経済産業省の次世代決済インフラ構築補助金
2023年8月、経済産業省は「モバイル決済モデル統一規格・海外連携事業費補助金」の採択事業者を発表しました。この補助金は、日本の統一QRコード決済規格(JPQR)と東南アジアの規格を相互運用させるための重要なシステム構築を支援するものです。本事業には、QRコード決済ゲートウェイのパイオニアである株式会社ネットスターズが採択され、最大7,300万円の補助を受けることになりました。本記事では、この国家プロジェクト級の補助金の概要と、採択されたネットスターズの強みについて詳しく解説します。
この補助金の重要ポイント
- インバウンド需要の獲得:訪日外国人が自国のQR決済を日本でシームレスに利用可能に。
- 国際的な決済ハブへ:日本がアジアの決済ネットワークの中心となるための基盤を構築。
- 国内事業者の機会創出:海外の決済サービスへの対応が容易になり、ビジネスチャンスが拡大。
補助金(事業)の概要
本事業の基本情報を表にまとめました。今回は事業者採択に関する情報であり、公募はすでに終了しています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 令和4年度第2次補正 モバイル決済モデル統一規格・海外連携事業費補助金(統一QRコード決済の相互運用に係るシステム構築事業) |
実施組織 | 経済産業省 |
補助額 | 最大 7,300万円(採択事業者:株式会社ネットスターズ) |
公募状況 | 公募終了(2023年8月8日採択) |
対象事業 | 日本のJPQRと東南アジアのQRコード決済規格の相互運用に必要なシステム(電文スイッチング、精算等)の構築・運用 |
採択事業者「株式会社ネットスターズ」とは?
今回、補助事業者に採択された株式会社ネットスターズは、日本のQRコード決済分野におけるリーディングカンパニーです。同社の強みは、国内外の多様な決済サービスを一つにまとめるマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」にあります。
ネットスターズの主な実績と強み
- 2015年に中国の「WeChat Pay」を日本で初めて導入したパイオニア。
- 国内外15,000社以上に「StarPay」を提供。
- 10か国/地域のQRコード決済サービスに対応し、インバウンド決済に豊富な知見を持つ。
これらの実績と技術力が評価され、国際的な決済システムの構築という重要な役割を担う事業者として選定されました。
申請プロセスの考察(参考)
本補助金の公募は終了していますが、同様の国家プロジェクト級の補助金に応募する際の一般的な流れは以下の通りです。非常に専門性が高く、高度な技術力と事業遂行能力が求められます。
- 公募要領の精読:事業目的、要件、技術仕様などを完全に理解する。
- 事業計画の策定:システム構築の具体的な計画、スケジュール、予算、運用体制を詳細に記述した計画書を作成する。
- 提案書の作成:自社の技術力や実績が、いかに事業目的に貢献できるかを具体的にアピールする。
- 電子申請:指定されたシステム(例:jGrants)を通じて、期限内にすべての書類を提出する。
- 審査・ヒアリング:書面審査に加え、専門家によるヒアリングやプレゼンテーションが行われる場合がある。
まとめと公式情報
この補助金事業は、単なるシステム開発に留まらず、日本のキャッシュレス決済の国際競争力を高め、インバウンド消費をさらに活性化させるための重要な一歩です。ネットスターズの持つ豊富な知見と技術により、日本と東南アジア間の決済がよりスムーズになる未来が期待されます。今後の動向に注目しましょう。