災害時の事業継続を支援!「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」とは?
近年、地震や台風、集中豪雨といった大規模自然災害が頻発しており、企業や施設における事業継続計画(BCP)の重要性はますます高まっています。特に、災害による停電は事業活動や避難所運営に深刻な影響を及ぼします。
今回ご紹介する「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」は、一般社団法人都市ガス振興センターが執行する制度です。災害時でもエネルギー供給が途絶えにくい天然ガスを利用した停電対応型の設備導入を支援し、地域の防災力・レジリエンス強化を目的としています。
この補助金のポイント
- 災害時の停電に対応できるCGSやGHPの導入費用を補助
- 補助額は最大3億6,000万円、補助率は最大1/2
- 避難所や防災拠点となる施設が対象で、地域の防災力向上に貢献
- 複数回の公募が予定されており、計画的な申請が可能
補助金の詳細情報
本補助金の具体的な対象者、対象設備、補助額について詳しく見ていきましょう。
対象となる事業者
リースやエネルギーサービス事業者を含む、全業種の事業者が対象です。ただし、家庭用としての利用は対象外となります。
対象となる施設
以下のいずれかに該当し、災害時に地域住民への支援を行う施設が対象となります。
- 国や地方公共団体の防災計画で指定された指定避難所(福祉避難所含む)など
- 災害時に活動拠点となる地方公共団体施設などの中核施設
- 国や地方公共団体と協定を締結している協定避難所、帰宅困難者受入施設など
- その他、審査委員会が認めた施設
対象となる設備
系統電力の停電時に、発電または空調を開始・継続できる以下の常用の設備が対象です。
- 停電対応型CGS(コージェネレーションシステム)
- 停電対応型GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン)
補助率と補助上限額
補助率と上限額は、施設の所在地(地震対象エリア・大都市等かどうか)やガスの供給方式によって異なります。詳細は以下の表をご確認ください。
区分 | 補助率 | 補助上限額(CGS) | 補助上限額(GHP) | |
---|---|---|---|---|
地震対象エリア・大都市等 | 中圧ガス導管 | 1/2以内 | 3億6,000万円 | 1億円 |
低圧ガス導管 | 6,000万円 | 6,600万円 | ||
上記以外 | 中圧ガス導管 | 1/3以内 | 2億4,000万円 | 6,600万円 |
低圧ガス導管 | 6,000万円 | 6,600万円 |
※「地震対象エリア・大都市等」とは、南海トラフ地震等の政府想定地震の対象地域や政令指定都市などを指します。詳細は公募要領をご確認ください。
補助対象となる経費
補助の対象となる経費は以下の通りです。
- 設計費
- 既存設備撤去費
- 新規設備機器費
- 新規設備設置工事費
- 敷地内ガス管敷設費
⚠️ 注意事項
設備の更新を目的とした既存設備の撤去費用は補助対象外です。また、敷地外のガス本支管工事費も対象外となりますのでご注意ください。
申請方法とスケジュール
公募期間
本補助金は、年度内に複数回の公募が実施されることが通例です。公募期間は比較的短いため、常に公式サイトの最新情報をチェックし、計画的に準備を進めることが重要です。
申請から補助金受領までの流れ
申請は原則として、電子申請システム「jGrants」を利用して行います。大まかな流れは以下の通りです。
- 1交付申請 (jGrants)
実施計画書や見積書などの必要書類を準備し、申請します。 - 2交付決定
審査後、都市ガス振興センターから交付決定通知が届きます。 - 3事業開始
交付決定後に、設備の発注・契約を行います。 - 4実績報告
事業完了後、支払いを済ませてから30日以内に実績報告書を提出します。 - 5確定検査・金額確定
報告書に基づき検査が行われ、補助金額が確定します。 - 6補助金受領
精算払請求を行い、補助金が振り込まれます。
まとめ:災害に強い施設づくりに補助金を活用しよう
「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」は、災害時のエネルギーセキュリティを高め、地域社会の安全・安心に貢献するための非常に有効な制度です。
初期投資の負担を大幅に軽減しながら、最新の停電対応設備を導入できる絶好の機会です。BCP対策や施設の防災機能強化をお考えの事業者の皆様は、ぜひ本補助金の活用をご検討ください。
お問い合わせ先
一般社団法人 都市ガス振興センター
事業部 事業グループ(「強靭性向上補助金」に関して)
TEL:03-6435-7692
受付時間:9:00~12:00、13:00~17:20(土日祝、5/1、12/29~1/4を除く)