建物の省エネ化・脱炭素化は、現代のビジネスにおいて重要な経営課題です。令和7年度「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」は、業務用ビルのZEB化を強力に後押しする注目の補助金です。この記事では、最大5億円という大規模な支援を受けられる本事業の概要から申請方法、スケジュールまで、専門家が分かりやすく解説します。
令和7年度 ZEB実証事業とは?
本事業は、経済産業省資源エネルギー庁が実施し、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行する補助金制度です。業務用建築物において、省エネ性能を大幅に向上させ、再生可能エネルギーを導入することで、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す「ZEB(ゼブ)」の実現を支援します。
ZEBのメリット
- 光熱費の大幅な削減:省エネ性能の向上により、ランニングコストを圧縮できます。
- 企業価値の向上:環境配慮型ビルとして、ESG経営をアピールできます。
- 不動産価値の向上:快適で生産性の高い執務環境を提供し、テナント誘致にも有利です。
- 事業継続計画(BCP)対策:再生可能エネルギー設備や蓄電池の導入により、災害時のレジリエンスが強化されます。
補助金の詳細情報
本事業の基本情報を表にまとめました。詳細な要件は必ず公式サイトの公募要領をご確認ください。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 令和7年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業 |
実施機関 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) |
補助額 | 最大5億円 |
補助率 | 補助対象経費の2/3以内、1/2以内など(事業内容による) |
対象経費 | 設計費、設備費、工事費など(ZEB化に資するもの) |
対象者 | 業務用建築物の新築・改修を計画する法人および個人事業主など |
公募期間とスケジュール
令和7年度の公募は一次・二次に分けて実施されました。現在は両公募とも受付を終了しています。来年度以降の参考に、今年度のスケジュールをご確認ください。
公募回 | 公募期間 | 交付決定時期(予定) |
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一次公募 | 2025年6月11日(水) ~ 7月9日(水) 17:00 ※受付終了 | 2025年8月下旬 |
二次公募 | 2025年9月5日(金) ~ 9月26日(金) 17:00 ※受付終了 | 2025年11月中旬 |
※一次公募の採択状況により、二次公募が実施されない場合もあります。
申請方法と必要な準備
申請は、政府の電子申請システム「jGrants」を利用して行います。スムーズな申請のために、事前の準備が非常に重要です。
⚠️ 最重要:GビズIDプライムの事前取得
jGrantsを利用するには、「GビズIDプライムアカウント」が必須です。アカウントの発行には、申請から2週間程度かかる場合があります。公募開始後に慌てないよう、計画段階で早めに取得手続きを進めておきましょう。
申請の5ステップ
- GビズIDプライムの取得:未取得の場合は、最優先で申請します。
- 公募要領・関連書類の熟読:公式サイトから最新の公募要領や手引きをダウンロードし、要件を完全に理解します。
- 申請書類の作成:交付申請書や事業計画書など、指定された様式に従って書類を作成します。ZEBプランナーなど専門家の協力も有効です。
- jGrantsでの電子申請:公募期間内に、jGrantsにログインし、作成した書類をアップロードして申請を完了させます。
- 交付決定通知:審査を経て、採択されると交付決定通知が届きます。その後、事業を開始できます。
まとめ
「令和7年度 ZEB実証事業」は、建物の脱炭素化とエネルギーコスト削減を実現するための強力な支援策です。最後に、本事業の重要ポイントを振り返ります。
- 最大5億円という大規模な補助が受けられる。
- 申請にはGビズIDプライムアカウントが必須。早めの取得が鍵。
- 公募期間は限られているため、計画的な準備が採択への近道。