東京都では、エリア単位で観光関連事業者が連携し、AIやXRなどの先端技術を活用して観光地の高付加価値化を図る取組を支援する「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業補助金」の募集を開始しました。補助限度額は最大4,000万円と大規模な事業展開が可能です。この記事では、制度の概要から申請方法、活用事例まで詳しく解説します。
補助金の重要ポイント
✔ この補助金のココがすごい!
- ✓補助上限額: 最大4,000万円
- ✓補助率: 対象経費の2分の1以内
- ✓対象者: 2者以上の都内事業者で構成される地域グループ
- ✓申請期限: 令和7年8月15日(金)まで(必着)
- ✓対象事業: AI、IoT、XR、生体認証など先端技術を活用した観光地の高付加価値化
「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業」とは?
本事業は、東京都内の特定のエリア(地区)において、複数の観光関連事業者が連携し、AIやIoT、XRといった先端技術を導入することで、観光地全体の魅力と利便性を向上させ、観光客の体験価値を高める(高付加価値化)取組を支援するものです。個々の事業者だけでなく、地域が一体となって観光DXを推進することを目的としています。
想定される取組例
- AIやIoTを用いたリアルタイムな混雑情報の可視化によるエリア内の周遊促進や混雑緩和
- キャッシュレス・チケットレスを可能にする生体認証システムの導入による利便性向上
- 電子共通パスのダイナミックプライシング開発による観光収益の最大化と需要分散
- XR技術を活用した新たな観光コンテンツ開発による魅力創出と誘客促進
制度概要(令和7年度)
補助対象者 | 2者以上の都内事業者で構成される地域グループ |
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補助対象事業 | エリア単位で複数の事業者が連携し、観光地の高付加価値化に資するAI等先端技術の実装を図る取組 |
補助対象経費 | 機械設備導入費、システム等導入経費、専門家指導費など |
補助限度額・補助率 | 4,000万円・補助対象経費の2分の1以内 |
募集期間 | 令和7年5月9日(金)から令和7年8月15日(金)まで(必着) |
採択件数 | 4件(予定) |
補助事業実施期間 | 交付決定日から1年以内 |
申請手続きについて
- 募集要領・様式の確認
公式サイトから最新の募集要領や申請様式をダウンロードし、詳細な要件を確認します。 - 申請書類の準備
事業計画書や経費明細書など、指定された書類を不備なく作成します。連携する事業者との合意形成も重要です。 - 申請
電子申請システム「LoGoフォーム」または郵送(簡易書留)で、期間内に申請を完了させます。
申請方法
申請は以下のいずれかの方法で行ってください。
- ① 電子申請: 電子申請システム「LoGoフォーム」から申請
- ② 郵送(簡易書留):
〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 都庁第一本庁舎19階
東京都産業労働局観光部受入環境課経営支援担当 宛
【参加無料】関連セミナー開催情報
本補助金の活用を検討している事業者向けに、過去の採択事例や先端技術を紹介する無料セミナーが開催されます。AIやXR技術の体験会も予定されており、事業計画の具体化に役立つ絶好の機会です。
- 開催日時: 令和7年7月2日(水)14:00~16:30
- 参加対象: 都内の観光関連事業者、DMO、自治体等
- 定員: 現地60名 / オンライン300名(先着順)
- 申込締切: 令和7年6月27日(金)
- 内容: 基調講演、採択事例紹介、先端技術体験会・相談会(現地のみ)など
過去の採択事例
令和6年度には、以下のような先進的な取組が採択されています。
① 丸の内デジタルアンバサダー実装事業
大手町・丸の内・有楽町エリアで、生成AIを活用した「丸の内デジタルアンバサダー」を開発。エリアの魅力を多言語で発信し、観光客の周遊を促進しました。
② 千駄ヶ谷エリア魅力の回遊促進デジタルマップ施策
都立明治公園を中心とした千駄ヶ谷エリアにデジタルマップを導入。リアルタイム情報と連携し、新たなまち歩き体験を創出しました。
まとめ
「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業補助金」は、東京都の観光地が抱える課題を先端技術で解決し、新たな価値を創造するための強力な支援策です。補助額が大きく、採択件数が限られているため、質の高い事業計画が求められます。地域内の事業者と連携し、エリア全体の魅力を向上させる具体的なプランを練り上げることが採択の鍵となります。まずは無料セミナーに参加して情報収集を行い、早めに準備を進めましょう。
お問い合わせ先
東京都 産業労働局 観光部 受入環境課 経営支援担当
電話:03-5320-4802