令和6年度 蓄電池の持続可能性向上事業とは?
「令和6年度 蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業」は、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠な蓄電池のサプライチェーン全体における持続可能性を高めるための補助金です。蓄電池の製造からリユース・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体でのCO2排出量の見える化や、データ連携基盤の構築を支援します。特に、GX(グリーン・トランスフォーメーション)やサプライチェーンのDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む企業にとって注目の制度です。
この補助金の3つの重要ポイント
- 最大5億円の大型支援:データ連携基盤の実証事業に対して、最大5億円という大規模な補助が受けられます。
- サプライチェーン全体のDX・GX推進:カーボンフットプリントの算定や人権・環境デュー・ディリジェンスなど、国際的なルール形成に対応するためのデータ連携システム構築を支援します。
- 蓄電池エコシステムの構築:リユース・リサイクル市場の創出を目指し、中古電池の価値評価やトレーサビリティ確保など、循環型経済への移行を促進する取り組みを後押しします。
補助金の概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 令和6年度 蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業 |
補助上限額 | ①データ連携:5億円/事業 ②リユース・リサイクル:4,000万円/事業 |
補助率 | 最大 2/3 |
公募期間 | 令和6年6月14日(金) ~ 令和6年7月12日(金) 15時 ※公募終了 |
事業期間 | 交付決定日 ~ 令和7年2月28日 |
実施主体 | 経済産業省 / 一般社団法人低炭素投資促進機構 |
補助対象となる事業内容
本事業は、大きく分けて2つのテーマで公募が行われました。
① データ連携
蓄電池のサプライチェーンにおいて、企業間でデータを連携するためのシステムやアプリケーションの開発・改修、および接続実証を行う事業です。以下のいずれかを含む必要があります。
- トレーサビリティの確保
- カーボンフットプリント(CFP)の算定
- 人権・環境デュー・ディリジェンスの実施
経済産業省などが示す「サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドラインβ版」に準拠し、実際に蓄電池や部素材を製造する企業と連携した実証が求められます。
② 蓄電池のリユース・リサイクル
使用済み蓄電池の有効活用と、リサイクル材料の市場創出に資する取り組みを支援します。具体的には以下のような事業が対象です。
- ライフサイクルを通した電池のトレーサビリティ確保
- 中古電池の適正な価値評価手法の検証
- 二次利用電池の安全性確保や性能評価
- 安価な回収手法の開発や有用資源の回収率向上
申請手続きとスケジュール
申請プロセス
- STEP 1: GビズIDプライムアカウントの取得
電子申請システム「jGrants」を利用するために必須です。取得には時間がかかる場合があるため、早めの準備が必要です。 - STEP 2: 公募要領・関連資料の確認
公式サイトから公募要領や交付規程などをダウンロードし、事業内容や要件を詳細に確認します。 - STEP 3: jGrantsでの申請
必要書類(実施計画書、事業概要書など)を作成し、jGrants上で申請手続きを完了させます。
令和6年度の採択事例
令和6年8月6日に採択結果が公表されました。データ連携、リユース・リサイクルの両分野で、業界をリードする企業による先進的なプロジェクトが採択されています。
主な採択事業者(一部抜粋)
- 株式会社ゼロボード:人権・環境DD登録・連携のアプリケーション開発・実証
- 株式会社野村総合研究所:データ流通システム・トレーサビリティ管理システムの改修と海外対応
- SOMPO Light Vortex株式会社 他:国内中古車流通(電気自動車)の活性化のための事業
- ヤマハ発動機株式会社 他:車載LIBの小型モビリティへのリユース実証事業
まとめと公式サイト
この補助金は、蓄電池関連ビジネスの競争力強化と、持続可能な社会の実現に貢献する重要な事業を支援するものです。令和6年度の公募は終了しましたが、同様の事業が今後も継続される可能性があります。関連業界の事業者は、公式サイトで最新情報を定期的にチェックすることをおすすめします。