INPIT外国出願補助金とは?
海外展開を目指す中小企業にとって、特許や商標などの知的財産権の保護は事業成功の鍵を握ります。しかし、外国への出願には高額な費用がかかるのが実情です。「INPIT外国出願補助金」は、そんな中小企業の皆様の海外における知的財産権の取得を支援し、国際的な事業展開を後押しするための強力な制度です。
この補助金を活用することで、外国特許庁への出願にかかる費用の最大半額の補助を受けることが可能になります。
補助金の概要
本補助金の全体像を把握できるよう、主要な情報を表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象者 | 日本国内に主たる事業所を有する中小企業、小規模企業、スタートアップ、大学、公的研究機関など |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助上限額 | 1企業あたり:300万円 1案件あたり:特許 150万円 / 実用新案・意匠・商標 各60万円 / 冒認対策商標 30万円 ※上記は一例です。詳細は公募要領をご確認ください。 |
対象となる権利 | 発明、実用新案、意匠、商標 |
対象経費 | 外国特許庁への出願手数料、国内・現地代理人費用、翻訳費用など |
2つの支援メニュー
本補助金には、企業の状況に応じて利用できる2つの主要な支援メニューがあります。
1. 出願手続の補助
これから海外へ特許や商標を出願する際に利用できるメニューです。新規の海外展開を計画している企業に最適です。
2. 中間手続の補助
既に出願済みの案件について、外国特許庁から拒絶理由通知が来た際の応答(中間応答)や、出願審査請求にかかる費用を補助するメニューです。権利化までのプロセスを継続的に支援します。
公募スケジュールと申請の流れ
最新の公募期間(2025年度)
- 出願手続の補助: 次回公募は2025年12月頃を予定しています。
- 中間手続の補助: 2025年7月1日~12月22日17:00まで受付中です。
⚠️ 申請時のご注意
応募締切直前は申請システムが大変混み合い、エラーが発生する可能性があります。時間に十分な余裕をもって、早めの申請手続きを心がけてください。
申請の基本ステップ
- 公募要領の確認:公式サイトで最新の公募要領を熟読し、要件を確認します。
- 必要書類の準備:事業計画書、見積書、国内出願書類など、指定された書類を準備します。
- 電子申請:指定された申請システムから、期間内に申請を完了させます。
- 審査・採択:事務局による審査が行われ、採択・不採択が決定・通知されます。
- 交付決定・事業開始:交付決定後、外国への出願手続き等を開始します。
- 実績報告と補助金受領:事業完了後、実績報告書を提出し、検査を経て補助金が支払われます。
申請の重要ポイント
✅ 押さえておくべき条件
- 国内出願が前提:応募時点で、基礎となる特許・商標などが日本国特許庁に出願済みである必要があります。
- 事業計画の重要性:権利取得後に、その権利をどのように事業で活用していくかという具体的な計画が審査で重視されます。
- 対象外経費の確認:交付決定前に発生した費用や、日本国特許庁への手数料は補助対象外です。
- 重複申請の禁止:都道府県等が実施する類似の補助金との同一案件での重複申請は原則として認められません。
まとめと公式情報
INPIT外国出願補助金は、中小企業のグローバルな挑戦を資金面から力強くサポートする制度です。海外での知的財産戦略は、模倣品対策やブランド価値の向上に不可欠です。この機会を最大限に活用し、貴社の海外事業展開を加速させましょう。
最新情報や詳細な公募要領、申請様式は必ず公式サイトでご確認ください。
本補助金に関するお問い合わせ
INPIT外国出願補助金事務局(一般社団法人発明推進協会内)
- 電話番号: 03-3502-5424
- 受付時間: 10:00~17:00(土日祝日及び12/29~1/3を除く)
- メールアドレス: info★gaikoku.inpit.go.jp (★を@に変更して送信してください)