【重要なお知らせ】
本記事で解説している「小規模事業者持続化補助金<一般型>」の令和元年度補正・令和3年度補正予算分は、2023年2月をもって公募を終了しています。しかし、本補助金は非常に人気が高く、今後新たな予算で再開される可能性が高い制度です。次回公募に備え、制度内容をしっかり理解しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金<一般型>とは?
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が直面する制度変更(働き方改革やインボイス制度導入など)に対応しつつ、持続的な経営を行うために取り組む販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。地域の商工会や商工会議所のサポートを受けながら経営計画を作成し、事業を推進していく点が大きな特徴です。
補助金の概要
まずは制度の全体像を把握しましょう。基本情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 小規模事業者の生産性向上と持続的発展 |
補助上限額 | 通常枠: 50万円 / 特別枠: 最大200万円 |
補助率 | 原則 2/3 (賃金引上げ枠の赤字事業者は 3/4) |
対象経費 | 店舗改装、チラシ作成、広告掲載、ウェブサイト関連費など販路開拓に関する費用 |
申請要件 | 商工会・商工会議所の支援を受け、経営計画に基づいた販路開拓等に取り組むこと |
最大200万円!豊富な申請枠
本補助金には、事業者の状況に応じた複数の申請枠が用意されています。自社の目標に合った枠を選択することで、より手厚い支援を受けることが可能です。
通常枠
基本的な販路開拓や業務効率化に取り組む事業者向けの枠です。
- 補助上限: 50万円
特別枠(補助上限200万円)
特定の政策目標に合致する事業者には、補助上限が大幅に引き上げられます。
- 賃金引上げ枠: 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とする事業者向け。
- 卒業枠: 従業員を増やし、小規模事業者の定義を超える規模拡大を目指す事業者向け。
- 後継者支援枠: 「アトツギ甲子園」のファイナリストとなった事業者向け。
- 創業枠: 特定創業支援等事業の支援を受けた創業者向け。
インボイス枠(補助上限100万円)
免税事業者からインボイス発行事業者に転換する事業者向けの支援枠です。
誰が対象?補助対象者の条件
補助金の対象となるのは、日本国内に所在する小規模事業者です。業種によって「常時使用する従業員」の数が定められています。
業種 | 常時使用する従業員の数 |
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商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
💡 注意点
- 会社役員や個人事業主本人は「常時使用する従業員」に含みません。
- 資本金5億円以上の法人に100%株式保有されている事業者は対象外です。
- 医師、歯科医師、系統出荷のみの個人農業者などは対象外となります。
何に使える?補助対象経費
販路開拓や業務効率化に関する幅広い経費が対象となります。主な経費は以下の通りです。
- 機械装置等費: 事業遂行に必要な機械装置の購入費(例: 新メニュー開発用のオーブン)
- 広報費: 新商品やサービスをPRするためのチラシ、ポスター、看板作成費など
- ウェブサイト関連費: ECサイトの構築、ウェブサイトの改修、インターネット広告費など
- 展示会等出展費: 国内外の展示会への出展料や関連経費
- 旅費: 販路開拓のための出張旅費(交通費・宿泊費)
- 開発費: 新商品の試作品やパッケージデザインの開発費用
- 資料購入費: 事業に必要な図書や資料の購入費
- 雑役務費: 販路開拓のために臨時で雇用したアルバイト代など
- 借料: 事業に必要な機器のリース・レンタル料
- 設備処分費: 作業スペース確保のための設備廃棄費用
- 委託・外注費: 店舗改装やデザイン依頼など、自社で実施困難な業務の委託費用
🚫 対象外経費の例
パソコンや自動車など汎用性が高いもの、不動産の購入費、各種手数料、公租公課(消費税など)は原則として対象外です。詳細は必ず公募要領で確認してください。
申請から入金までの7ステップ
補助金を受け取るまでの大まかな流れは以下の通りです。商工会・商工会議所との連携が鍵となります。
- 1経営計画の作成と相談: 事業計画を作成し、地域の商工会・商工会議所に相談。「事業支援計画書(様式4)」の交付を受けます。
- 2申請手続き: 必要書類を揃え、電子申請(Jグランツ)または郵送で事務局に提出します。
- 3審査・採択: 事務局による審査が行われ、採択・不採択が決定します。
- 4交付決定・事業開始: 「交付決定通知書」を受け取ってから、事業を開始します。これ以前の経費は対象外です!
- 5実績報告: 事業完了後、期限内に実績報告書と経費の証拠書類を提出します。
- 6補助金額の確定: 報告内容が審査され、補助金額が正式に確定します。
- 7請求・入金: 確定した金額を請求し、後日、指定口座に補助金が振り込まれます(精算払い)。
公募スケジュールと問い合わせ先
令和元年度補正・令和3年度補正予算分の公募は第11回(2023年2月20日締切)をもって終了しました。今後のスケジュールは公式サイトで発表されますので、定期的にチェックしましょう。
【参考】過去の問い合わせ先
<商工会地区の方>
全国商工会連合会(お近くの都道府県商工会連合会へお問い合わせください)
<商工会議所地区の方>
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金事務局
電話番号:03-6632-1502