令和6年度LCCM住宅補助金(サステナブル建築物等先導事業)とは?
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、住宅の脱炭素化を推進する国の重要な補助金が「令和6年度 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)【LCCM戸建住宅部門】」です。
この事業は、住宅の一生(建設から解体まで)を通じてCO2排出量をマイナスにする「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」の新築を支援するものです。高い省エネ性能を持つ未来の住まいづくりに、最大140万円の補助金が交付されます。
この補助金のポイント
- 補助上限額: 最大140万円/戸
- 対象: 新築のLCCM戸建住宅
- 目的: 住宅のライフサイクル全体でのCO2排出量削減
- 申請方法: jGrantsによる電子申請
補助金の概要
本事業の基本情報を表にまとめました。申請前に必ずご確認ください。
補助金名 | 令和6年度 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)【LCCM戸建住宅部門】 |
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実施機関 | 一般社団法人 環境共生住宅推進協議会(国土交通省補助事業) |
補助対象費用 | 設計費、およびLCCM住宅の要件を満たすために必要な補助対象工事の掛かり増し費用 |
補助率 | 補助対象費用の合計額の1/2以内 |
補助上限額 | 140万円/戸 |
公募期間 | 2024年5月20日(月)~ 2025年1月17日(金)17時まで |
補助対象となる住宅の要件
補助金を受けるためには、建設する住宅が以下の主要な要件をすべて満たす必要があります。
- 強化外皮基準の適合: ZEH水準の高い断熱性能が求められます。
- 一次エネルギー消費量の削減: 再生可能エネルギーを除き、現行の省エネ基準値から25%以上の一次エネルギー消費量削減が必要です。
- ライフサイクルCO2排出量がマイナス: 指定ツールを用いて、建設から解体までのライフサイクル全体のCO2排出量を算定し、その結果が0以下(太陽光発電によるCO2削減量を下回る)となることが必須です。
注意点
LCCM住宅は、一般的なZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)よりもさらに高い環境性能が求められる先導的な住宅です。設計段階から専門家と綿密な計画を立てることが成功の鍵となります。
申請から補助金受給までの流れ【完全ガイド】
申請はすべてオンラインシステム「jGrants」を通じて行います。ここでは、申請マニュアルに基づいた全体の流れを分かりやすく解説します。
Step 1: 事前準備(GビズIDの取得と書類作成)
GビズIDプライムアカウントの準備
jGrantsを利用するには、法人・個人事業主向けの共通認証システム「GビズIDプライム」のアカウントが必須です。アカウント発行には数週間かかる場合があるため、申請を検討し始めたらすぐに取得手続きを開始しましょう。
申請様式のダウンロードと作成
公式サイトから申請様式一式(ZIPファイル)をダウンロードし、以下の主要な書類を作成します。
- ①別添1 建築士による基本要件への適合確認書
- ②別添2 補助対象事業費の内訳
- ③共同事業実施規約(該当する場合)
- ④分譲住宅に係る誓約書(該当する場合)
- ⑤耐震要件に関する同意書(該当する場合)
- ⑥適合確認における未取得の書類に係る誓約書(該当する場合)
- その他、設計図書(案内図、配置図、平面図等)
Step 2: jGrantsでの交付申請
準備した書類がすべて揃ったら、jGrantsにログインして交付申請手続きを行います。
- jGrantsポータルサイトにアクセスし、GビズIDでログインします。
- 補助金検索画面で「サステナブル建築物等先導事業」を検索し、申請ページへ進みます。
- 申請フォームに事業者情報や事業内容などの必要事項をすべて入力します。
- 作成した申請書類(Excel、PDF等)をすべて添付します。
- 入力内容と添付ファイルに誤りがないか最終確認し、「申請する」ボタンを押下して完了です。
Step 3: 審査と交付決定
申請後は事務局による審査が行われます。jGrantsのマイページでステータスを確認できます。書類に不備があった場合は「差戻し」となるため、指示に従って速やかに修正・再申請してください。審査を通過すると「交付決定通知」が届きます。
Step 4: 完了実績報告
住宅の工事が完了したら、速やかに「完了実績報告」を行う必要があります。交付申請時と同様に、公式サイトから実績報告用の様式(適合確認書、写真台帳など)をダウンロードして作成し、jGrantsから提出します。
Step 5: 補助金の請求と受給
完了実績報告が承認されると、「額確定通知」が届きます。この通知を受けてから、最終手続きである「補助金請求」をjGrantsで行います。請求内容が承認されると、指定した口座に補助金が振り込まれます。
まとめ:未来の住まいのためにLCCM住宅補助金を活用しよう
LCCM住宅補助金は、環境性能に優れた住宅建築を強力に後押しする制度です。申請プロセスはオンラインで完結しますが、専門的な書類作成や要件の理解が不可欠です。
この記事で解説した流れを参考に、設計・施工事業者としっかり連携を取りながら、計画的に準備を進めましょう。この機会に、地球環境にも家計にも優しい未来の住まいを実現しませんか?