令和5年度補正 資源自律経済確立産官学連携加速化事業とは?
令和5年度補正「資源自律経済確立に向けた産官学連携加速化事業」は、経済産業省が主導し、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指す企業を支援する補助金です。大量生産・大量消費からの脱却を図り、資源の効率的・循環的な利用を促進することで、産業競争力の強化、脱炭素社会の実現、経済安全保障の確立を目的としています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金の上限なし! 事業規模に応じた柔軟な支援が可能です。
- 中小企業は最大2/3、大企業は最大1/3の高い補助率。
- サーキュラーエコノミー情報基盤の構築や、再生材品質標準化のための設備投資が対象。
- 事業実施によるCO2排出量の削減が必須要件です。
補助金の概要
本事業の基本情報を表にまとめました。公募は既に終了していますが、次年度以降の参考情報としてご活用ください。
事業名称 | 令和5年度補正 資源自律経済確立に向けた産官学連携加速化事業 |
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実施機関 | 一般社団法人低炭素投資促進機構(GIO) |
公募期間(二次) | 2024年6月25日(火)~7月25日(木)※終了しました |
補助上限額 | 上限設定なし |
補助率 | 中小企業等:1/2以内 大企業等:1/3以内 |
対象者 | サーキュラーエコノミー関連事業を行う民間企業等(大企業、中小企業) |
事業期間 | 交付決定日 ~ 2025年2月28日 |
補助対象となる2つの事業類型
本補助金は、以下の2つの事業類型を支援対象としています。
① サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォーム構築事業
自動車、バッテリー、電気電子製品、繊維、鉄などの製品・素材を対象に、資源循環を促進するための情報プラットフォーム構築を支援します。
- プラットフォームの基本設計・詳細設計
- プロトタイプの構築および実証
- データ連携基盤の開発 など
② 再生材品質の標準化に資する設備導入事業
再生材の品質向上や安定供給に繋がる機械装置等の導入を支援します。
- 再生材の製造・加工機械
- 品質分析・評価装置
- 資源循環を促進するための関連ソフトウェア など
採択事例:アスエネ株式会社の取り組み
実際にどのような事業が採択されているのでしょうか。CO2排出量見える化クラウドサービスを提供するアスエネ株式会社の事例を見てみましょう。
採択事業名
サプライチェーンと連携する製品CFPの算定および、CFP削減シミュレーション・実施状況の可視化サービスの設計・実証
同社は、自社のクラウドサービス「ASUENE」を活用し、製造業を対象に製品ごとのカーボンフットプリント(CFP)を算定・シミュレーションする実証事業で採択されました。これにより、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減を具体的に推進する取り組みであり、本補助金の趣旨に合致した先進的な事例と言えます。
申請手続きの流れ
申請は、政府の補助金申請システム「jGrants」を利用して行います。大まかな流れは以下の通りです。
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1
GビズIDプライムアカウントの取得申請には必須です。未取得の場合は、発行に2〜3週間かかることもあるため、早めに手続きを開始しましょう。 -
2
公募要領・必要書類の確認公式サイトから最新の公募要領をダウンロードし、事業計画書などの必要書類を準備します。 -
3
jGrantsでの電子申請公募期間内にjGrants上で必要事項を入力し、作成した書類をアップロードして申請を完了させます。
申請時の注意点
本補助金では、事業実施による二酸化炭素(CO2)の削減効果を具体的に示すことが極めて重要です。申請時には、算出過程を含む削減量の根拠を明確に提示する必要があります。また、事業完了後には実績報告が求められます。
まとめ
「資源自律経済確立産官学連携加速化事業」は、サーキュラーエコノミーへの移行を目指す企業にとって、大規模な投資を後押しする強力な支援策です。補助上限がなく、高い補助率が設定されている点が大きな魅力です。次年度以降の公募に備え、自社の事業がどのように資源循環とCO2削減に貢献できるか、今から計画を練っておくことをお勧めします。