令和6年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業とは?
令和6年度「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」は、経済産業省のエネルギー対策特別会計の一環として、大規模な業務用建築物におけるエネルギー消費量の大幅な削減を目指す補助金です。この事業は、ZEBの設計ノウハウがまだ確立されていない大規模建築物を対象とし、先進的な技術を組み合わせたZEB化の実証を支援することで、その成功事例を広く展開し、国内の建築物の脱炭素化を加速させることを目的としています。
この事業のポイント
- 大規模建築物(新築1万㎡以上、既築2千㎡以上)のZEB化を支援
- 先進的な省エネ技術や再生可能エネルギー設備の導入が対象
- 成果の横展開を図り、国内のZEB普及を促進
補助金の概要
基本情報
事業名 | 令和6年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業 |
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実施団体 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) |
対象者 | 建築物所有者 等 |
補助額・補助率 | 補助対象経費の2/3以内など(詳細は公募要領をご確認ください) |
公募期間 | ※令和6年度の公募は終了しました ・一次公募:2024年5月7日~6月4日 ・二次公募:2024年7月31日~8月28日 |
補助対象となる建築物
本事業の対象となるのは、ZEBの設計ノウハウが確立されていない民間の大規模建築物です。具体的な規模要件は以下の通りです。
対象規模要件
- 新築建築物:10,000㎡以上
- 既築建築物:2,000㎡以上
※地方公共団体所有の建築物は、環境省の「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」の対象となる場合があります。
申請プロセスとスケジュール
申請から交付までの流れ
申請は、電子申請システム「jGrants」を利用して行います。大まかな流れは以下の通りです。
- GビズIDプライムアカウントの取得:jGrantsの利用に必須です。取得には2週間程度かかる場合があるため、早めに準備しましょう。
- 公募要領・申請書類の確認:公式サイトから最新の公募要領や申請様式をダウンロードし、要件を詳細に確認します。
- 申請書類の作成:事業計画やエネルギー計算など、専門的な内容を含む書類を作成します。ZEBプランナー等の専門家との連携が推奨されます。
- jGrantsでの電子申請:作成した書類をjGrantsポータルサイトから提出します。
- 審査:学識経験者等で構成される審査委員会による厳正な審査が行われます。
- 交付決定:審査を通過した事業に対して交付が決定されます。
令和6年度の採択結果と分析
令和6年度は一次・二次に分けて公募が行われ、合計で11件の申請に対し8件が採択されました。非常に高い採択率となっています。
公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 省エネ効果(見込み) |
---|---|---|---|---|
一次公募 | 4件 | 3件 | 75.0% | 約784KL/年(原油換算) |
二次公募 | 7件 | 5件 | 約71.4% | 約1,518KL/年(原油換算) |
合計 | 11件 | 8件 | 約72.7% | 約2,302KL/年(原油換算) |
採択に向けた考察
採択率は70%を超えており、要件を満たし、質の高い計画を提出できれば採択の可能性は非常に高いと言えます。審査では、年間一次エネルギー消費削減率だけでなく、費用対効果や先進技術の導入計画なども評価されます。次年度以降の申請を検討する事業者は、これらの点を踏まえた事業計画の策定が重要です。
まとめと次年度への展望
令和6年度のZEB実証事業は、大規模建築物の脱炭素化を力強く後押しする重要な補助金です。採択率は高いものの、対象が大規模建築物に限られ、申請には専門的な知見が求められるため、計画的な準備が不可欠です。
令和6年度の公募は終了しましたが、本事業は例年実施されています。令和7年度の事業についても同様の枠組みで公募される可能性が高いため、大規模建築物の新築や改修を計画している事業者は、今から情報収集を開始し、ZEBプランナー等の専門家と相談を進めておくことをお勧めします。
公式情報の確認
最新の情報や詳細な公募要領、申請書類は必ず公式サイトでご確認ください。