東京都内で新たな資金調達方法をお探しの事業者様へ朗報です。ブロックチェーン技術を活用したデジタル証券(セキュリティトークン)の発行経費を最大750万円補助する、東京都の「デジタル証券市場拡大促進事業補助金」が公募中です。本記事では、この注目補助金の概要から申請方法、採択のポイントまで専門家が徹底解説します。
なぜ今、デジタル証券(ST)が注目されるのか?
デジタル証券(セキュリティトークン、ST)は、株式や債券などの有価証券をブロックチェーン技術でデジタル化したものです。従来の証券と異なり、小口化が容易で、発行体と投資家が直接繋がれるため、より柔軟で効率的な資金調達が可能になります。不動産やアートなど、これまで流動性の低かった資産も証券化できるため、新たな投資市場を創出するものとして世界的に期待されています。
東京都の狙い
東京都は「国際金融都市・東京」構想の一環として、このデジタル証券市場の育成を強力に推進しています。多様な発行事例を創出し、市場全体の拡大を後押しすることが本補助金の目的です。
補助金制度の概要
本補助金のポイントを分かりやすく表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
補助額 | 最大750万円 ・通常上限:500万円 ・重点分野:750万円 ・過去採択者:300万円 |
補助率 | 2分の1(スタートアップは3分の2) |
補助対象経費 | デジタル証券の発行に直接必要となる経費(プラットフォーム利用料、法務・会計費用、システム開発費など) |
対象事業者 | 都内に主たる事業所を有する事業者 |
募集期間 | 令和6年4月30日(火) ~ 令和7年1月31日(金) ※予算上限に達し次第、受付終了 |
上限額が750万円になる「重点分野」とは?
以下のいずれかに該当する事業は、補助上限額が750万円に拡充されます。
- イノベーション創出・社会課題解決に向けて、個人に新たな投資機会を提供するもの
- デジタル技術を駆使して個人に新たな投資体験を提供するもの
申請から採択までの流れ
申請は随時受け付けており、概ね1〜2ヶ月ごとに開催される審査会で採択が決定されます。早めの準備と申請が鍵となります。
- 1
公募要領・申請書類の確認
東京都の公式サイトから最新の資料をダウンロードし、要件を詳細に確認します。 - 2
事業計画書等の作成
デジタル証券発行の目的、計画、市場へのインパクトなどを具体的に記述します。 - 3
申請
Jグランツによる電子申請が推奨されています。郵送または持参も可能です。 - 4
審査・採択
審査会にて事業の新規性、実現可能性、市場への波及効果などが審査され、採択が決定します。
申請前に確認すべき重要ポイント
注意点1:予算上限による早期終了のリスク
本事業は予算がなくなり次第、公募期間内でも受付を終了します。デジタル証券の発行を検討している事業者は、できるだけ早く準備を進め、申請することをおすすめします。
注意点2:スタートアップは補助率が優遇
設立からの年数など、東京都が定める「スタートアップ」の定義に該当する場合、補助率が通常の2分の1から3分の2に引き上げられます。自社が対象となるか、募集要領で必ず確認しましょう。
まとめ:新たな資金調達の扉を開こう
東京都の「デジタル証券市場拡大促進事業補助金」は、革新的な資金調達手法であるSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)に挑戦する企業にとって、非常に強力な支援策です。特に、スタートアップや社会課題解決型のビジネスには大きなチャンスがあります。この機会を最大限に活用し、事業の成長を加速させましょう。
申請・問い合わせ先
東京都 スタートアップ・国際金融都市戦略室 戦略推進部 戦略事業推進課 国際金融都市担当
〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都庁第一本庁舎14階北側
Jグランツ申請ページ: Jグランツ ポータルサイト