新潟県内でグローバルな事業展開を目指す中小企業の皆様へ朗報です。海外での特許や商標登録にかかる費用を大幅に軽減できる「中小企業等海外出願支援事業」が公募されています。この記事では、補助金の概要から対象要件、申請方法までをプロの視点で分かりやすく解説します。
中小企業等海外出願支援事業の概要
本事業は、公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)が実施するもので、新潟県内の中小企業者が行う海外への特許・商標などの出願費用の一部を補助し、国際的なビジネス競争力の強化を支援することを目的としています。
項目 | 内容 |
---|---|
補助上限額 | 1企業あたり最大300万円 |
補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
募集期間 | 令和6年8月5日(月)~9月13日(金) |
対象者 | 新潟県内に事業所を有する中小企業者等 |
実施機関 | 公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO) |
申請方法 | 郵送 または jGrants(電子申請) |
補助対象となる事業者(対象要件)
本補助金を利用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。自社が対象となるか、以下の項目をしっかり確認しましょう。
対象者の基本条件
新潟県内に事業所を有する中小企業者、またはそれらの中小企業者で構成されるグループ(構成員の2/3以上が中小企業者であること)が対象です。
⚠️ 対象外となるケース
以下のいずれかに該当する中小企業者は対象外となりますのでご注意ください。
- 大企業が株式の1/2以上を所有している
- 複数の大企業が株式の2/3以上を所有している
- 役員総数の1/2以上を大企業の役職員が兼任している
- 資本金5億円以上の法人に100%株式を保有されている
- 直近3年間の課税所得の年平均額が15億円を超える
出願案件の要件
- 日本国特許庁への基礎出願があることが必須です。
- 外国での権利取得の可能性が否定されず、権利化後に戦略的な事業展開が見込まれる案件であること。
- 事業を営まない個人の出願や、出願人が法人名でない場合は対象外です。
- 知的財産法に基づく出願制度が整備されている国への出願のみが対象です。
補助対象経費と補助額
対象となる経費
交付決定日から令和7年2月末日までに支払いまで完了する以下の経費が対象です。
- 外国特許庁への出願手数料
- 現地代理人費用
- 国内代理人費用
- 翻訳費用
対象外となる経費
- 交付決定日より前の発注・支払経費
- 国内出願(PCT出願含む)費用
- 日本国内の消費税・地方消費税
- 国際商標登録出願料に係る登録料 など
補助率と補助上限額
補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
1企業(グループ)あたりの上限 | 300万円 |
1出願(案件)あたりの上限 | 特許:150万円 |
実用新案・意匠・商標:60万円 | |
冒認対策商標:30万円 |
申請方法とスケジュール
申請の流れ
- Step 1: 書類の準備
公式サイトから「事業案内」や「申請書類一式」をダウンロードし、内容を熟読して必要書類を準備します。 - Step 2: 申請方法の選択
従来の郵送、または経済産業省の電子申請システム「jGrants」のいずれかを選択します。jGrantsを利用する場合は、事前に「GビズID」の取得が必要です。 - Step 3: 申請
募集期間内に、選択した方法で申請書類を提出します。 - Step 4: 審査・交付決定
NICOによる審査が行われ、採否が決定されます。採択されると交付決定通知が届きます。 - Step 5: 事業実施・実績報告
交付決定後に事業を開始し、期間内に完了させ、実績報告書を提出します。
重要:募集期間
令和6年8月5日(月)~ 令和6年9月13日(金)
締切が迫っていますので、早めの準備をおすすめします。
まとめ
「中小企業等海外出願支援事業」は、新潟県の中小企業が世界市場で戦うための強力な武器となる知的財産を確保するための重要な支援策です。補助上限額も大きく、代理人費用までカバーされるため、海外展開を検討している企業にとっては絶好の機会と言えるでしょう。申請要件は細かい部分もありますので、公式サイトの「事業案内」や「よくあるご質問(Q&A)」を必ず確認し、万全の準備で申請に臨みましょう。