この記事のポイント
この記事では、経済産業省の令和5年度補正予算案のうち、「社会変革の起動・推進」と「国民の安全・安心の確保」に関する事業を解説します。これは、補正予算案シリーズの最終回となります。
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4.人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する
人口減少という大きな課題に対応し、社会変革を促すための事業が盛り込まれています。特に、デジタル技術を活用した省力化・効率化がテーマです。
1. 自動運転等の先行実装のためのデジタルライフライン整備事業等
【予算額】132億円
自動運転車やドローンの社会実装を支援するため、データ連携基盤などのデジタルインフラを先行地域で整備します。
2. モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業
【予算額】27億円
将来の輸送力不足に対応するため、自動運転車両の開発や社会実装を促進します。
3. 産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業
【予算額】5.1億円
中小企業を含む産業界全体のサイバーセキュリティ対策を強化するため、対策促進や事故調査の環境整備を行います。
5.国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する
近年の自然災害の激甚化や国際情勢の変化に対応し、国民の生活と経済活動を守るための強靭な社会基盤を構築する事業です。
① 自然災害からの復旧・復興の加速
過去の台風や豪雨、地震で被災した中小企業等の施設復旧を支援し、被災地域の速やかな復興を目指します。
② 防災・減災、国土強靭化の推進
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サービスステーション(SS)等の地域配送拠点における災害対応能力強化事業
【予算額】90億円
災害時に燃料供給拠点となるSS等の備蓄能力増強や停電時供給確保のための設備投資を支援します。
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災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業
【予算額】20億円
避難所等の社会的重要インフラに対し、LPガス・石油製品の「自衛的備蓄」を促し、災害対応能力を強化します。
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工業用水道事業費
【予算額】16億円
工業用水道の耐震化・浸水対策・停電対策などを加速化し、安定的な供給の実現を図ります。
③ 国民の安全・安心の確保
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廃炉・汚染水・処理水対策事業
【予算額】175億円
福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策について、国が前面に立ち、安全かつ着実に取組を進めます。
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ALPS処理水関連の輸入規制強化を踏まえた水産業の特定国・地域依存を分散するための緊急支援事業
【予算額】89億円
ホタテ等の輸出減少が顕著な品目について、国内外の販路拡大や一時買取・保管、加工施設の整備等を支援し、特定国・地域への依存からの脱却を図ります。
④ 外交・安全保障環境の変化への対応
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ウクライナ復興支援事業
【予算額】260億円
スタートアップを含む日本企業の技術やサービスを通じ、ウクライナ復興支援と新たなビジネス機会の創出を目指します。
まとめ:今後の動向に注目
以上が、経済産業省関係の令和5年度補正予算案の概要でした。これらの予算は、今後具体的な補助金・助成金として公募が開始されます。
詳細な情報が公表され次第、改めてご紹介しますので、自社の事業に関連しそうなものがないか、ぜひチェックしておいてください。
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監修:公認会計士・税理士 駒田 裕次郎
大手監査法人での経験を活かし、創業支援・補助金支援を専門とする「駒田会計事務所」を設立。累計3,000件以上の創業融資・補助金支援実績を誇り、資金調達から税務、経営相談まで、起業家の成功を多角的にサポート。「日本の未来を明るくする」をモットーに、日々全国の事業者を支援している。