ものづくり補助金とは?中小企業の革新を後押しする強力な支援策
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が取り組む革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資等を支援する、非常に人気の高い補助金です。最新の機械導入やDX化、試作品開発などを通じて、企業の生産性向上と持続的な成長を促進することを目的としています。
この補助金のポイント
- 幅広い業種が対象: 製造業だけでなく、商業・サービス業など多様な業種で活用可能です。
- 高額な補助上限: 申請枠によっては最大4,000万円という大規模な支援が受けられます。
- 多様な経費に対応: 機械装置費だけでなく、システム構築費や専門家経費、知的財産権関連経費も対象になります。
あなたの会社は対象?補助対象者と3つの基本要件
本補助金は、日本国内に本社および事業所を有する中小企業・小規模事業者が主な対象です。具体的な資本金や従業員数の要件は業種によって定められています。
満たすべき3つの基本要件
申請にあたっては、以下の3つの要件をすべて満たす3〜5年の事業計画を策定する必要があります。
- 給与支給総額の増加: 事業計画期間中、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること。
- 事業場内最低賃金の引き上げ: 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上高い水準に設定すること。
- 付加価値額の向上: 事業計画期間中、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させること。
いくらもらえる?申請枠ごとの補助上限額・補助率
ものづくり補助金には複数の申請枠があり、事業内容や目指す目標に応じて最適な枠を選択することが重要です。以下に主な申請枠の概要をまとめました。
申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 概要 |
---|---|---|---|
通常枠 | 750万円~1,250万円 | 1/2 (小規模2/3) | 革新的な製品・サービス開発、生産プロセス改善のための設備投資 |
デジタル枠 | 750万円~1,250万円 | 2/3 | DXに資する革新的な製品・サービス開発やデジタル技術活用の生産プロセス改善 |
グリーン枠 | 1,000万円~4,000万円 | 2/3 | 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発や炭素生産性向上を伴う生産プロセス改善 |
グローバル市場開拓枠 | 3,000万円 | 1/2 (小規模2/3) | 海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資等 |
※補助上限額は従業員規模により変動します。大幅な賃上げを行う場合、補助率が引き上げられる特例があります。詳細は必ず最新の公募要領をご確認ください。
何に使える?対象となる経費・ならない経費
主な補助対象経費
- 機械装置・システム構築費: 事業に必要な機械装置や情報システムの購入・構築費用。
- 技術導入費: 知的財産権の導入など、事業遂行に必要な技術の導入費用。
- 専門家経費: 技術指導やコンサルティングを依頼する専門家への謝金。
- クラウドサービス利用費: サーバー利用料など、事業に必要なクラウドサービスの利用費用。
- 外注費: 新製品開発の加工や設計などを外部に委託する費用。
- 知的財産権等関連経費: 特許権や商標権などの取得にかかる弁理士費用や出願料など。
⚠️ 注意:対象外となる経費
汎用性の高いパソコン・スマートフォン、事務所の家賃や光熱費、広告宣伝費、販売を目的とした製品の原材料費などは原則として補助対象外です。経費の判断に迷う場合は、事前に事務局に確認しましょう。
申請から補助金受給までの7ステップ
ものづくり補助金の申請は、国の電子申請システム「Jグランツ」を利用して行います。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要ですので、早めに準備を進めましょう。
- 1GビズIDプライムアカウントの取得
- 2事業計画書の作成
- 3Jグランツでの電子申請
- 4審査・採択発表
- 5交付申請・決定
- 6事業実施・実績報告
- 7補助金の交付(精算払い)
採択率アップ!事業計画書で押さえるべき3つの重要ポイント
ものづくり補助金の採択を勝ち取るためには、審査員に評価される質の高い事業計画書の作成が不可欠です。以下の3つのポイントを意識しましょう。
ポイント1:革新性と優位性
自社の課題解決にとどまらず、業界や地域に貢献できるような革新的な取り組みであること、そして競合他社に対する優位性を具体的に示すことが重要です。
ポイント2:実現可能性の高い計画
事業の目標、スケジュール、資金計画、人員体制などが具体的かつ現実的である必要があります。目標達成までのプロセスを明確に描き、誰が読んでも納得できる計画を立てましょう。
ポイント3:政策との整合性
DX、GX(グリーン化)、賃上げ、グローバル展開など、国が推進する政策テーマとの関連性を示すことで、審査での評価が高まる傾向にあります。
まとめ:ものづくり補助金を活用して事業を飛躍させよう
ものづくり補助金は、中小企業が新たな挑戦をするための強力な追い風となる制度です。設備投資や新サービス開発を検討している経営者の方は、ぜひ活用を検討してみてください。
公募期間は限られていますので、公式サイトで最新情報を確認し、計画的に準備を進めることが採択への鍵となります。
お問い合わせ・公式サイトはこちら
ご不明な点がある場合は、下記のサポートセンターや公式サイトをご活用ください。
ものづくり補助金事務局サポートセンター
電話番号: 050-8880-4053
受付時間: 10:00~17:00(土日祝日を除く)