小規模事業者持続化補助金<一般型>とは?
小規模事業者持続化補助金<一般型>は、小規模事業者が直面する制度変更(働き方改革、インボイス制度導入など)に対応しつつ、持続的な経営に向けた販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する、非常に人気の高い補助金です。自社の経営計画に基づいた地道な取り組みを後押しし、生産性向上と事業の持続的発展を図ることを目的としています。
💡 この補助金のポイント
- チラシ作成、ウェブサイト制作、店舗改装など幅広い経費に活用可能!
- 商工会・商工会議所の手厚いサポートを受けながら申請準備ができる!
- 複数の申請枠があり、最大200万円の補助が受けられる!
補助金の概要
まずは制度の全体像を把握しましょう。主要な項目を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
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補助上限額 | 通常枠: 50万円 特別枠: 最大200万円(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠) インボイス枠: 100万円 |
補助率 | 原則 2/3 ※賃金引上げ枠のうち赤字事業者は 3/4 |
対象者 | 常時使用する従業員数が一定以下の小規模事業者・個人事業主など |
対象事業 | 経営計画に基づき実施する地道な販路開拓等のための取組、またはそれに併せて行う業務効率化の取組 |
申請要件 | 地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること |
申請期間 | 公募回ごとに設定されます。必ず公式サイトで最新の公募情報を確認してください。 |
誰が対象?補助対象者の詳細
この補助金は「小規模事業者」を対象としています。業種によって従業員数の定義が異なりますので注意が必要です。
小規模事業者の定義
業種 | 常時使用する従業員の数 |
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商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
※「常時使用する従業員」には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含まれません。
その他の主な要件
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと(法人のみ)。
- 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。
- 申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。
何に使える?補助対象経費の具体例
販路開拓や生産性向上のための幅広い経費が対象となります。主な11の経費区分と具体例を見ていきましょう。
経費区分 | 具体例 |
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①機械装置等費 | 製造用のオーブン、顧客管理ソフト、特殊プリンターなど |
②広報費 | チラシ・カタログ作成、新聞・雑誌広告、看板作成など |
③ウェブサイト関連費 | ECサイト構築、ホームページ改修、インターネット広告、SEO対策など |
④展示会等出展費 | 国内外の展示会・商談会の出展料、関連の運搬費など |
⑤旅費 | 展示会出展や原材料調査のための交通費・宿泊費(規定あり) |
⑥開発費 | 新商品の試作品開発、パッケージデザイン費用など |
⑦資料購入費 | 補助事業に必要な専門書や図書の購入(1冊10万円未満) |
⑧雑役務費 | 補助事業のために臨時で雇用したアルバイト代・派遣料など |
⑨借料 | 事業遂行に必要な機器・設備のリース・レンタル料など |
⑩設備処分費 | 販路開拓のためのスペース確保に伴う設備廃棄費用など |
⑪委託・外注費 | 店舗改装工事、車の内装工事、専門家への相談費用など |
⚠️ ウェブサイト関連費の注意点
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4が上限となります。また、ウェブサイト関連費のみでの申請はできませんのでご注意ください。
申請から受給までの流れ【5ステップ】
申請手続きは、商工会・商工会議所と連携して進めることが大きな特徴です。
- STEP 1: 経営計画書・補助事業計画書の作成
自社の強みや市場を分析し、販路開拓の具体的な計画を作成します。 - STEP 2: 商工会・商工会議所へ相談
作成した計画書を持参し、地域の商工会・商工会議所に相談します。内容の確認後、「事業支援計画書(様式4)」の作成・交付を依頼します。 - STEP 3: 申請書類の提出
必要な書類をすべて揃え、受付締切日までに電子申請(Jグランツ)または郵送で補助金事務局へ提出します。 - STEP 4: 採択・交付決定 → 補助事業の実施
審査を経て採択されると「交付決定通知書」が届きます。この通知書の日付以降に発注・契約した経費が補助対象となります。 - STEP 5: 実績報告 → 補助金の受給
事業完了後、期限内に実績報告書と経費の証拠書類を提出します。内容が確定されると、補助金が指定口座に振り込まれます(精算払い)。
申請のポイントと注意点
重要:補助金は後払いです!
補助金は事業完了後の精算払いです。事業実施期間中は自己資金での立て替えが必要になりますので、資金計画には十分ご注意ください。
注意:悪質なコンサルタント
高額な成功報酬を請求したり、申請を丸投げさせたりする業者には注意が必要です。本補助金は事業者自らが経営計画を策定することが趣旨であり、趣旨に沿わない申請は不採択となる可能性があります。
まとめと公式情報
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が新たな一歩を踏み出すための強力な味方です。幅広い経費に活用でき、専門家のサポートも受けられるため、初めて補助金を申請する方にもおすすめです。公募は不定期に実施されるため、チャンスを逃さないよう、公式サイトを定期的にチェックしましょう。
※事業所の所在地が商工会議所地区の場合は、商工会議所地区の事務局サイトをご確認ください。