スマート保安実証支援事業費補助金とは?
スマート保安実証支援事業費補助金は、IoT、AI、ドローンなどの先端技術を活用して、産業保安分野の安全性と効率性を向上させる取り組みを支援する制度です。特に、中小企業や中堅企業が新たなテクノロジーを導入し、保安レベルを持続的に向上させるための実証事業にかかる費用の一部を国が補助します。これにより、将来にわたって国民の安全・安心を創り出す仕組みの構築を目指します。
制度のポイント
- ✓補助上限額: 最大5,000万円
- ✓補助率: 中小企業・地方公共団体は2/3、中堅企業は1/2
- ✓対象者: 全国の中小企業、中堅企業、地方公共団体
- ✓目的: IoTやAI等を活用した保安業務のDX化・効率化の実証
公募期間とスケジュール
2025年度(令和7年度)の公募は以下のスケジュールで実施されました。現在は受付を終了しています。
項目 | 期間・日付 |
---|---|
一次公募期間 | 2025年6月20日(金) ~ 7月14日(月) ※受付終了 |
二次公募期間 | 2025年8月4日(月) ~ 8月19日(火) ※受付終了 |
交付決定日(一次) | 2025年7月下旬 |
交付決定日(二次) | 2025年9月中旬 |
【重要】交付決定前の発注は補助対象外です。必ず交付決定通知書を受け取った後に、契約や発注を行ってください。
補助対象事業の概要
補助対象事業者
以下のすべての要件を満たす、日本国内に登記された中小企業、中堅企業、または地方公共団体(水力発電所設置者に限る)が対象です。
- 日本国内に登記し活動実績があること。
- 補助事業を遂行できる財務状況である、または具体的な資金調達計画があること。
- 予算決算及び会計令第70条及び第71条の規定に該当しないこと。
- 経済産業省から補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられていないこと。
補助対象となる事業テーマ例
過去には以下のようなテーマが採択されています。これらはあくまで一例であり、保安力向上と省力化に資する多様な実証事業が対象となります。
- 運転データを活用した設備・機器劣化のAI予兆診断システム構築
- 外観点検業務におけるドローンを活用した点検システムの構築
- ロボットを活用したスマート保守システムの開発・実証
- IoTセンサーデータと運転データの融合によるAI運転支援システムの構築
- 3D画像を使った現場点検システムの構築
申請方法と関連資料
申請は、原則として補助金申請システム「Jグランツ」を利用して行います。申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。アカウント発行には時間がかかる場合があるため、早めの準備をおすすめします。
申請のステップ
- GビズIDプライムの取得: Jグランツでの申請に必須です。未取得の場合はまず取得手続きを行ってください。
- 公募要領・申請書類の確認: 公式サイトから最新の公募要領、交付規程、申請書類一式をダウンロードし、内容を熟読します。
- 事業計画の策定: 実証事業の目的、内容、スケジュール、費用、効果などを具体的に記載した事業計画書を作成します。
- Jグランツでの申請: 必要事項を入力し、作成した申請書類を添付して電子申請を行います。
- 審査・採択: 事務局による審査が行われ、採択事業者が決定されます。
- 交付決定・事業開始: 交付決定通知を受けた後、事業を開始します。
よくある質問 (FAQ)
Q. AI/IoTベンダー企業も申請できますか?
A. ベンダー企業の単独申請や共同申請も可能ですが、ベンダー企業自身が中小企業または中堅企業の要件を満たす必要があります。
Q. 交付決定前に発注した費用は対象になりますか?
A. いいえ、対象になりません。必ず交付決定通知書の日付以降に契約・発注した費用のみが補助対象となります。
Q. 見積書は必ず3社必要ですか?
A. 3社からの相見積もりが原則です。ただし、導入する技術・機器が特殊で1社からしか調達できない場合は、その理由を明確にした選定理由書を提出することで許容される場合があります。
Q. 補助金はいつもらえますか?
A. 事業完了後、実績報告書を提出し、完了検査が終了した後に支払われます。通常、年度末の2026年3月後半頃が予定されています。
お問い合わせ先
「スマート保安実証支援事業費補助金」事務局
(株式会社日本能率協会コンサルティング内)
対応時間: 平日 10:00~17:00
※メールでのお問い合わせの際は、企業名・部署名・電話番号・ご担当者様名を記載してください。