【令和6年度】東京都SDGs債発行支援事業補助金
東京都では、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みと資金調達を強力に後押しするため、SDGs債(グリーンボンド等)の発行にかかる経費の一部を補助する「SDGs債発行支援事業補助金」を実施しています。本記事では、この魅力的な補助金の概要から、対象となる4種類の債券、申請方法までをプロの視点で徹底解説します。
補助金のポイント早わかり表
補助金名 | 令和6年度 SDGs債発行支援事業補助金 |
実施機関 | 東京都 |
目的 | SDGs債の発行を支援し、発行時の負担(外部レビュー費用等)を軽減する |
補助上限額 | 最大600万円(債券の種類・条件による) |
対象経費 | 外部レビューの付与に係る経費 |
申請方法 | Jグランツによる電子申請 または 郵送 |
4種類のSDGs債が補助対象
本補助金は、以下の4種類の債券発行を支援します。それぞれ補助率や上限額が異なるため、自社のプロジェクトに最適なものを選択することが重要です。
1. グリーンボンド
環境改善効果のある事業(グリーンプロジェクト)の資金調達のために発行される債券です。
項目 | 内容 |
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補助率 | 2/10(個人投資家向けは 6/10) |
上限額 | 200万円(個人投資家向けは 300万円) |
国の補助金併用 | 環境省補助金(4/10)と合わせ、自己負担は4/10(個人向けは自己負担なし) |
2. ブルーボンド
海洋環境の保全や持続可能な利用に資する事業(ブループロジェクト)の資金調達のために発行される債券です。
項目 | 内容 |
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補助率 | 6/10 |
上限額 | 300万円 |
国の補助金併用 | 環境省補助金(4/10)と合わせ、自己負担なし(補助上限額あり) |
3. トランジションボンド
脱炭素社会への移行(トランジション)に向けた企業の取り組みを支援するための債券です。
項目 | 内容 |
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補助率 | 1/10(個人投資家向けは 7/10) |
上限額 | 100万円(個人投資家向けは 600万円) |
国の補助金併用 | 経済産業省補助金(3/10)と合わせ、自己負担は6/10(個人向けは自己負担なし) |
4. ソーシャルボンド
社会的な課題の解決に貢献する事業(ソーシャルプロジェクト)の資金調達のために発行される債券です。
項目 | 内容 |
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補助率 | 8/10(個人投資家向けは 10/10) |
上限額 | 300万円(個人投資家向けは 400万円) |
申請手続きについて
申請は、国の電子申請システム「Jグランツ」の利用が推奨されています。手続きをスムーズに進めるための流れを確認しましょう。
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1
gBizIDプライムの取得
Jグランツを利用するには、法人・個人事業主向けの共通認証システム「gBizID」のアカウント(プライム)が必要です。未取得の場合は、公式サイトから早めに申請しましょう。
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2
必要書類の準備
公式サイトから、対象となる債券の募集案内や申請様式をダウンロードし、必要事項を記入します。交付申請書、経費内訳、誓約書などが共通で必要となります。
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3
申請(Jグランツ or 郵送)
準備した書類をJグランツ上で提出するか、指定の宛先へ郵送します。電子申請は移動や印刷の手間が省け、24時間申請可能なため便利です。
⚠️ 注意事項
- 本補助金は、国の関連補助金(環境省・経済産業省)との併用が前提となっている場合があります。必ず各債券の募集案内をご確認ください。
- 補助金を受け取った場合、会社名や補助内容等が公表されることがあります。
- 申請書類は債券の種類によって大きく異なります。公式サイトで最新の様式をダウンロードして使用してください。
まとめ:ESG経営を加速させるチャンス
東京都の「SDGs債発行支援事業補助金」は、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)経営を資金調達の面から強力にサポートする制度です。外部レビュー費用という発行時のハードルを大幅に下げることができるため、これまでSDGs債の発行をためらっていた企業にとっても絶好の機会と言えるでしょう。
本制度を有効活用し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、新たな企業価値創造へと繋げてください。