企業の脱炭素化とエネルギーコスト削減の切り札として注目される、自家消費型太陽光発電設備と蓄電池の導入を支援する大型補助金「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」について、専門家が分かりやすく解説します。令和5年度補正予算および令和6年度予算で実施された本事業は、企業の再生可能エネルギー主力化と災害時のレジリエンス強化を目的としています。(※本年度の公募はすべて終了しました。来年度以降の参考にしてください。)
この補助金のポイント
- 自家消費型の太陽光発電・蓄電池の導入費用を補助
- 企業の脱炭素化と電気料金の削減に貢献
- 災害時の非常用電源確保による事業継続計画(BCP)対策を強化
- 申請はJグランツによる電子申請が基本
補助金の概要
正式名称 | 令和5年度(補正予算)および令和6年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 |
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実施団体 | 一般財団法人環境イノベーション情報機構(EIC) |
対象者 | 屋根等を活用した自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池の導入を行う民間企業等 |
補助対象設備 | 自家消費型太陽光発電設備、定置用蓄電池など |
補助額・補助率 | 設備の種別や性能に応じて規定(詳細は公募要領をご確認ください) |
申請方法 | Jグランツ(電子申請システム)による申請 |
2024年度の公募期間(参考)
2024年度(令和6年度)の公募は以下の日程で実施されました。現在はすべて終了しています。
公募回 | 期間 | ステータス |
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一次公募 | 2024年4月17日~5月24日正午 | 終了 |
二次公募 | 2024年6月6日~7月5日正午 | 終了 |
三次公募 | 2024年8月1日~8月30日正午 | 終了 |
申請手続きの基本的な流れ
本補助金の申請は、デジタル庁が運営する補助金電子申請システム「Jグランツ」を利用します。申請には事前の準備が不可欠です。
- GビズIDプライムアカウントの取得
Jグランツの利用に必須のアカウントです。取得には2週間程度かかる場合があるため、公募開始前に余裕をもって手続きを完了させておくことが重要です。 - 公募要領・関連書類の確認
公式サイトで公開される公募要領、Q&A集、交付規程などを熟読し、自社の事業が要件に合致するか、必要書類は何かを正確に把握します。 - 申請書類の作成
事業計画書や経費内訳書など、指定された様式を用いて申請書類を作成します。設備の仕様や費用対効果などを具体的に示す必要があります。 - Jグランツでの電子申請
準備した書類をJグランツのシステム上でアップロードし、申請手続きを完了させます。公募締切は正午など、時間に厳格なため注意が必要です。
申請前の重要チェックポイント
申請をスムーズに進めるため、特に「GビズIDプライムアカウント」の事前取得は必須です。アカウント未取得の場合、公募期間内に申請が間に合わない可能性があります。次回の公募に備え、早めに取得しておくことを強くお勧めします。
公式情報・お問い合わせ先
最新かつ正確な情報は、必ず実施団体の公式サイトでご確認ください。公募要領や申請様式もこちらからダウンロードできます。
お問い合わせ
公募に関する質問は、専用の問い合わせフォームから受け付けています。電話での問い合わせはできませんのでご注意ください。
- 問い合わせ方法: 公式サイト内の専用問い合わせフォーム
- 注意事項: 電話での質問は不可。
まとめ:次回の公募に向けて
「ストレージパリティ補助金」は、企業の環境経営と経営基盤強化を同時に実現できる、非常に魅力的な制度です。本年度の公募は終了しましたが、脱炭素化の流れは今後も加速することから、同様の補助金が来年度以降も実施される可能性は高いと考えられます。
次回のチャンスを逃さないために、今から以下の準備を進めておくことをお勧めします。
- GビズIDプライムアカウントの取得
- 自社のエネルギー使用状況の把握と課題分析
- 太陽光発電・蓄電池設備の導入計画の検討
- 関連補助金の情報収集(環境省、経済産業省など)
計画的な準備が、補助金採択の可能性を大きく高めます。ぜひ本記事を参考に、次の一手をご検討ください。