【ご注意】本記事で解説している「令和5年度 LCCM住宅整備推進事業」の公募は既に終了しています。今後の住宅建築のトレンドを掴み、次回の公募に備えるための参考情報としてご活用ください。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。
LCCM住宅整備推進事業とは?未来の住まいづくりを支援する補助金
「LCCM住宅整備推進事業」は、国土交通省が主導する、脱炭素社会の実現に向けた先導的な住宅を普及させるための補助金制度です。住宅のライフサイクル全体を通じてCO2排出量をマイナスにする「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」の建設を支援します。省エネ性能で知られるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をさらに一歩進めた、次世代の住宅基準と言えるでしょう。
LCCM住宅のキーポイント
LCCM住宅は、単に住んでいる間のエネルギー消費を抑える(運用時)だけでなく、建設時の資材製造や工事、そして将来の廃棄時のCO2排出量までを考慮します。その上で、太陽光発電などの再生可能エネルギー創出量を最大化し、住宅の一生涯(ライフサイクル)でのCO2収支をマイナスにすることを目指す住宅です。
【令和5年度実績】補助金の概要
ここでは、参考として令和5年度に実施された事業の概要をまとめます。今後の公募でも同程度の条件となる可能性があるため、しっかりと確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
補助額 | 補助対象費用の1/2以内、上限140万円/戸 |
対象者 | LCCM住宅を新築する建築主(個人・法人問わず)、および建設を請け負う事業者 |
対象住宅 | 新築の戸建て住宅 |
申請期間(参考) | 第1回:2023年4月17日~9月29日 第2回:2023年10月16日~2024年1月19日 ※いずれも募集終了 |
補助対象となる住宅の主な要件
補助金を受けるためには、以下の主要な要件を満たす必要があります。専門的な内容も含まれるため、設計事務所や工務店との連携が不可欠です。
- ① 強化外皮基準の適合:ZEH水準の高い断熱性能(UA値など)が求められます。
- ② 一次エネルギー消費量の削減:再生可能エネルギーを除き、現行の省エネ基準値から25%以上の一次エネルギー消費量削減が必要です。
- ③ ライフサイクルCO2評価結果がゼロ以下:建設から廃棄までのCO2排出量を算出し、太陽光発電などによる削減量がこれを上回る(結果が0以下になる)ことが必須です。
申請から補助金受給までの流れ
一般的な申請プロセスは以下の通りです。公募開始から慌てないよう、事前に流れを把握しておきましょう。
- 1公募情報の確認と準備
公式サイトで公募要領を熟読し、協力事業者(工務店等)と連携してLCCM住宅の設計や仕様を固めます。 - 2申請手続き
申請期間内に、実施支援室のウェブサイトから必要書類を添付して電子申請を行います。 - 3交付決定
審査を経て、補助金の交付が決定されます。交付決定通知を受け取るまで、工事の契約や着工はできません。 - 4事業実施(建築工事)
交付決定後、計画通りに住宅の建築工事を進めます。 - 5完了実績報告
工事完了後、期限内に実績報告書を提出します。 - 6補助金の受領
報告書が受理され、補助金額が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
申請の重要ポイント
この補助金は、予算の上限に達し次第、期間内でも受付が終了する可能性があります。また、ライフサイクルCO2評価など専門的な計算が必要なため、計画段階から十分な時間を確保し、経験豊富な事業者と連携することが成功のカギとなります。
まとめ:次世代の家づくりに向けて
LCCM住宅は、地球環境への貢献と、光熱費の削減や快適な室内環境の実現といった住まい手へのメリットを両立する、まさに未来のスタンダードとなりうる住宅です。補助金制度をうまく活用することで、初期コストを抑えながら、資産価値の高い高性能な住宅を手に入れるチャンスが広がります。
令和5年度の募集は終了しましたが、脱炭素化の流れは今後さらに加速することが予想されます。住宅の新築を検討されている方は、ぜひLCCM住宅を視野に入れ、今後の補助金情報に注目してください。