この記事のポイント
2025年度（令和7年度）に活用できる、水力発電の導入・事業化を支援する2つの主要な補助金について、対象者、補助額、スケジュールを分かりやすく解説します。民間事業者向けと地方公共団体向けの両方の制度を網羅しているため、自社に最適な補助金を見つけることができます。
2025年度 水力発電関連の主要補助金
再生可能エネルギーの導入拡大が急がれる中、有望な国産エネルギーである水力発電に再び注目が集まっています。政府は、その導入を加速させるため、事業の初期段階である「事業性評価」にかかる費用を支援する補助金制度を設けています。ここでは、新エネルギー財団（NEF）が公募する主要な2つの補助金を紹介します。
- 令和7年度 水力発電導入加速化事業費（事業性評価支援）
- 令和6年度 中小水力発電自治体主導型案件創出調査等支援事業費補助金
1. 令和7年度 水力発電導入加速化事業費
この事業は、水力発電所の新設やリプレイスを検討する民間事業者や地方公共団体を対象に、事業初期段階の調査・設計費用を支援するものです。事業内容によって2つのメニューが用意されています。
補助対象者・補助率・上限額
対象となる発電出力は、20kW以上30,000kW未満です。事業類型ごとの詳細は以下の通りです。
| 事業類型 |
補助対象者 |
補助率 |
補助金上限額 |
| (1) 水力発電事業性評価事業 |
民間事業者等、地方公共団体 |
1/2以内 |
・基本設計含む: 2,000万円/年
・基本設計含まず: 1,000万円/年
※作業道整備費は別途最大1,000万円 |
| (2) 地方公共団体が行う事業性評価・公募事業 |
地方公共団体 |
定額 (10/10) |
2,000万円/年
※作業道整備費は別途最大2,000万円 |
公募期間とスケジュール
公募期間は令和7年4月7日(月)から令和7年9月24日(水)までですが、審査は締切ごとに実施されます。注：交付申請は2次締切までとされています。
| 締切 |
申請書到着期限 |
交付決定（予定） |
| 1次締切 |
令和7年5月13日(火) |
6月下旬 |
| 2次締切 |
令和7年6月17日(火) |
7月下旬 |
| 3次締切 |
令和7年9月24日(水) |
10月下旬 |
2. 令和6年度 中小水力発電自治体主導型案件創出調査等支援事業費補助金
こちらは、地方公共団体が主導する中小水力発電の開発案件創出を目的とした補助金です。地方公共団体と連携する民間事業者も対象となります。
補助対象者・補助率
- 補助対象者: 地方公共団体、及び地方公共団体と連携する民間事業者
- 発電出力: 50kW以上30,000kW未満
- 補助率: 3/4以内
- 予算額: 16.8億円
公募期間とスケジュール
公募期間は令和7年4月1日(火)から令和7年6月25日(水)までです。
| 締切 |
申請書到着期限 |
交付決定（予定） |
| 1次締切 |
令和7年5月14日(水) |
6月中旬 |
| 2次締切 |
令和7年6月25日(水) |
7月中旬 |
申請プロセスと注意点
申請の基本的な流れ
申請は、原則として経済産業省の補助金申請システム「Jグランツ」による電子申請となります。やむを得ない事情がある場合に限り、電子メールでの申請も受け付けられます。
- 公式サイトで公募要領を確認: 事業の詳細、要件、必要書類を熟読します。
- Jグランツの準備: GビズIDプライムアカウントを取得し、申請の準備をします。
- 申請書類の作成: 公式サイトから様式をダウンロードし、事業計画書や経費内訳書などを作成します。
- 期間内に申請: Jグランツを通じて、締切日までに申請を完了させます。
⚠️ 申請時の重要注意点
- 予算超過による早期終了: 予算額を超える申請があった場合、公募期間中であっても受付が終了することがあります。早めの申請を心がけましょう。
- 申請内容の不備: 申請内容に不備があると審査対象外となる可能性があります。提出前に入念に確認してください。
- 公募説明会への参加: 参加は必須ではありませんが、制度理解を深めるためにオンライン説明会への参加が推奨されます。
公募説明会・問い合わせ先
両事業ともに、オンラインでの公募説明会が複数回開催されます。最新の日程や参加申込は公式サイトをご確認ください。
事業内容に関する質問は、公募説明会または指定の質問フォーマットを用いた電子メールでのみ受け付けています。電話での問い合わせには対応していないためご注意ください。
応募書類の提出先・問い合わせ先
一般財団法人新エネルギー財団 水力普及促進部 宛
〒171-0031 東京都豊島区目白１丁目４番２５号
※問い合わせは公式サイトの質問フォーマットをご利用ください。
