FS事業】1億円 【小規模実証事業】5億円 |
補助率 | 中小企業のみ:2/3以内 その他:1/2以内 ※共同申請の場合、幹事法人・共同申請者ともに中小企業の場合に限る |
対象国 | グローバルサウス諸国(新興国や途上国) |
事業実施期間 | 交付決定日〜2026年2月28日(土)まで |
採択のポイントと過去の実績
本補助金は、計画の具体性や実現可能性だけでなく、日本の産業への貢献度やグローバルサウス諸国との共創性が重視されます。過去の公募実績を見ると、採択率は比較的高く、質の高い事業計画を提出できれば採択の可能性は十分にあります。
採択に向けた重要ポイント
- 事業の新規性・革新性:日本のイノベーション創出に繋がるか。
- 海外展開の具体性:現地のニーズを捉え、商業化までの道筋が明確か。
- サプライチェーンへの貢献:日本の供給網強靭化にどう寄与するか。
【参考:二次公募の実績】
令和5年度補正予算の二次公募では、応募総数163件に対し、110件が採択されました。採択率は約67.5%と非常に高い水準です。採択事業一覧を見ると、AI、IoT、環境技術、医療、農業など多岐にわたる分野で、革新的なプロジェクトが選ばれています。
対象事業の詳細
本補助金は、事業フェーズに応じて「FS事業」と「小規模実証事業」の2つのメニューが用意されています。
❶ FS(Feasibility Study)事業
グローバルサウス諸国における案件組成段階での基礎調査やコンソーシアム組成など、短期的な受注・事業化を目指す調査が対象です。
- 具体的事業内容:市場調査、ニーズ把握、リスク分析、基本的な設計、ファイナンス検討など。
- 補助上限額:1億円
❷ 小規模実証事業
実地に適用可能な技術・システムなどをグローバルサウス諸国で実証し、有効性や経済性を確認する事業が対象です(研究開発や設備投資支援が主目的ではありません)。
- 具体的事業内容:取得財産を用いた製品・サービスの運用・評価、有効性・経済性の確認など。
- 補助上限額:5億円
共通の事業類型
申請する事業は、以下のいずれかの類型に該当する必要があります。
- 類型1 我が国のイノベーション創出につながる共創型:リバースイノベーションにより日本の新たなイノベーションの種を創出する事業。
- 類型2 日本の高度技術海外展開型:日本の高度技術のデファクトスタンダード獲得や雇用増加につながる事業。
- 類型3 サプライチェーン強靱化型:日本の輸入依存度が高い物資の供給構造多角化やサプライチェーン強靱化につながる事業。
申請手続きとスケジュール
申請は、政府の補助金電子申請システム「Jグランツ」を利用して行います。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要となりますので、事前の取得をおすすめします。
申請の流れ
- 1GビズIDプライムアカウントの取得
- 2公式サイトから募集要領・申請様式をダウンロード
- 3事業計画書等の必要書類を作成
- 4Jグランツにて電子申請
- 5審査・採択決定
- 6交付申請・交付決定後、事業開始
公募スケジュール(参考)
最新の公募情報は公式サイトで必ずご確認ください。以下は過去のスケジュールです。
公募回 | 公募期間 | 採択決定 |
---|---|---|
令和5年度補正 二次公募 | 2024年9月9日~10月11日 | 2024年12月12日 |
令和5年度補正 三次公募 | 2025年1月8日~1月31日 | 2025年4月頃 |
令和6年度補正 一次公募 | 2025年5月12日~募集中 | 未定 |
よくある質問(FAQ)
Q. 複数の事業を申請することは可能ですか?
A. 可能です。事業内容がそれぞれ異なるものであれば、複数事業形態への応募や、同じ形態で複数事業の応募が可能です。ただし、申請は事業ごとに行ってください。
Q. 申請が早い方が有利になりますか?
A. いいえ、有利になることはありません。申請締切日までに提出された全ての案件について、締切後に比較審査が行われます。
Q. 事業はいつから開始できますか?
A. 交付決定通知日より事業開始可能です。採択決定後、交付申請書の審査に約1ヶ月程度を要します。過去の例では、4月頃に採択決定し、5月末頃の交付決定を経て6月以降に事業開始となるケースが多いです。
まとめと公式情報
「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」は、海外展開を目指す企業にとって、事業リスクを軽減し、大きな飛躍のきっかけとなり得る非常に魅力的な制度です。特に、最大5億円という手厚い支援と、比較的高い採択率は大きなチャンスと言えるでしょう。
公募期間は限られていますので、グローバルサウスでの事業展開を検討している企業は、早めに情報収集と準備を進めることを強くお勧めします。詳細な募集要領や申請様式は、必ず公式サイトで最新のものをご確認ください。
お問い合わせ先
グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金事務局
メールアドレス: inquiry@gshojo.jp