詳細情報
「もっとパパコース」は、東京都が実施する働くパパママ育業応援奨励金の一つで、男性従業員の育児休業取得を促進し、育児しやすい職場環境づくりを支援する制度です。最大170万円の奨励金が支給されるこの制度は、従業員の育児参加を積極的に応援したい企業にとって、見逃せないチャンスです。本記事では、令和7年度の「もっとパパコース」について、その概要から申請方法、採択のポイントまでを詳しく解説します。
働くパパママ育業応援奨励金(もっとパパコース)の概要
正式名称
働くパパママ育業応援奨励金(もっとパパコース)
実施組織
公益財団法人東京しごと財団
目的・背景
東京都では、男性の育児参加を促進し、育児と仕事の両立を支援するため、この奨励金制度を設けています。育児休業を取得しやすい職場環境を整備することで、従業員の満足度向上、人材の定着、そして企業の生産性向上を目指しています。
対象者の詳細
都内で事業を営む企業等(企業規模不問)で、常時雇用する従業員(雇用保険被保険者)を2人以上かつ6か月以上継続して雇用している事業者が対象です。複数の男性従業員がそれぞれ合計30日以上の育児休業を取得し、原職復帰後3か月以上継続雇用されていることが要件となります。
助成金額・補助率
具体的な金額
2人の従業員がそれぞれ合計30日以上の育児休業を取得した場合、80万円が支給されます。3人目以降は、1人につき30万円が加算され、最大170万円まで支給されます。
補助率
この奨励金は、補助率という概念ではなく、要件を満たすことで定額が支給される制度です。
計算例
例えば、5人の従業員がそれぞれ30日以上の育児休業を取得した場合、80万円 + (30万円 × 3人) = 170万円が支給されます。
| 育児休業取得者数 | 奨励金額 |
|---|---|
| 2人 | 80万円 |
| 3人 | 110万円 |
| 4人 | 140万円 |
| 5人 | 170万円 |
対象者・条件
詳細な対象要件
- 都内で事業を営んでいること(本店登記または都内事業所での営業実態があること)。
- 常時雇用する従業員(雇用保険被保険者)を2人以上かつ6か月以上継続して雇用していること。
- 複数の男性従業員がそれぞれ合計30日以上の育児休業を取得し、原職復帰後3か月以上継続雇用されていること。
- 対象となる複数の男性従業員のうち、少なくとも1人は申請受付期間が令和7年4月1日以降に係っていること。
- 育児・介護休業法に基づく職場環境整備について、令和7年4月1日以降に複数実施していること。
業種・規模・地域制限
企業規模は不問です。ただし、都内で事業を営んでいることが条件となります。
具体例
- IT企業で、2人の男性従業員がそれぞれ1ヶ月以上の育児休業を取得し、職場復帰した場合。
- 製造業で、3人の男性従業員がそれぞれ40日以上の育児休業を取得し、育児休業に関する研修を実施した場合。
- サービス業で、5人の男性従業員がそれぞれ30日以上の育児休業を取得し、育児休業に関する相談窓口を設置した場合。
補助対象経費
この奨励金は、特定の経費を補助するものではなく、育児休業を取得した従業員の人数に応じて支給されるものです。ただし、育児・介護休業法に基づく職場環境整備を複数実施していることが要件となります。
対象となる職場環境整備
- 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
- 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口の設置)
- 従業員の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
- 従業員への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業促進に関する方針の周知
対象外経費
直接的な経費補助ではないため、対象外経費という概念はありません。
申請方法・手順
ステップバイステップの詳細手順
- 東京しごと財団の公式サイトから募集要項と申請様式をダウンロードします。
- 申請に必要な書類を準備します。
- 申請書に必要事項を記入し、必要書類を添付します。
- 申請書類を郵送または電子申請で提出します。
- 東京しごと財団による審査を受けます。
- 審査結果の通知を受け取ります。
- 支給決定後、奨励金の請求手続きを行います。
必要書類の完全リスト
- 奨励金支給申請書
- 事業活動報告書
- 育児休業取得者の雇用保険被保険者証の写し
- 育児休業期間が確認できる書類(賃金台帳、出勤簿など)
- 育児休業からの復帰日が確認できる書類(出勤簿など)
- 職場環境整備の実施状況が確認できる書類(研修資料、相談窓口の設置に関する書類など)
- 就業規則の写し
- その他、東京しごと財団が指定する書類
申請期限・スケジュール
申請期間は、対象となる育児休業から原職に復帰し、3か月経過する翌日から2か月以内です。具体的な申請受付期限日は、東京しごと財団の公式サイトで公開される「申請受付期限日一覧」で必ず確認してください。
オンライン/郵送の詳細
申請方法は、郵送または電子申請です。郵送の場合は、追跡可能な記録の残る方法(レターパック、簡易書留等)で提出してください。電子申請の場合は、東京しごと財団の公式サイトから申請システムにアクセスし、必要事項を入力して書類をアップロードします。
採択のポイント
審査基準
審査では、以下の点が重視されます。
- 育児休業取得者の人数
- 育児休業期間
- 職場環境整備の実施状況
- 申請書類の正確性
採択率の情報
具体的な採択率は公表されていませんが、要件を満たし、適切な申請書類を提出すれば、採択される可能性は高いです。
申請書作成のコツ
- 申請書類は丁寧に作成し、誤字脱字がないように注意する。
- 職場環境整備の実施状況を具体的に記載する。
- 育児休業取得者の事例を積極的にアピールする。
よくある不採択理由
- 申請書類の不備
- 対象要件を満たしていない
- 職場環境整備の実施状況が不十分
よくある質問(FAQ)
Q1: 育児休業の期間は連続している必要はありますか?
A1: いいえ、連続している必要はありません。合計で30日以上であれば、分割して取得しても対象となります。
Q2: 育児休業中に一時的に就労した場合、育児休業期間はどうなりますか?
A2: 育児休業中に一時的に就労した日数は、育児休業日数から除外されます。
Q3: 職場環境整備は、具体的にどのようなことをすれば良いですか?
A3: 育児休業に関する研修の実施、相談窓口の設置、育児休業取得事例の収集・提供、育児休業制度の周知などが挙げられます。
Q4: 申請書類はどのように入手できますか?
A4: 東京しごと財団の公式サイトからダウンロードできます。
Q5: 申請書類の提出先はどこですか?
A5: 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階 公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児支援担当係 宛です。
まとめ・行動喚起
「働くパパママ育業応援奨励金(もっとパパコース)」は、男性従業員の育児参加を促進し、育児しやすい職場環境づくりを支援する魅力的な制度です。最大170万円の奨励金は、企業の育児支援を大きく後押しします。申請を検討されている企業は、東京しごと財団の公式サイトで詳細を確認し、早めに準備を始めましょう。
お問い合わせ先:
企業支援部 雇用環境整備課 育児支援担当係
電話:03-5211-2399(平日9時から17時)
公式サイト:https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/papamama/mottopapa_yoko.html