はじめに：知的財産戦略を加速させる助成金・補助金

企業の競争力の源泉となる技術やブランド。これらを守り、活用するための知的財産権（特許、実用新案、意匠、商標など）の取得・維持には、少なくない費用がかかります。特に、グローバル市場を目指す中小企業にとって、海外での権利化（外国出願）は大きなハードルとなり得ます。

この記事では、そうした企業の負担を軽減し、積極的な知財戦略を後押しするために国や地方自治体が提供している、知的財産権に関連する助成金・補助金を全国規模で網羅的にご紹介します。自社に最適な制度を見つけ、事業成長にお役立てください。

中小企業等外国出願支援事業

海外展開を目指す中小企業にとって最も代表的な補助金です。外国への特許、実用新案、意匠、商標の出願にかかる費用の一部を補助します。

• 対象経費：外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用など
• 補助率・上限額：経費の1/2以内、1企業あたりの上限額は300万円（複数案件の場合）など、要件により変動します。
• ポイント：ジェトロが全国の窓口となり、各都道府県の中小企業支援センター等を通じて公募されます。

中小企業等海外侵害対策支援事業

海外での模倣品や海賊版による権利侵害に悩む企業を支援する制度です。権利行使にかかる費用を補助します。

• 防衛型侵害対策支援：海外で警告状を受け取った際の調査や訴訟費用を補助。
• 模倣品対策支援：海外での模倣品製造・販売に対する調査や法的措置の費用を補助。
• 補助率・上限額：経費の2/3以内、上限500万円など。

💡 専門家活用のススメ

知的財産関連の助成金は、専門的な知識が求められるケースが多くあります。申請手続きや事業計画の策定において、弁理士や知財コンサルタントなどの専門家と連携することで、採択の可能性を高めることができます。

⚠️ 申請時の重要注意点

• 公募期間の厳守：公募期間は短い場合が多く、締め切りを過ぎると一切受け付けられません。
• 予算上限：人気の助成金は、期間内であっても予算上限に達し次第、早期に受付を終了することがあります。
• 事前着手の禁止：原則として、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外となります。

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