群馬県が実施した「令和6年度カーボンニュートラルビジネス支援補助金」は、2024年5月24日をもって募集を終了しました。
この記事では、来年度以降の申請を検討されている事業者様向けに、令和6年度の公募内容や採択結果を詳しく解説します。さらに、令和7年度から後継制度として「グリーンイノベーション補助金」が開始されるため、その情報もあわせてご紹介します。
令和6年度 群馬県カーボンニュートラルビジネス支援補助金とは?
群馬県カーボンニュートラルビジネス支援補助金は、脱炭素化に貢献する新しい製品やサービスの開発、またはビジネスモデルの創出(実証実験を含む)を支援することを目的とした制度です。県内事業者の脱炭素関連ビジネスへの新規参入を促進し、産業振興を図るために実施されました。
補助金の基本情報(令和6年度実績)
補助額 | 上限500万円(定額) |
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対象者 | 群馬県内に事業所を有する、または県内で補助対象事業を行う事業者 |
対象事業 | 脱炭素化に資する製品・サービスの開発事業やビジネスモデル事業 |
募集期間 | 令和6年4月15日~5月24日 ※募集終了 |
実施組織 | 群馬県 知事戦略部 グリーンイノベーション推進課 |
2024年度(令和6年度)の採択結果
令和6年度は12件の申請があり、審査の結果、8件が採択されました。採択率は約67%と、質の高い事業計画が求められる中で比較的高水準となりました。
採択されたテーマは以下の通りです。
- 廃プラ油化におけるPETやPVC等の解重合研究開発
- 不要品回収BOXからの回収物流効率化及び資源循環システム実証
- 自治体向けCO2モニタリングの実証
- バイオマスプラスチックを用いた筆記用具製品の開発
- コーヒー抽出残渣を混練した環境調和型コーヒーカップの開発
- 高機能バイオ炭を用いたカーボンオフセット実証事業
- LNG、LPG排冷熱を利用した蓄冷剤凍結システムの基礎的研究実験
- 高効率AGMと可変ピッチ型推力装置を搭載するドローンの開発
県内企業だけでなく、県外に本社を置く企業も採択されており、事業実施地が群馬県内であれば対象となることがわかります。
補助金の詳細(令和6年度募集内容)
補助対象者
以下のいずれかに該当する事業者が対象です。
- 群馬県内に事業所を有する事業者
- 補助対象事業を群馬県内で行う事業者
申請資格の注意点
- 役員等が反社会的勢力と関係がないこと。
- 同一年度内の応募は1申請のみ。
- 県の他の助成制度と併願は可能だが、両方採択の場合はいずれかを辞退。
- 過去の県補助事業で義務付けられた書類提出を怠っていないこと。
補助対象事業
脱炭素化に資するビジネスの創出につながる製品・サービスの開発事業またはビジネスモデル事業(実証実験を含む)が対象です。事業計画書には、どのようにカーボンニュートラルを実現するかを具体的に記載する必要がありました。
想定される事業例
- 利用者の省エネが進む製品やサービスの開発
- 製造工程の改善による自社の脱炭素化
- 県内特定地域の脱炭素につながる製品・サービスの開発
- カーボンクレジット等を活用した新たなオフセット事業
- 炭素固定に繋がる製品の開発
- 県内企業や県民の協力を得て実施する実証実験
補助対象経費
事業実施に直接必要となる経費が対象です。主な経費区分は以下の通りです。
経費区分 | 内容 |
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原材料費 | 原材料や副資材の購入費 |
機械装置費・工具器具費 | 機械装置等の購入・改良・据付費(申請額総額の1/2が上限) |
使用料・賃借料 | 機械や場所のレンタル料、クラウドサービス利用費など |
委託・外注費 | 外注加工、検査・試験・調査の委託、システム開発委託費など |
専門家経費 | 大学との共同研究費、専門家への謝金など |
システム開発費 | 自社でのソフトウェア制作に係る人件費 |
知財出願費 | 弁理士費用(上限50万円) |
対象外経費の例
汎用性のあるPC購入費、人件費(システム開発費を除く)、旅費交通費、消費税、交付決定前の発注・支出などは対象外となるため注意が必要です。
申請プロセスと審査(参考:令和6年度)
申請方法
申請は以下のいずれかの方法で行われました。
- Jグランツ(電子申請システム)
経済産業省の電子申請システム。GビズIDプライムの取得が必須でした。 - 電子メール
事前に県担当課へ連絡し、指定された方法でデータを提出する方式でした。
審査プロセス
審査は2段階で実施されました。
- 1次審査(書面審査):提出された申請書類に基づき、事業計画の妥当性などが審査されます。
- 2次審査(プレゼンテーション):産学官金の有識者で構成される審査会で、申請者が事業内容を発表します。
主な審査ポイント
- 脱炭素化への貢献度、GHG削減効果の妥当性
- 事業計画(体制、スケジュール)の適当性
- 市場性や事業化の可能性
- 新規性、優位性
- 地域課題解決や県内への波及効果
【重要】令和7年度からは「グリーンイノベーション補助金」へ
群馬県の公式サイトによると、「カーボンニュートラルビジネス支援補助金」は令和4年度から6年度までの3年間で実施され、令和7年度からは対象事業や補助額を拡充し、「グリーンイノベーション補助金」として一新されることが発表されています。
来年度の補助金活用を検討している事業者は、この新しい「グリーンイノベーション補助金」の情報を注視する必要があります。公募開始は例年通りであれば、令和7年4月頃と予想されます。
まとめ
この記事では、2024年5月に募集を終了した「令和6年度群馬県カーボンニュートラルビジネス支援補助金」について、制度の概要から採択結果、申請のポイントまでを解説しました。
- 上限500万円(定額)で、脱炭素関連の製品・サービス開発を支援する補助金。
- 令和6年度の採択率は約67%。事業計画の具体性とプレゼン能力が重要。
- 令和7年度からは後継制度「グリーンイノベーション補助金」としてリニューアル予定。
脱炭素化への取り組みは、今後ますます企業の競争力を左右する重要な要素となります。群馬県で関連事業を検討されている方は、来年度の新しい補助金制度の動向をチェックし、準備を進めてみてはいかがでしょうか。