「休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金」とは?
「休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金」は、経済産業省が主導する国の支援制度です。活動を終えた、あるいは廃止された鉱山から発生する坑廃水や汚染土壌などの鉱害を防止するための工事費用の一部を補助し、国民の健康保護と生活環境の保全、さらには鉱業の健全な発展に寄与することを目的としています。
💡 この補助金の重要ポイント
- 国の重要政策:経済産業省の政策の一環として、エネルギー・資源の安定供給と環境保全を両立させるための重要な補助金です。
- 環境リスクの低減:休廃止鉱山からの有害物質の流出を防ぎ、周辺地域の土壌や水質の汚染を未然に防ぐ事業を支援します。
- 専門機関のサポート:独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が技術支援やコンサルティングを行い、事業者を強力にバックアップします。
補助金の概要
本補助金の基本的な情報を以下の表にまとめました。
項目 |
内容 |
実施機関 |
経済産業省 |
対象者 |
休廃止鉱山の鉱害防止事業を実施する地方公共団体および民間事業者 |
対象事業 |
休廃止鉱山における鉱害の発生を防止するための各種工事(坑廃水処理施設の建設・改修、汚染拡散防止策など) |
補助額 |
事業規模や内容に応じて個別審査(過去の採択事例では数百万円〜1,000万円超) |
申請期間 |
年度ごとに公募されます。詳細は経済産業省のウェブサイトをご確認ください。 |
補助対象となる経費の具体例
- 坑廃水処理施設の建設、改修、運営管理に係る費用
- 汚染土壌の除去、封じ込め、浄化対策工事費
- ぼた山(鉱石の採掘に伴い発生した岩石の集積場)の安定化・緑化工事費
- 鉱害防止工事に必要な調査、設計、測量費
- その他、鉱害防止に直接必要と認められる経費
過去の採択事例
本補助金は、中外鑛業株式会社や住友金属鉱山株式会社といった大手企業も活用しています。具体的な採択事例を見てみましょう。
認定日 |
対象企業/鉱山 |
補助金額 |
監督府省 |
2024年4月9日 |
中外鑛業(株)関連【北海道】 |
5,841,000円 |
経済産業省 |
2024年4月12日 |
住友金属鉱山(株)関連【四国】 |
11,216,000円 |
経済産業省 |
2021年6月24日 |
中外鑛業(株)関連【上国鉱山】 |
5,924,000円 |
経済産業省 |
申請のプロセスと注意点
申請は以下のステップで進めるのが一般的です。
- Step 1: 公募情報の確認
経済産業省のウェブサイトで最新の公募要領を確認し、対象事業や要件を把握します。
- Step 2: 事業計画の策定と書類準備
鉱害防止工事の具体的な計画、スケジュール、資金計画を策定します。必要に応じてJOGMECの技術支援を活用することをお勧めします。
- Step 3: 申請手続き
公募要領に従い、指定された方法(電子申請、郵送など)で申請書類を提出します。
- Step 4: 審査・採択
提出された事業計画は専門家によって審査され、採択・不採択が決定されます。
- Step 5: 事業実施と実績報告
採択後、計画に沿って事業を実施します。事業完了後は、実績報告書を提出し、補助金額が確定します。
⚠️ 申請時の重要ポイント
この補助金は、専門性が高く、技術的な裏付けのある事業計画が求められます。支援機関であるJOGMECは、鉱害防止に関する調査、技術開発、コンサルティングなど、多岐にわたる支援を提供しています。申請を検討する際は、早い段階でJOGMECに相談し、連携を図ることが採択への近道となります。
まとめと問い合わせ先
「休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金」は、環境保全と地域社会の安全を守る上で極めて重要な制度です。対象となる事業者様は、この機会にぜひ活用をご検討ください。専門的な知見が必要となるため、まずは支援機関であるJOGMECのウェブサイトで情報を収集することから始めましょう。