はじめに:海外展開を目指す中小企業様へ
グローバル市場への進出は、中小企業にとって大きな成長のチャンスです。しかし、海外で自社の技術やブランドを守るための特許・商標などの外国出願には、高額な費用がかかるのが実情です。そんな悩みを解決するため、日本特許庁が中小企業の海外展開を強力に後押しする助成金制度を実施しています。
この記事では、外国出願にかかる費用の半額が助成される「中小企業等海外展開支援事業費補助金」について、制度の概要から東海地方の具体的な申請情報まで、詳しく解説します。
この助成金の3つの重要ポイント
- 費用負担を大幅軽減:外国特許庁への出願料や弁理士費用、翻訳料などの半額が補助されます。
- 幅広い知財が対象:特許、実用新案、意匠、商標(地域団体商標含む)の外国出願が支援対象です。
- 全国の中小企業が対象:各都道府県の支援機関が窓口となり、全国の中小企業が申請可能です。
助成金の概要:基本情報をチェック
まずは、制度の全体像を把握しましょう。基本的な情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 令和6年度中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業) |
実施主体 | 日本特許庁 |
申請窓口 | 各都道府県等の中小企業支援センター等 |
対象者 | 日本国内に本社を有する中小企業等 ※地域団体商標は商工会議所、NPO法人等も対象 |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
対象経費 | 外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用など |
対象出願 | 特許、実用新案、意匠、商標の外国出願 |
【東海4県】2024年度の申請窓口と受付期間
ここでは具体例として、東海4県の公募情報をご紹介します。申請は本社所在地の窓口へ行う必要がありますのでご注意ください。
愛知県の申請情報
実施機関 | あいち産業振興機構 |
応募受付期間 | 2024年5月16日(木)~ 6月7日(金) |
岐阜県の申請情報
実施機関 | 岐阜県産業経済振興センター |
応募受付期間 | 2024年5月10日(金)~ 6月28日(金) |
三重県の申請情報
実施機関 | 三重県産業支援センター |
応募受付期間 | 2024年5月27日(月)~ 6月21日(金) |
静岡県の申請情報
実施機関 | 静岡県産業振興財団 |
応募受付期間 | ~ 2024年6月7日(金) |
⚠️ ご注意ください
上記は一例です。公募期間は各都道府県で異なり、非常に短い場合があります。また、予算の上限に達し次第、早期に締め切られる可能性もありますので、早めの情報収集と準備を強くお勧めします。
申請から受給までの一般的な流れ
助成金を利用する際の基本的なステップは以下の通りです。
- 1公募要領の確認と準備
- 2事業計画書等の申請書類作成
- 3管轄の窓口へ申請書を提出
- 4審査・交付決定通知
- 5外国出願手続きの実施
- 6事業完了後、実績報告書を提出
- 7検査・補助金額の確定・支払い
関連情報:海外での権利侵害対策も支援
外国出願費用の支援だけでなく、海外で模倣品被害や権利侵害などのトラブルに巻き込まれた際の対策費用を助成する「中小企業等海外侵害対策支援事業」もあります。侵害調査や差止請求にかかる費用も補助対象となる場合がありますので、併せて確認しておくと良いでしょう。
まとめ:専門家と連携し、制度を有効活用しよう
この助成金は、中小企業が海外でビジネスを成功させるための強力な武器となります。しかし、申請には専門的な知識を要する事業計画書の作成が必要です。弁理士などの専門家と相談しながら準備を進めることで、採択の可能性を高めることができます。
まずは、自社の事業展開にこの制度が活用できるか、最新の公募情報を公式サイトで確認することから始めましょう。