【2024年度公募開始】環境省「SHIFT事業」で工場の脱炭素化へ!
「脱炭素化を進めたいが、何から手をつければ良いかわからない…」
「省エネ設備の導入コストが負担で、なかなか踏み切れない…」
このようなお悩みをお持ちの工場・事業場の経営者様、設備担当者様に朗報です。環境省が主導する「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(通称:SHIFT事業)」の令和6年度公募が開始されました。この事業は、CO2削減計画の策定から具体的な設備更新まで、企業の脱炭素化への取り組みを強力に後押しする補助金制度です。
✅ 計画策定から設備投資までワンストップで支援!
✅ 中小企業向けの手厚いメニューも用意!
✅ 最大5億円の大型補助!
本記事では、このSHIFT事業の全体像から各支援メニューの詳細、申請スケジュールまで、専門家が分かりやすく徹底解説します。
SHIFT事業とは?3つの支援メニューを解説
SHIFT事業は、工場・事業場における脱炭素化の先導的な事例を創出し、その知見を広く共有することで、日本全体の温室効果ガス削減目標達成に貢献することを目的としています。事業者の取り組み段階に合わせて、以下の3つの支援メニューが用意されています。
支援メニュー | 概要 | 補助率・上限額 |
---|---|---|
① CO2削減計画策定支援 | 中小企業等を対象に、専門家(支援機関)がCO2排出量の削減余地を診断し、具体的な削減計画の策定を支援します。 | 補助率: 3/4 上限: 100万円 (DX型は200万円) |
② 省CO2型設備更新支援 | 策定した計画に基づき、省エネ性能の高い設備への更新や、電化・燃料転換などを支援します。 | 補助率: 1/3, 1/2等 上限: 最大5億円 |
③ 企業間連携先進モデル支援 | サプライチェーン全体(Scope3)でのCO2削減を目指し、親会社が主導してサプライヤーの設備更新等を支援する先進的な取り組みを支援します。 | 補助率: 1/3, 1/2 上限: 5億円 |
① CO2削減計画策定支援:脱炭素化の第一歩を専門家と
「何から始めればいいか分からない」という中小企業に最適なメニューです。専門知識を持つ「支援機関」が、現状のエネルギー使用状況を分析し、効果的なCO2削減策を提案。実現可能な目標と具体的な行動計画を盛り込んだ「脱炭素化促進計画」の策定をサポートします。
💡 ポイント
- 補助率3/4、最大100万円と手厚い支援。
- CO2排出量を見える化するDXシステムを導入する場合は、上限が200万円に拡大します。
- この支援で策定した計画は、次のステップである「②省CO2型設備更新支援」の申請に活用できます。
② 省CO2型設備更新支援:具体的な設備投資を強力に後押し
CO2削減計画に基づき、実際に設備を導入・更新する際の費用を補助します。事業規模や目標に応じて3つのコースが設定されています。
A. 標準事業
工場全体で15%以上、または主要なシステム系統で30%以上のCO2削減を実現する設備更新が対象です。
補助率1/3、上限1億円
B. 大規模電化・燃料転換事業
電化や燃料転換を伴い、年間4,000t-CO2以上の大規模な削減(30%以上)を行う事業が対象です。
補助率1/3、上限5億円
C. 中小企業事業
中小企業等の設備更新を対象とした、特に手厚い支援です。以下のいずれか低い額が補助されます。
上限0.5億円
- 年間CO2削減量 × 法定耐用年数 × 7,700円/t-CO2
- 補助対象経費の1/2
③ 企業間連携先進モデル支援:サプライチェーン全体で脱炭素へ
自社だけでなく、取引先(サプライヤー)も含めたバリューチェーン全体でのCO2削減(Scope3削減)に取り組む先進的なモデル事業を支援します。親会社が主導し、サプライヤー工場の設備更新などを促進する取り組みが対象です。
補助率1/3または1/2、上限5億円
令和6年度 公募スケジュール
公募は既に開始されています。メニューによって締切が異なるため、注意が必要です。特に設備更新支援は一次・二次と締切が分かれています。
支援メニュー | 公募締切 |
---|---|
① CO2削減計画策定支援 | 令和6年8月16日(金)12:00まで |
② 省CO2型設備更新支援 ③ 企業間連携先進モデル支援 |
【一次公募】令和6年7月16日(火)12:00まで |
【二次公募】令和6年8月16日(金)12:00まで |
⚠️ 注意点
- 公募開始日はすべて令和6年6月7日(金)です。
- 一次公募と二次公募で、同程度の採択額が設けられる予定です。
- 一次公募で不採択となった場合でも、希望すれば自動的に二次公募で再審査される予定です。
申請の進め方とポイント
SHIFT事業の活用は、以下のステップで進めるのが一般的です。
- 1情報収集と計画策定の検討
まずは自社の状況を把握し、脱炭素化の方向性を検討します。必要であれば「①CO2削減計画策定支援」の活用を視野に入れ、支援機関を探します。 - 2計画策定支援の申請・実施
支援機関と連携し、「①CO2削減計画策定支援」に申請。採択後、専門家による診断を受け、具体的な「脱炭素化促進計画」を作成します。 - 3設備更新補助の申請
作成した計画書をもとに、「②省CO2型設備更新支援」に申請します。精度の高い計画書が採択の鍵となります。 - 4交付決定・事業実施
交付決定後に、設備の契約・発注・工事を行います。交付決定前の発注は補助対象外となるため、絶対に避けてください。 - 5実績報告と補助金受領
事業完了後、実績報告書を提出。検査を経て、補助金が支払われます。
まとめ:SHIFT事業で未来への投資を
SHIFT事業は、単なる設備投資の補助金ではありません。企業の脱炭素経営への移行を根本から支援し、エネルギーコストの削減、企業価値の向上、そして持続可能な社会への貢献を実現するための強力なツールです。
公募期間は限られています。脱炭素化への大きな一歩を踏み出すこの機会を、ぜひご活用ください。まずは公式サイトで公募要領などの詳細情報を確認し、準備を始めましょう。