企業の脱炭素化や防災対策(レジリエンス強化)が急務となる中、自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池の導入を後押しする強力な補助金が「ストレージパリティ達成促進事業」です。この記事では、2024年度に実施された本事業の概要から申請方法、今後の動向までを分かりやすく解説します。
【重要】2024年度の公募は全て終了しました
本記事で紹介する「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」の令和5年度補正・令和6年度予算における公募(一次〜三次)は、2024年8月30日をもって全て終了しました。次年度以降の公募情報については、公式サイトをご確認ください。
「ストレージパリティ達成促進事業」とは?
本事業は、企業などが屋根等を活用した自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池を導入する際に支援を受けられる補助金です。正式名称は「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業のうちストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」といいます。
この事業の大きな目的は、以下の3つです。
- 価格低減の促進: 太陽光発電設備や蓄電池の導入を支援し、市場価格の低減を促します。
- ストレージパリティの達成: 蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態(ストレージパリティ)を目指します。
- 脱炭素化と防災性向上: 再生可能エネルギーの普及によりCO2排出量を削減し、災害時の非常用電源としても活用できるレジリエンス強化を図ります。
補助金の概要(2024年度実績)
2024年度に実施された公募の基本情報を表にまとめました。次年度の参考にしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
実施団体 | 一般財団法人環境イノベーション情報機構(EIC) |
対象事業者 | 民間企業、法人、団体等 |
対象設備 | 自家消費型の太陽光発電設備、定置用蓄電池など |
補助対象経費 | 設計費、設備費、工事費など |
補助額・補助率 | 設備の仕様や要件により異なる(詳細は公募要領で規定) |
申請方法 | Jグランツ(電子申請システム)によるオンライン申請 |
申請から交付までの流れ
一般的な申請プロセスは以下の通りです。特にGビズIDの事前取得が重要です。
- GビズIDの取得: Jグランツでの申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。取得に2〜3週間かかる場合があるため、早めに手続きを行いましょう。
- 公募要領の確認: 執行団体のウェブサイトで公開される公募要領を熟読し、対象要件や必要書類を確認します。
- 申請書類の準備: 事業計画書や経費内訳書など、指定された様式で申請書類を作成します。
- Jグランツで申請: 公募期間内にJグランツを通じて電子申請を行います。
- 審査・交付決定: 事務局による審査が行われ、採択されると交付決定通知が届きます。
- 事業の実施: 交付決定後、計画に沿って設備の導入工事などを開始します。
- 実績報告と補助金交付: 事業完了後、実績報告書を提出し、検査を経て補助金が交付されます。
申請のポイント:GビズIDの事前準備
多くの国や自治体の補助金で電子申請(Jグランツ)が標準となっています。申請を検討する際は、まずGビズIDプライムアカウントを取得しておくことを強くお勧めします。公募開始後に慌てないよう、事前に準備を進めましょう。
2024年度の公募スケジュール(実績)
公募回 | 期間 | ステータス |
---|---|---|
一次公募 | 2024年4月17日(水)~ 5月24日(金) | 終了 |
二次公募 | 2024年6月6日(木)~ 7月5日(金) | 終了 |
三次公募 | 2024年8月1日(木)~ 8月30日(金) | 終了 |
※予算額に達した場合、以降の公募は行われないことがあります。
まとめ
「ストレージパリティ達成促進事業」は、企業の再エネ導入とレジリエンス強化を力強く支援する重要な補助金です。2024年度の公募は終了しましたが、脱炭素化の流れは今後も加速するため、次年度以降も同様の事業が実施される可能性があります。
太陽光発電や蓄電池の導入を検討している事業者の皆様は、今のうちから情報収集やGビズIDの取得などの準備を進めておくことをお勧めします。
最新情報や次年度の公募については、公式サイトをご確認ください。